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海の家のバイトでコミュ力が養われなかった話④

 「家族」「絆」「諦めない気持ち」

 などの言葉が店長の口から放たれる時はだいたい従業員の顔に疲れが見え始めるときである。
 海の家なのだから文字通り「家族」でいいのかもしれないが僕の父は熊みたいな大男ではない、中学校のクラス目標みたいな言葉で納得するような真っ直ぐな心は色々あって折れ曲がってる
 本当にほしい言葉は「日給を上げてあげるよ」である。
 忙しさが最高潮をむかえる8月になる頃、なぜか早めに来て準備をするやつが偉いという理論がまかり通ることになる。 
 日給制なのに。
 ただでさえ、19時頃まで客が引かず20時まで片付けをして帰ることが増えてきてるのに。
 しかし、同調圧力に負けて8時出勤は7時出勤に変わった。
 休憩は昼ごはんを食べる一時間程なので、12時間労働で日給8000円
 
 時給666円の仕事ではない。

 8月に成績発表があった、労働法の評価はSだった。
 しかし、熊に法律は通用しないので
 僕は、昼ごはんは死ぬほど食ってやることにした。

つづく

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