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水泳選手には、ウェイトじゃなくて水中で筋力はつけてほしい

【著者 NESTA スイミングコンディショニングトレーナー 鳥飼 祥秋】

水泳選手を見ていると筋肉をウェイトトレーニングでしっかりとつけている選手を近年では多く見るようになりました。
ウェイトトレーニングは水泳競技にとって重要です。
しかし、ウェイトトレーニングで筋肉をつけることで水泳のパフォーマンスが上がるという、シンプルなものではありません。
やはり、パフォーマンスに貢献する為にウェイトトレーニングはやってほしいと思います。

今日は水泳選手には水中で筋肉をつけてほしいという話を解説していきます。

是非参考にしてみてくださいね。
トータルケアラボラトリーでは水泳専門のトレーナー資格保有者があなたの水泳に関わるコンディショニングやトレーニングなどサポートさせていただきます。
予防医療とフィットネススポーツをコラボさせたパーソナルトレーニングジムです。
スイミングコンディショニングトレーナーである鳥飼が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。

1章.水泳選手にウェイトは必要です

勘違いしてほしくないのは、ウェイトトレーニングは水泳選手にとって非常に重要な要素です。

水泳は全身の筋肉をバランスよく使うスポーツであり、ウェイトトレーニングは筋力やパワーを向上させるために効果的な方法です。

 ウェイトトレーニングは筋肉の成長と強化に効果的です。

水泳は全身の筋肉を使うため、特定の筋群を強化することで泳ぎのパフォーマンスを向上させることができます。

例えば、背中や肩の筋肉を鍛えることで、水中での推進力や姿勢を改善することができます。
また、腕や脚の筋力を向上させることで、より速く泳ぐことが可能になります。

また、ウェイトトレーニングは筋力だけでなく、爆発力やパワーも向上させる効果があります。

水泳では短い距離を速く泳ぐことが求められるため、スタートやターンなどの瞬発力が重要です。

ウェイトトレーニングによって筋肉の収縮力や反応速度を高めることができ、これによってスタートやターンのパフォーマンスを向上させることができます。

更に、予防とリハビリテーション: ウェイトトレーニングは水泳選手にとって怪我の予防やリハビリテーションにも役立ちます。

筋肉を強化することで、関節や靭帯への負担を軽減することができます。また、怪我をした際にはウェイトトレーニングを通じて筋力を回復させることができます。

特に肩や膝などの負荷がかかりやすい部位の強化は、怪我の予防につながります。

ウェイトトレーニングは水泳選手にとって非常に重要な要素であり、パフォーマンス向上や怪我予防に効果的です。

2章.ウェイトトレーニングでパフィーマンスが落ちる選手

ウェイトトレーニングは一般的に、筋力や筋持久力を向上させるために行われます。しかし、水泳選手にとってはウェイトトレーニングがパフォーマンスの低下を引き起こす場合もあります。


 ウェイトトレーニングによって筋肉が増加すると、水泳時に浮力が減少する可能性があります。
水泳は浮力を利用して進むスポーツであり、筋肉量の増加によって体重が増えると浮力が減少し、抵抗が増えることでパフォーマンスが低下する可能性があります。

また、柔軟性を犠牲にすることがあります。

水泳では柔軟性が重要であり、良好なストロークや効率的な動きを実現するために必要です。

ウェイトトレーニングによって筋肉が硬くなり、柔軟性が低下すると、水中での動きが制限され、パフォーマンスが低下する可能性があります。

高強度のトレーニングは筋肉に負荷をかけることで疲労を引き起こします。

水泳選手は通常、水中でのトレーニングや競技に多くのエネルギーを消費します。
ウェイトトレーニングによって疲労が蓄積すると、水中でのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

