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OPEN PARK〜公園からはじまる、世代・領域・地域を越えたつながり〜/京都

SOCIAL WORKERS LABが拠点をおくのは、京都市北区にある船岡山公園
私たちは、「公園」というみんなの場で、さまざまなアイデアを実験しながら、多様な人びとが集い語らい楽しめるコミュニティづくりに取り組んでいます。

この記事では、SOCIAL WORKERS LABが船岡山公園で企画運営に携わる「船岡山OPEN PARK」についてご紹介していきます!


1 制約を乗り越えて、公園の力をもっと活かすには?|おそとチャレンジ

暮らしや地域の隣にあり、誰もが自由に使えるはずの公園。
ところが、多くの公園はいま、「◯◯禁止」の看板にあふれています。安全性の観点から遊具が撤去されたり、近隣への配慮でボール遊びが禁止されたり。制約だらけで、できないことばかり!
みんなのものであるはずの公園は、誰のものでもなくなりつつあります。

そんななかで京都市は、都市の活力や憩いを生み出す貴重な空間である公園を、最大限に利活用し、その魅力や利便性を引き出していくために、「公民連携公園利活用トライアル事業(通称:おそとチャレンジ)」に取り組むようになりました。
行政(公)と民間企業(民)が連携して、制限や常識を越えるアイデアを「社会実験」としてやってみて、公園で「できる」を拡張し、公園・地域の可能性をひろげていく。おそとチャレンジは、そんなワクワクするプロジェクトです!
2022年度から、京都市北区にある船岡山公園もその対象となりました。

2 船岡山公園をみんなの広場|FUNAGORA(フナゴラ)

SOCIAL WORKERS LABは、この船岡山公園で、京都市、一級建築事務所STUDIO MONAKA不動産会社フラットエージェンシーと連携し、「公民連携 船岡山公園利活用トライアル事業」を展開しています。

もっと多様な人たちが、気軽に自由に訪れ、出会い、語らい、関わり合い、何かが生まれてくるような公園になったらいいな。
そんな願いを込めて私たちは、「船岡山」と、古代ギリシア都市国家で人びとが集い語らいあった広場を表す「アゴラ」をかけ合わせ、このプロジェクトを、FUNAGORA」(フナゴラ)と呼んでいます!

近所に暮らすおじいちゃん・おばあちゃん、パパ・ママ・子どもたち、高校生や大学生、大学や企業、NPO、地域活動をされているみなさんなど、多様な人たちとも一緒になって、ひらかれた公園づくりに取りんでいます。

3 公園をひらく|OPEN PARK(船岡山オープンパーク)

3-1 OPEN PARK って、どんな場?

FUNAGORAで、22年4月から毎月第3日曜日に開催しているのが、「OPEN PARK(船岡山オープンパーク)」です!

オープンパークの出発点は、地域に暮らしているみなさんの声を聞かせてもらうこと。公園とのふだんの距離や地域との関わり、実はやってみたいことなどなど。はじめは、机と椅子を並べて、フリーコーヒーを提供して、話をするだけのちいさなイベントでした。

回を重ねるなかで少しずつ、やってみたいが膨らみ、仲間がひろがってきました。地元のみなさんはもちろん、京都以外から来てくれる人もいたり、参加するだけでなく、お手伝いをしてくれたり、出店に挑戦したり、さまざまな関わりをしてくれる人が増えました。

アコースティック・ギターの弾き語り、卓球や昔遊び、英仏会話教室や子供服交換会がおこなわれるなど、好きなことや得意なことをシェアする人たちも続々にあらわれてきました。

いまではオープンパークは、カレーやたいやきなどの飲食、有機野菜やハンドメイドアクセサリーの販売、フェイス・ペインティング、自転車修理、ものづくりワークショップなど、さまざまなお店が並ぶマルシェのような場になっています。

3-2 一日の流れ

オープンパーク当日の流れは、こんな感じ。

9:00|スタッフ集合・ご挨拶
ゆるやかに集まり、輪になって、はじまりの挨拶。
朝の空気を吸ったら、落ち葉を掃いたり、机や椅子を並べたり、準備を進めていきます。

10:00|準備・設営
出店者さんがやってきます。出店者さん同士でお顔合わせをして、お店の準備をしていただきます。ガーランドやポスターで装飾をしたり、即興のアイデアを盛り込むなど、ライブ感のある設営で会場はどんどん華やかな雰囲気に。

11:00|オープンパークはじまり
オープンパークがはじまると、スタッフも、出店者も、参加者も関係ありません。はじめましての人と語り合ったり、遊びにきた子どもたちと一緒になって駆け回ったり、音楽に合わせて踊ったり。
集まったひとは、会話や飲食、ワークショップ、思い思いにその場を楽しみます。

15:00|オープンパークおわり
名残惜しくも、ゆるやか後片付け。出店者のみなさんとは、輪をつくって、スタッフからお礼を伝えます。

16:00|ふりかえり
おわりのご挨拶。1日をふりかえって、ひとりひとりの声をシェアします。
あちこちでいろんな出会いや出来事が起こっていたのを知ったり、だれかの価値観のゆらぎを共有できる、ステキな時間です。

16:30|集合写真
最後は記念写真を撮って、解散。 (恒例の二次会へ…)

3-2 これまでのオープンパークの様子

毎月、うれしい偶然が重なったり、笑顔が溢れるシーンがあります。

日本各地から大学生が集まって交流会!
相席で、もぐもぐタイム。
ダンスがはじまりました!
すごく仲良さそうですが、はじめましての人たち
映像部の高校生の作品制作の舞台にも。
地域のおじいちゃんにインタビューしています。
季節の移ろいをたのしみながら。
1月にはお餅つきをしました!
ちいさなストリートアーティスト誕生!
人気スポットの卓球台。
地元カフェの店主とまちのコーディネーターさんが対戦中。
ドイツから観光にきた男性と
地域で暮らすママの連弾がはじまりました。
言語をこえた交流に感動したママは、思わず涙。
ここは昔遊びコーナー。
親子でゆっくりと過ごせます。

4 みんなの想いを一緒にかたちに!

