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神楽坂のうさぎ

かくれんぼ横丁の余韻が覚めやらぬうちに、ウサギとカメは赤城神社の鳥居をくぐり抜け、奥へ続く階段を一歩ずつ登っていった。スタイリッシュな拝殿に到着すると、狛犬たちが、時空を越えてきたかのような、どこか神秘的な面持ちで二人を迎え入れた。

赤城神社の拝殿

カメは蛍雪天神の前で足を止めると、「ここに祀られているのは、学問の神様、菅原道真なんだね」と独り言を漏らした。「こっちよ!」少し先を歩いていたウサギから、彼に声がかかった。

カメがウサギの隣に静かに並ぶと、二人は古びた神社の社務所へと足を踏み入れた。そこに並ぶのは、愛らしい「うさぎ」を模したおみくじたち。ウサギはじっとそれらを眺め、一つ一つのおみくじに込められた願いや思いを感じ取りながら、そっと一つを選んだ。

彼女がそのおみくじを巫女さんに手渡すと、巫女さんは柔らかな声で言った。「おみくじを引いたら、お部屋に飾って、幸運を招き入れてくださいね」その言葉を聞くと、ウサギは深くお辞儀をし、そのおみくじを胸に抱えるようにして、神社の境内を歩き始めた。

赤城神社を後にし、飯田橋駅へと続く坂道を下りていくウサギは、ふと「神楽坂梅花亭」の看板に目を留めた。店内に足を踏み入れると、彼女を迎えたのは、色とりどりの可愛らしい和菓子たちが並ぶ光景だった。

神楽坂梅花亭

ウサギの目を引いたのは、色違いで並ぶ四匹の猫の形をした和菓子だった。「猫ちゃんたち、可愛いわね。一匹一匹にちゃんと名前がついてるのね。今日のお土産はこれにするわ」と、彼女は心を決めた。

店を出たウサギとカメは、神楽坂の街をゆっくりと後にした。二人の後ろ姿は、物語の序章のように、未来への期待を静かに秘めていた。

福来猫もなか   左上から
たけちゃん (黒糖あん)    くるちゃん (こしあん)
あずきちゃん (小倉あん)   
手前は、ふくちゃん (白あん)
やっぱり私は強運ね! By ウサギ



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