最後に、主に筋力を向上させるためのトレーニングは、水泳の技術に直接的な影響を与えるわけではありません。

水泳はテクニックやスムーズな動きが重要であり、ウェイトトレーニングだけではそれらを向上させることはできません。

ウェイトトレーニングに時間やエネルギーを費やしすぎると、技術面での成長が十分に行われず、パフォーマンスが低下する可能性があります。

ウェイトトレーニングによって水泳選手のパフォーマンスが低下することがあると言えます。

ただし、個人の体質やトレーニング方法によっては、ウェイトトレーニングがパフォーマンス向上に寄与する場合もあります。

3章.基本は泳ぐこと

水泳選手が筋力をつける際にウェイトトレーニングではなく、泳ぐことで筋力を付けることを基本とすべきです。

水泳は全身の筋肉をバランスよく使うスポーツです。

泳ぐことで、特に上半身の筋肉群(背中、肩、腕)や下半身の筋肉群(脚、お尻)が効果的に鍛えられます。

ウェイトトレーニングでは特定の筋肉を重点的に鍛えることができますが、泳ぐことで水泳に使う全身の筋肉を均等に発達させることができます。

水中での抵抗による負荷: 水中では空気中よりも大きな抵抗がかかります。

この抵抗は、泳ぐ際に体全体の筋肉をより効果的に使うことを促します。

ウェイトトレーニングでは重力による負荷が主な要素ですが、水中では水の抵抗によって全身の筋肉が均等に負荷を受けるため、より自然な筋力の発達が期待できます。

また、水中では体重の約1/10程度の浮力が働きます。そのため、泳ぐことによる運動は関節への負担が比較的少なく、怪我のリスクを低減することができます。

一方、ウェイトトレーニングでは重い重量を扱うことがあり、関節に大きな負荷がかかる可能性があります。

水泳選手はウェイトトレーニングよりも泳ぐことで筋力を付けることを基本とすべきです。

4章.水泳選手にとってウェイトトレーニングとは

水泳選手がウェイトトレーニングに依存すべきではない理由は、水泳は主に有酸素運動であり、ウェイトトレーニングは主に無酸素運動であるためです。ウェイトトレーニングは筋力を高める効果がありますが、水泳のパフォーマンス向上に直接的な効果をもたらすわけではありません。水泳選手がウェイトトレーニングを行う場合、それは補助的な目的で行われるべきです。

ウェイトトレーニングは、筋肉の持久力を高めるために役立ちます。水泳は長時間の持久力を要するスポーツであり、ウェイトトレーニングによって筋肉の持久力を向上させることができます。しかし、ウェイトトレーニングだけではなく、水中でのトレーニングや水中エクササイズも重要です。水中でのトレーニングは、水中抵抗や浮力を利用して筋力と持久力を同時に鍛えることができます。

また、ウェイトトレーニングは乳酸除去能力を高める効果もあります。水泳は乳酸が筋肉に蓄積しやすいスポーツであり、乳酸の除去能力を高めることは重要です。ウェイトトレーニングによって筋肉の代謝能力が向上し、乳酸の除去が効率的に行われるようになります。

さらに、ウェイトトレーニングは柔軟性やインナーマッスル能力、バランス能力を向上させるためにも役立ちます。水泳は全身の筋肉をバランスよく使うスポーツであり、柔軟性やインナーマッスルの強化が重要です。ウェイトトレーニングによって筋肉のバランスを整え、柔軟性やインナーマッスルの発達を促すことができます。

ただし、水泳選手がウェイトトレーニングを行う際には注意が必要です。適切なフォームや負荷管理を行わないと、ケガのリスクが高まる可能性があります。また、ウェイトトレーニングに時間を費やしすぎると、水中でのトレーニングやテクニックの練習に割く時間が減少し、パフォーマンス向上につながらない可能性があります。

したがって、水泳選手はウェイトトレーニングを補助的なトレーニングとして取り入れるべきです。ウェイトトレーニングは筋力や持久力の向上、乳酸除去能力の向上、柔軟性やインナーマッスル能力、バランス能力の向上に役立ちますが、水中でのトレーニングやテクニックの練習を優先することが重要です。


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