「伝え方が9割」佐々木圭一さんの極意。「クロスポイント」を見つける
動画にはない「コトバ」の力
動画は気楽に視ることができる。
でも、文章を読むのは面倒だ。
楽しくはない。
直感的にイメージできるものでもない。
その場で役立つものでもないかもしれない。
それでも…。
文章には、「コトバ」には、動画にはない力がある。
噛みしめれば味わい深く、
表面的な理解にとどまらない、本質的な理解を得られ、
漢方薬のように徐々に身体の中に浸透する。
一過性の楽しさではなく、読んだ人に行動を促す力がある。
もっと、「コトバ」の力を信じてみようよ。
「クロスポイント」を見つければ、「伝え方が9割」
先週土曜日。佐々木圭一さんのお話を聴く機会があった。ベストセラー「伝え方が9割」の著者として有名な、あの佐々木圭一さんだ。
佐々木さんの本職はコピーライター。
コピーライティングは言葉の濃度や密度を極限まで高める技術だ。無駄な言葉を省き、選んだ言葉を磨き、 鋭利に研ぎ澄ます。
そうして練りに練られた言葉は人の心に深く刺さり衝撃を与える。TVや街角で何気なく見かけるキャッチコピー。これもコピーライターの膨大なアイデアと試行錯誤の成果なのだ。
佐々木さんの話の中で一番印象に残ったこと。それは「クロスポイントを見つける」ということだ。
佐々木さんの言う「クロスポイント」は商品名なら「商品」と「ターゲット」が交差する点。もっと具体的に噛み砕くなら、「その商品の特徴・メリット・価値」と「ターゲットの悩み・願望」が重なる部分だ。
僕もネーミングのセミナーをする時にマーケティングの3Cを転用して、自分(の商品)、競合、顧客の重なる部分を意識してネーミングをするとよい、という話をする。考え方は似ているが、佐々木さんの「クロスポイント」の方がよりシンプルで、わかりやすい。
会社名や商品名のネーミングがうまくいかない人たちはこの「クロスポイント」を見つけられていない。特に「ターゲットの悩み・願望」の部分が落ちている。
「ターゲットの悩み・願望」を無視して、自分の商品の中で自分が良いと信じている特徴を押し付けているだけのことが多い。
そんなことをしているから、ターゲット・顧客が置き去りになり、刺さらない名前ができあがるんだ。
ネーミングはコトバを紡ぐ技術があればできるものではない。ターゲット・顧客を深く知る。この考え方ができないと、良い名前を作ることはできませんよ。