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ドコモの6G「人間拡張してあなたと世界を変えていく」はディストピアな未来?

ドコモの6Gテクノロジー「人間拡張してあなたと世界を変えていく」・・・そうです。

身体拡張することで人間を機械化していくようなトランスヒューマン的な思想の流れです。テクノ大好き人間のボクは、数年前にマックス・デグマーク「LIFE3.0」を読んだときにはワクワクしましたし、オーウェル「1984」やオルダス・ハクスリー「素晴らしき世界」などのディストピアSFで描かれるような世界は、面白い作り話として楽しんでいました。でも、そうしたディストピアな世界を実行する人間なんて、いないと思っていました。

リアリティーを増すディストピア世界

でも、技術的可能性が高まり、中国を筆頭に、それを実行する国家が出てきた近年においては、ディストピアな未来はリアリティーを持ちつつあります。
テクノロジーの可能性に魅せられた科学者やエンジニアは、不可能を可能にする「万能感」を得て傲慢なリバタリアンになりやすいのかも知れません。倫理観や全体観を見失い危険な技術を探求してしまいやすい。そこに名誉欲と金銭欲が重なると核兵器や生物兵器のような危険なものでもつくってしまう。ユーバルノアハラリは、テクノロジストには医者のように倫理の試験や価値観の試験がないことが問題だと言います。

自然に囲まれた神戸の自然の美しさ

神戸に移住して、日常の中で須磨の海岸の美しさや六甲山の自然の調和の素晴らしさを感じるほど、人間は世界をいびつなものにしているようにしか見えない。

人間拡張したり世界を変えたりするより、「本来の人間」らしくなることを考えた方が良いと思う。これ以上、いびつな社会や人間のアップデイトをすべきではないと思う。テクノロジーは、今ある人間と自然の美しさや調和を守るためにどうすべきか?に取り組むべきだと思う。

そもそも土俵が歪んでいることに気づくべき

そもそも人々が依って立っている資本主義社会という土俵が歪んでいるということに気づく必要があると思う。経済成長や競争に勝とうとするより、経済格差を緩和するための政策や技術を開発したり、社会と人間を歪める原因になっている経済パラメーターや壊れた民主主義をどうアップデイトすべきかを考えるべきだと思う。

経済的な競争と不平等な構造が、人々を過酷な労働環境や殺伐とした人間関係に追い込んでいるのは明らか。でも、その構造体の中にいると知らない内に自分の思考も競争主義に染まっていきやすい。
それは貪欲に世界を所有したい一部の人々(1%)にとって都合が良いだけで、大半の人々(99%)は犠牲者でしかない。大半の人々はシンプルな幸福を求めているだけだと思う。この間見た「アバター2」はまさにこの問題を描いていると思う。


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