詩)うつろう
ガラス皿を泳ぐゼリーのように、滑るようにやってきたあなたとの恋は
始まったのか始まっていないのか、はたまた始めて良いのか曖昧な顔をする
トランプを捲って未来を占おうとするけれど、およそ規格外のあなたを占えるカードはない
梅雨の明けた空を見上げ鉄の匂いのする芝生に寝そべれば、黄緑色の草が私の頬をくすぐってくる
これは愛されているのか、確証が欲しい私は隙があれば青空の雲の棚引き方で占おうとしてしまう
あなたに聞ければ良いのに、口に出したら全てなくなってしまいそうで怖くてできない
あれは夢だったのか
あなたを何度も反芻する
受け入れれば景色ががらっと変わってしまうだろう怖さををそっと胸にし舞い込む
揺らめくロウソクは私の味方なのだろうか
あなたがいるだろう方向へそっと呼気を吐く
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