運動会2

班に名前を付ける ~小学生ネーミングセンスの考察

新学期、小学校のクラスで(発表や掃除、給食配膳など主要な活動の)グループ変えを行う、というのは一般に行われることです。
そしてここ最近の傾向としては、グループ名をその班員で話し合い、自分たちで決定する、というのも珍しくないものです。

私などの頃は、先生が1班2班というように機械的に数字を割り振るケース。「佐藤班」「田中班」のように班長の名前がそのまま班の名前になる。などが主流だったので、多少民主主義が低年齢にも下りて来つつあるのかなと喜ばしくも感じる所であります。

ゆるいルール

さて、この「グループの名前決め」には厳格な規則はありませんが、いくつか暗黙のルールがなくもありません。
やはり公序良俗に反するものや、あまりにも長すぎるものは適さないと判断されます。
当たり前ですが自分たちのことを「うんこ班」などと呼びたくないだろうし、
逆にいくら真面目で宮沢賢治のファンでも「雨ニモマケズ風ニモマケズ雪ニモ夏ノ暑サニモ…うんぬんかんぬん」班なんて呼びにくいですから、あまりないと思います。

ただ、先生によって「アニメ・漫画・ゲームのキャラ等はダメですよ」という謎の規制が課される場合があります。
でもこれもあまり意味がありません。
例えばですが、仮にある班が「サトシ班」とつけたとしても、この「サトシくん」がかの有名なポケモントレーナーに他ならないという立証は誰にもできないのです。
また「ダイヤモンド・パール班」「ルビー・サファイヤ班」等、おそらく多くの場合、「金・銀・パールプレゼント」世代の先生はゲームの名前だという事に気づかないでOKを出してしまう可能性が高いです。

子供たちの中にも、本能的にグレーゾーンをかぎ分け、ルールの網の目をくぐる才に長けた者というのは確実に存在するのです。
将来その才能をぜひ良い方向に伸ばして欲しいと祈ってしまいます。


具体的なイメージが沸くか。そこに主張はあるか。

「いちごに練乳かける派」班というのがありました。
かなり具体的にイメージしやすいし、自分たちの主張もしっかり出ている。異論もあろうが、我々は練乳をかけますよ、と。
何より一度聞いたら忘れない絶妙なネーミング、と唸ってしまいます。
将来は広告代理店やコピーライターをやったらどうでしょうか?


すごそうだけど…

ありがちなのが、「スーパートリプルデラックスファイアー」班のように、何だか凄そうな知っている横文字を全部並べてみた名前ですね。
名前のわりに中身どうなのか少し心配になります。
大人だって「スーパーウルトラスパイダーバットマン」等と言われても、
どんな「マン」なのかちょっとイメージしにくいです。
将来、話している中身がなくても何となく凄そうなことを言っているセールスパーソンや政治家にならないよう、注意したいです。

ほんわかまったり系

女子でたまにいるのが、ひらがな4文字の例えば「ゆる♡ぽよ」班とか「ゆな☆もか」班とかです。
やたら甘くてフワフワしたスイーツを連想させるようなネーミングですが
4文字に抑えた点は上手いと思います。
元来日本人は4音節に略すのが大好き。
勝新からキムタクまで、4音節になっただけでグンと親しみが増します。平仮名なら親近感倍増ですね。
それを狙っているのかいないのか、判然としなくて何とな~くふうわりと、「あざとい系女子予備軍」の香りがするのは私が汚れ過ぎた大人だからなのか。
保護者としてはハラハラしますが、彼女たちの成長をゆるゆると見守っていきたい所です。

決まらない。

「名前決められなかった」班というのもありました。
一見「優柔不断の子が揃っちゃったのかな…」とも取れますが、私はそうは思いません。
限られた時間(おそらく10分程度でしょう)内に、複数の小学生の意見が奇麗に一つに纏まる、なんてそもそもあるわけないんですよ。
みんな、「何となく違うけど強い子が言ってるし」とか「ま、いっか」くらいの気持ちでいるのです。
そこを敢えて無難な名前を選ばず「決められない」という名前に決めた!素晴らしいじゃないですか。
「ただ席が近いってだけで共通項ないし。てか班に名前とかいらねー」という彼らなりの意思表示のようにさえ思えてきます。

こんな強いメッセージ性のあるグループの子たちは、群れ・レッテル・妥協等のワードを嫌い、意外と将来社会活動家などになりそうな気がします。

「〇〇民主党」という名前の政党は多いですがイマイチどれがどれだか分かりにくい。
民主主義を掲げるなら、まずは小学生の姿勢をも掬い取り、名前を再考されて主張を前面に出すのも良いのではと思えてきます。

で、うちの子は何グループなの?

色々あるけどさて「うちの子はどこかな?」と教室の掲示物を見まわしたところ…

「青二才」班。

…???
自分の子の考えていることが一番分からないというのはこんな時です。
さしずめ誰かがどこかの漫画かアニメで聞きかじった言葉をつけたのだろうが…。
これはどう考察すれば良いのよ。

帰ったら娘が見ている動画をチェックしよう、と思ったのでした。

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