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想像以上に30歳は人生の節目だった。

つい先日、ようやく30歳になれた。ようやく、だ。
なので、30歳前後で自分が考えたことを残しておこうと思う。
まず、日本は女性が歳を重ねるということに対して、マイナス思考が強い傾向にあると思う。
なんですか、その風潮?と、いつも思う。

「30歳は大きな節目だよ」
「女は30歳前後で転職を考えることが多い」
「女は結婚や出産を考えると、仕事から離れる可能性が高い」

そんな風に、多方面の同性の諸先輩方に言われていた。
当時は「ふうん」くらいにしか思っていなかったし、ずっと「あなた、変わってるね」と言われてきたので、私はきっと一般的な人が思うような感情は抱かないんだろうな、なんて甘くみていた。
実際に30歳を迎えて、自分が想像している以上に節目であったことを思い知らされた。
それと同時に、私も一般的な人と同じような考えや感情を持つんだなということも知ることができた。

30歳を目前にして、5年以上勤めた会社を退職した。
次の転職先が見つかったから退職した、というわけではない。
結婚した、出産をした、というわけでもない。
シンプルに、自分が望んでいた生き方をしようと思った。
もともと、企業に勤めるタイプではないなと思いつつ、諸事情が重なり、止むを得ず就職した。
無計画ではあったかもしれない。まあ、でも人生はそんなこともある。
ただ、今、退職という決断に後悔は全くしていない。
正直、退職後はサラリーマン思考や生活が抜けきれず、葛藤する日々が長かったが、ようやく落ち着きを見せ出した。

私が会社を辞める前、仕事に関するモチベーションを次の4つで整理した。
1. What(何をやっているか)
2. Who(誰とやっているか/人間関係という環境)
3. Where(仕事場という環境)
4. Salary(給料)
*技術者はこれにHow(どうやっているか/どんな技術を使っているか)を加えた方が良いとは思う。
私は、1と2が重要であることに気づいた。
そして、それは勤めていた企業では満たされない環境だった。

なによりそこそこなりたい像がある私は、その企業でメンターとなるような憧れる存在が見つからなかった。
これが、とても大きい。
もう1つ。
私はこれができるんだ!という明確に自信を持って言えることがなかった。
(退職して、改めて生き方を考えた時に必要なスキルを整理して愕然としたのも否めない。)
そこに大きな危機感を感じた。
かつての会社はとても優秀で大きな会社ではあったが、私が理想としている働き方を考えた時、このままでは私が理想としている人間に近づけないと気づいた。
当時の会社の先輩が言っていた。
「この業界は、みんな長いモラトリアム期間だから」と。
深く同意する。
でも、みんな優秀だった。
良くも悪くも、とても優秀な人たちの集団で、私が企業を否定することは決してない。
そして、多くのことを勉強させてもらった。
でも、大きい企業だからこその問題は沢山あった。
そんなこと、私にはとても贅沢な話だとわかっている。

でもやっぱり、兼ねてから理想を抱いていた働き方とはかけ離れていたし、自分の理想に沿った生き方をしなくては、と決断した。

このあとの数年間は、その理想に向かう準備期間。
今知り合う周囲の人たちに比べて、なんて無知なんだと思うことは多々あるけれど、準備期間てそういうもんだよなと思う。
色んな生き方があるけれど、自分がこれだって思っている生き方をした方が、人生楽しい。
そう思うし、40歳になる頃には、それを断言したい。
有り難いことに顧問の先生との付き合いがある母校で、講演させてもらうこともあるけれど、それこそ若い子たちにそういう話をできるようになりたい。

あとやっぱり
日本は、もう少し先の話かもしれないが、もっともっと技術者を尊重する社会であって欲しいし、そういう企業が増えていってほしい。
もちろん、セールスという技術も必要だけれど、お互いが相互に尊重し合う会社は素敵な会社だと思う。
元来、技術者に敬意を持っているからこそ思うのかもしれない。

ところで、30歳のことを壮年と言い換えるらしい。
壮年。つまり、働き盛り。
私は、私の価値を正しい舞台に提供して、社会に貢献していきたい。
そんなことを考えた30代のスタートライン。

文章にあった絵を書いてくださる方、募集していたり。していなかったり。