整体師的に見ても咳は怖いんだよ!
「んあっ!!」
自分の出した声で我に返り、あわてて口に手を当てた。
ずっと私のカラダの中を揺らす先生の指に身をゆだねて、ふわふわと浮いているような、輪郭のない心地よさに恍惚としていたのに・・・
いきなり、硬くなったそれに触れられて、カラダを縦に突き抜けるような電流が走った。
恥ずかしさと驚きでそっと首を起こして見ると、先生が悪戯そうな口元で上目遣いにこちらを見ていた。
私は口に手を当てたまま小さく首を振る。
「これ?」と言ってほんの少しだけそれを弾いてくる。
刺激の強さに思わず手を伸ばし、その腕に触れ止めようとすると、先生はするりと指を離した。
そして、私のカラダの力が抜けたのを確認する。
今度は私の表情を観察するように見下ろして、もう一度、
私の知らない、
私の下腹部の奥深くにあるポイントを、
その長い指でゆっくりと探る。
瞬間、奥に進んで来る指がそこに当たる。
「んんんーっ!!」
わかっていても声をがまんできない。自然と首が仰け反ってしまう。
声が出ないように手のひらを少し、噛んだ。
カーテンの向こうに人の気配を感じていた私は、先生へ責めるように視線を送るのだけれど、悪戯そうな口元は全く意に介さないというように変わることは無く、その指の動きも変わることは無かった。
もう、どうすることもできない。自分の指が開いて虚空を舞っていた。
ぎゅっと目をつむる。
カラダを貫く電流のような激痛という名の快感に耐えた。
・・・少しして、またするりと指が離れる。
やっと、ふっと息を吐くことができた。
切なさが混じる安堵のなかで、カラダがトロリと柔らかくなったようだった。
「・・・どう?」
深く息を吸って吐いた。
呼吸しやすい。
首の奥のつっ張りも取れたような気がする。
腰が軽い。
「・・・良さそうです」
先生の指圧で腰椎や腸骨から大腿骨をつなぐ筋肉が緩み、腹部の咳に関わる筋肉が緩んでいる。おかげで続いていた咳そのものの辛さも和らいだ気がする。
気管支炎から気管支喘息に移行して2ヶ月以上が経っていた。
長く続いた咳により、ギックリ首になったり腰痛になったりと、よくもまあ様々な影響が出たもんだと思う。
持続的な痙攣の恐ろしさは本当に侮ってはならないなぁと、つくづく思いながら、爽やかに笑う先生にお礼を言うとベッドを後にした。
カーテン越しに隣の人のうめき声が聞こえる。
自分のさっきの声を思い出して、少し照れながら店を後にした。
外は乾いた冬の風が吹いていて、それでも北の空に晴れ間が見えた。
コートの襟を合わせると、スッキリとした心と体に新しい空気を送り込んだ。
さて、どういう状況なのかよくわからないとのご指摘ありがとうございますww
これは私が2ヶ月に及んだ咳喘息の際に、整体に行って咳をし過ぎてガチガチになった、おなかの深い筋肉のコリを取ってもらったっていう話の「無駄にアダルッチックシリーズ」です。
今日は自身の体験も踏まえて咳をあなどってはならないわよ!ってお話ですね。
さて、皆さん、咳って1回につき2キロカロリー消費するって知ってました?!!
1回に2キロカロリーってピンとこないかも知れませんけど、結構なもんですよ!あーた!
キチンとした腹筋運動4回くらいで2キロカロリーだっけね!⇦新潟弁
それなりの運動ってことなんです。
そして、ここで考えていただきたいのが咳は通常の腹筋運動と違い、横隔膜や腹筋群を中心とした全身運動だって事なんです!
さらに、自分ではコントロール出来ないけいれん運動だっていうね!
気管支炎なんかになろうもんなら、コントロール出来ない全身運動が四六時中続くってことなんすよ!
けいれん的な筋収縮はゆっくり優しくなんて訳にいかないのです。
瞬間的にマックス縮みます。しかも何度も。
そら、そこらじゅう凝るわよ。ぎゅーって硬くなるのよ。つまり筋肉が硬く短くなって戻らなくなるんですね〜。
硬さがどんどん蓄積していく感じ?
腹筋群は姿勢にかなり影響を与える筋肉なんで、お腹が伸びないと姿勢が前傾して、それが肩や首のバランスなんかにもすごく影響を与えるんでね。
喘息や気管支炎などで継続的に咳が続いているのに、ちょいちょい緩めてあげないと、身体の立位バランス自体が崩れて色んな症状が出ます。
私の場合、抱っこのしすぎで首が曲がらなくなったと思っていたら、蓄積した腹筋群が原因だったり、ちょっとハイヒール履いたら腰痛になったりしました。
どちらもいろんな場所を緩めていって始やっとこさ咳のせいだとわかる感じです。
ベースに腹筋の疲労があると身体に予備力が無くなり、ちょっとした無理で大きな症状が出てしまうんです。
たかが咳だなんてあなどってはいけません。相当のカロリー消費と
筋肉疲労があるってことなんです。
気をつけなはれや!!
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