「感情の揺らぎ」が人の行動を変えるんだなと思った話

身だしなみに無頓着だった僕。

私服登校OKの高校に通っていたというのに、「サイズが合っていればなんでもいい」という呆れた考えで、中学生のときに着ていたガラのたくさん入った服で通っていた。フード付きパーカーを2枚重ね着して登校して友達に馬鹿にされたこともあった(受け狙いではなく素でやった)。今思えば馬鹿にされて当然…

高2のときにヘアワックスを誕生日プレゼントでもらったのをきっかけに、「さすがに髪ぐらいはちゃんと整えよう」と思い、自分でもスタイリング剤を買ってみたりした。けれど、「面倒くさい」「朝は寝ていたい」が勝って長続きしなかった。学生時代に買ったヘアワックスが社会人になってもたっぷり残っている有様…

他にも眉毛やら無精ひげやら、とにかく身だしなみに無頓着な人生を20余年生きてきた。

「もっと気を遣ったら?」と友人や親に何度も言われてきたような気がするけど、いつも「面倒くさい」という気持ちが勝って特に何もしなかった。
唯一やったことと言えば、高3の夏に似合っていなかったフチなしメガネを辞めてコンタクトにしたくらいだ。

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数か月前、大好きだった彼女に振られた。理由はいろいろあったけれど、「身だしなみに気を遣わなさすぎるところ」も別れを決意した大きな要因だったと言われた。

振られてすぐ、UNIQLOとGUをはしごして服を買った。いつも適当に服を選んでいた自分が、買おうとしている服をすべて試着室で来て吟味していた。服にお金をかけたくない自分が、気がついたら1万円近くの服をカゴに入れてレジに向かっていた。

振られてすぐ、ワックスのつけ方をYouTubeで検索して、タブレットにかじりつくようにして見た。それからはいつもより30分早起きして、ヘアセットに時間を使うようにした。誰にも会わない日でも必ずヘアセットをする、と自分ルールを作った。使うスタイリング剤にも拘るようになった。

振られてすぐ、ツルハに走った。眉毛を整えるのに必要なI字カミソリと眉毛を描くペンを買った。髭剃り用のカミソリも、10本で500円みたいな安物をやめて、売場で一番高かったSchickのいいやつを買った。

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これが「身だしなみに気を遣う」の正解なのかはひとまず置いておくとして、「面倒くさい」の一言でずっと身だしなみに気を遣ってこなかった自分の行動が、たった一度の失恋で(少なくとも)変わった

人の行動が変わるきっかけって、「○○しなさい」「○○しないとだめだよ」って言われたときではなくて、何か大きな感情の揺らぎが起きたときなんだなと思った。学生時代唯一のオシャレとしてメガネからコンタクトに変えたけど、これも当時好きだった人に好かれたくてやったことだった。

社会人になった今、人を指導する場面が度々ある。その人の感情を揺さぶることができれば、もっとうまく指導できるのかな…と思ったりする。



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