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ヒット商品からの気づき|UCC「CAFE@HOME」シリーズ

弁理士/ネーミングアドバイザーのヤマダです。

日々報道されるニュースの中から皆さんのビジネスに役立つネタ、知的財産に興味を持ってもらえそうなネタを紹介します。

今日のネタは、UCC「CAFE@HOME」シリーズです。

■ 「CAFE@HOME」シリーズについて

「CAFE@HOME」は、UCC上島珈琲が「COFFEE STYLE」というブランドで展開している直営カフェやオンラインショップで販売しているレギュラーコーヒー。
コーヒーの「味」や「美味さ」よりも、「飲み方」に焦点を当てたコンセプチュアルなコーヒーと言えます。

【開発秘話】累計100万個以上売れているCOFFEE STYLE UCC「CAFE@HOME」シリーズ|@DIME

https://dime.jp/genre/1144446/


以下、ヤマダが「CAFE@HOME」の良いと思った点を3つ挙げてみます。

■(1)隣接分野の概念を水平展開

この商品のコンセプトの一つ「FOOD with COFFEE」は、食べ物との相性に焦点を当てたもの。

料理とお酒の組み合わせは「マリアージュ」という言葉で良く知られています。
コーヒーの世界でもこのような考え方はあるかもしれませんが、まだ一般化されているとは言えません。
「FOOD with COFFEE」は「マリアージュ」という考え方をコーヒーに水平展開したのだと予想します。

近い分野や業界の概念を異分野に水平展開する。
見込み客にとっては既に馴染みのある概念なので、比較的受け入れられ易く、それでもコーヒーのジャンルでは新しさを出せるという点でうまいやり方だと思います。

■(2)日用品から特別なものへ

「FOOD with COFFEE」では、チーズやフルーツ、和菓子等、今までコーヒーと一緒には食べなかった食べ物との組み合わせを提案しています。

コーヒーと言うと、例えば目覚めの一杯、仕事の合間のリフレッシュ、休憩時にお菓子(特に洋菓子)とともに、食事の後に等、利用シーンが限られている印象です。
日常生活の中に組み込まれた飲み物というイメージです。

これを「チーズやフルーツと一緒に」と提案することで、日用品からワインのような特別なものに昇華させているのは見習うべき点だと思います。

付加価値が上がり、商品単価を引き上げることが可能となるからです。

■(3)デザイン性の良さ

シンプルですが、センスの良いパッケージデザインです。
@DIMEの記事を見て頂くとわかりますが、彩度が低めのニュアンスカラーで上品な仕上がりになっています。

例えばムーミンとコラボレーションしたパッケージ。
キャラクターを使うと、子供っぽい印象になりがちです。
しかし、色味を抑えることで大人の鑑賞にも十分耐えうるデザインになっています。

パッケージは商品の世界観を伝える上で重要です。
商品自体は良いけれど、パッケージデザインが残念という商品も少なくないので、この辺りは見習って欲しいところです。

■ まとめ

今日のまとめです。

(1)隣接分野の概念を水平展開

今までに全くなかったものはすぐには受け入れられません。
どこかで見聞きしたものをちょっとずらす、異分野では当たり前に行われているものを違う分野に持ってくる、というのが大事です。

(2)日用品から特別なものへ

日用品や生活必需品は高く売れません。
特別なもの、ご褒美なら少し高くても買ってもらえます。
商品単価を引き上げるにはどうすればよいかを考えましょう。

(3)デザイン性の良さ

パッケージデザインは商品の良さを引き出すための衣装です。
商品の世界観を反映させた、見栄えの良い服を着せてあげましょう。


では今日はこの辺で。


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