4-1  OPEN PARK やFUNAGORAへの多様な関わり方

オープンパークは、どんなひとでも、さまざまな関わり方で楽しむことができます。朝から1日スタッフと一緒にお手伝いをしたり、出店で盛り立てたり、ふらっと隙間時間に顔出したり、気分やお時間の都合にあわせて、自由に遊びにきてください!

4-2 「やりたい」の表現にトライする|出店

既にお店をされている方も、そうでない方も、大人も子どもも、地域も、表現のジャンルも、プロアマも越えて、どなたでも出店することができます。

大切にしているのは、ギフトの気持ちとコミュニケーションです!
出店を希望してくださる方は、まずはオープンパークに足を運んでいただいて、実際の空気に触れてもらっています。そのうえで、スタッフとの相談のうえ、出店者という形でつくり手に仲間入りしてもらいます。

出張自転車修理のHitech cyclesさん。
オープンパークのいつメンです!
ボディペイントの小紅さん。
ヘビーユーザーのお子さんは、1日で2,3度変身します。
京のおばんざいたいたんさんは、
大きなキッチンカーで季節のお料理を提供。
休日の公園で飲むビールは美味い!
大学生の発兎屋さんは、
バルーンアートやマジックアートを披露します。
「ここなら安心して表現できる」
そう思ったのが出店のはじまりでした。
人生初出店をしたkinomeさんは、
ここでの挑戦をきっかけに
カンボジアで日本食レストランをオープン!
Chiru Chiruさんは、服飾を学ぶ芸大生ユニット。
古着やハンドメイドアクセサリーを販売します。
キッズバリスタのYuuちゃんは、最年少で出店に挑戦。
しののめさんは、畑の野菜を使ったたいやきなど販売。
器を選んで食べれる
クラシックプリンを溺愛しているスタッフがいます。
くわくわ企画さんは、滋賀県彦根市の診療所チーム。
「普段はメスを使ってます」と
ジューシーなウインナーをカットして提供。
大学のゼミチームで出店するFeel Cafe。
ユニバーサルな社会の実現を目指して
バリア体験型カフェにチャレンジします。
なかにはこんな出店も。(笑)
ちゃぶ台と座布団を置いて「和ウトドアリビング」の完成!
市職員さんチームが一緒に盛り立ててくださいました!

4-3 オープンパークを陰で支える若者たち|FUNAGORA実行委員会

オープンパークに、もっと、グッと関わりたい!そう思った仲間たちが集まって立ち上がったのが「FUNAGORA実行委員会」です。

実行委員会では、だれもが安心して表現できたり、出会いが生まれる船岡山公園を目指して、毎月のオープンパークの企画・準備をしたり、地域のみなさんとコミュニケーションをしたりしています。
たとえば、オープンパークのレイアウトを考えたり、あたらしい備品をつくったり、広報活動としてまちに繰り出しお声掛けをしたり…

学生メンバーは、毎週月曜日の夜に会議をおこなっています。

5 若者とオープンパーク

SOCIAL WORKERS LABが関わる活動の特徴は「若者」の存在。

オープンパークのいきいきとした空気に、大きな役割を果たしてくれているのは、大学生を中心とした若者です。
これまで1年半のあいだで、関西だけでなく、関東や中部、中国、四国、九州、遠くは北海道、全国から大学生や若手社会人が遊びにきてくれました!

Z世代とも呼ばれるいまの若者たちにとって、地域で生きている実感、人と関わりに生かされている実感をもつような機会は、限られています。約 150 万人の人口の 1/10 である 15 万人が大学に通っている京都でも、若者と地域、若者の社会のつながりは薄く、心もとない状態です。

なにかやりたいけど、それがなにかわからない。やりたいことはあるけど、どこでどうやればいいかわからない。そんな若者たちにとって、オープンパークは、限られたコミュニティを飛び出て、多様な人と出会い、カラフルな地域・社会の一員となる、入り口のような場にもなっているのかもしれません。

「オープンパークでおもしろい生き方をする大人にたくさん出会って、自分の枠組みの外にある世界に気がついた。」

どんな大きな問題も目の前にあることをやっていくしかないと考えるようになり、今までの自分には想像がつかないほど毎日挑戦できるようになった。」

船岡山に関わる若者たちのそんな声が、オープンパークを育む大切な養分になっています。

6 公園の未来から、わたしたちの未来を

みんなの場である公園が、多様な人びとが出会い、ともに語り楽しみ、新しい価値をつくりだす場になれば、そこから広がる日々の暮らし、ふだんのまちは、きっと、もっとやさしく、たのしく、おもしろくなるはず。

一人ひとりの小さな力・想いからはじまることはきっとたくさんある。
公園の未来づくりを通して、わたしたちの未来を、ともに描いていきませんか?

まずは、第三日曜日、船岡山公園に遊びにきてください!

*  *  *

プロジェクトの最新情報は、FUNAGORAの公式アカウントで、発信していきます。興味のある方は、お気軽にご連絡くださいね!

FUNAGORA
Instagram:https://www.instagram.com/funaokayama_park/

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