RTのちょっとシネマもっとシネマR「ザ・プロム」

お久しぶりの「ちょっとシネマR」は、もう今週これを書きたくて書きたくて仕方なかった1本!

ネットフリックスで去年の年末より配信中のミュージカル映画「ザ・プロム」です
ブローウェイミュージカルを映画化した本作ですが、開始5分で「あ、これ好きなやつだ・・・」って思って、見た後は久しぶりに「あ~これ観てよかった!明日からまたこれで頑張れそう」と思えた良作です。

あらすじはというと
これまでブロードウェイで大成功を収めている大女優のディーディーとバリーは意気揚々と新作ミュージカルに挑み、また大成功かと思いきや初日から酷評の嵐でなんと「初日で打ち切り」の憂き目に・・・
しかもストーリーよりも「役者が酷い」と言われる始末

打ちひしがれながらも、このままでは終われないと思ったディーディーとバリーはなんとかイメージアップを図ろうと、名作ミュージカルの「シカゴ」で主役を狙いつつもずっとコーラスガールのままのアンジーと、ジュリアード音楽院を出て舞台に大きな舞台に出たいのにホームコメディの仕事しか回って来ずにバーでアルバイトを続けているトレント達と閉店後のバーで話しつつ作戦を考えます

するとアンジーがインディアナ州のとある高校で参加生徒に同性愛者がいることを理由に、アメリカの学生の一大イベント「プロム」の中止をしようとしているニュースを見つける
「これよ!これに私たちが乗り込んでプロムを成功させればみんなハッピーだし私たちのイメージも爆上げよ!」という非常に打算的な理由でインディアナ州の高校に乗り込むのだけど・・・・・・・・

という感じなのですが
あらすじからもわかる通り、いわゆるセクシャルマイノリティに関することが主軸になっています、でもこの作品で歌われているのはそれだけではなく「色々なことへの寛容さ」ということも大きな柱になっています。

ともすれば社会派の作品になって正直なところ暗くなりがちなテーマを本作は「ブロードウェイミュージカルのもつ華やかさと煌めき、ポップな楽曲、コメディタッチの演出」で非常に明るくハッピーに仕上げていて、この辺りはさすが高校の合唱部をテーマにした海外ドラマ「Glee」を手掛けたライアン・マーフィーといったところでしょうか、往年のブロードウェイナンバーを彷彿とさせる楽曲や演出はミュージカルファンは好きになれると思うし、そうでない方もワクワクしながら観られること請け合いです。

で、またキャストが良い!
どうあってもセレブな感覚が抜けないディーディーを演じるのは、押しも押されぬ大女優のメリル・ストリープ
「マンマミーア!」でお墨付きの実力を如何なく発揮されています
「これ、本人そのままじゃないの?」と思ってしまうぐらいハマってます

その相棒のようなバリーを演じるのは
ジェームズ・コーデン、彼も「歌超上手い、ダンス超上手い、そして華やか」という実力を冒頭から魅せてくれます

アンジーを演じるニコール・キッドマンは「ムーランルージュ」以来のミュージカル映画ですが本作ではこれまでの「セクシーで可愛いお姉さん」キャラに加えて「頼れるお姉さん役」で非常に良きでした。
言うまでもなくダンスと歌は「セクシーだ・・・」の一言、ボブフォッシーのミュージカルナンバーを彷彿とさせる楽曲も「カッコイイ&セクシー」で魅力満載です

何かと「ジュリアード音楽院出身」をちらつかせるけど嫌味ではなく空回り気味な愛すべきトレントを演じるのは、アンドルー・レイノルズ
日本ではまだ上映されてないけど名作の「ブックオブモルモン」で主役の一人を演じた名優です。
彼もまたダンスも歌も1級品!

主役の一人エマを演じるジョー・エレン・ぺルマンは新人ということですが、大女優や名優を向こうに回して臆することなく素晴らしい歌声を披露してくれています。
本当に今後が楽しみな女優さんですね
もう一人の主役でエマの恋人、アリッサを演じるアリアナ・デボーズは既にブロードウェィで活躍中のこちらも若手の実力者。
この二人のナンバーも聞きごたえがあって「ウィキッド」を思い出させる感じでしたね。

劇中で僕がハッとしたのは「多様性への寛容さ」というテーマなのか、キャスト全員が躍る群舞のシーンで色々な人種や性別、体形のキャストが一堂に踊って、そのそれぞれに焦点が当たっているのがこのミュージカルの大事な部分なんだなと感じました。

現代の「多様性」に関するテーマを腕の良い監督と、名優たちと、若手の実力者、華やかな音楽と演出で料理した結果出来上がったものは

「最高にハッピーなミュージカル映画」

「これを観るためにネトフリに1ヶ月加入しても損はさせない!」と周りに大声で言いたいぐらいに本当にいい作品です。

最近見るものないなー・・・って思ってるそこの貴方!
マジでオススメです

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