干物×ソミュール液 #04
■ひとりブレスト
前回の結果から「ハーブやスパイスの風味をどうやって魚の身に移すか」という課題が生じた。
ひとりブレストをして、ザッとあり得そうな方法を羅列してみた。
私はほとんどハーブの風味を感じなかったので、ワインや油を介在させたり、加熱を伴う方法も考えた。
しかし、廣瀬さんはハーブを感じたという。であればあまり複雑に考えず、シンプルな方法から手をつけてみるのが良さそうだ。
今回の試験はハーブだけで対処してみることにした。
■ハーブ量「増し増し」
今回のベースは、ソミュール液3%、浸け時間150分とした。150分にしたのはハーブを充分浸みさせるには時間を要すると考えたからだ。
鯵1枚に対してのソミュール液
水 :200cc
塩 :6g(3%)
三温糖 :3g(塩の1/2)
白ワイン:20cc
ローリエ:1枚
黒胡椒 :3粒
クローブ:3粒
タマネギ:6g(冷ましてから)
これにローズマリー1本が前回の実験では③に該当する。この実験では(A)とする。
ハーブの増量は3本入りと5本入りのサンプルをつくる。それぞれを(B)(C)とする。
前述の3タイプではローズマリーの真物を入れるが、刻み実験も行う。3本を刻んで入れたサンプル(D)をつくる。(B)との比較にする。
つまり今回の比較は次の4種類。
(A)ローズマリー真物1本(前回③)
(B)ローズマリー真物3本
(C)ローズマリー真物5本
(D)ローズマリー刻み3本分
■東急ストア鎌倉店
前回同様に、鯵を鎌倉駅前の東急ストアに買いに行く。翌朝の仕込みのために夕方に出向くのだが、その時間帯にはだいたい半額になっている。半額シールの購買意欲のそそり方は半端ではない。結局、4尾必要なところをあるだけ6尾購入してしまった。
そこで今回はもともと試作しようとしていた4種類のほかに、追加で2種類試すことにした。
■追加試作(45度ソミュール液)
2種類のうちのひとつは、ソミュール液が冷める前、45度程度で浸けてみようという試み。
この発想の基は、資料を調べていたところ次のような記述を見たからだ。「香りの素である香気成分は、動植物の細胞にある水や脂質に溶けていて、細胞が壊れた時に酵素によって生成したり、加熱によって引き出されたりします(あまから手帖/香りの性質)」。
ハーブは水溶性ではなく脂溶性だ。鯵の脂分にハーブ香を結び付けたい。それを促進するために、熱を加えることが有効であると想定してみた。
ただ、あまり高い温度で加熱してしまえば干物ではなくなってしまうので、低温で目的を果たせないかと思い、魚をソミュール液が冷めきる前に浸すという実験をしてみることにした(もちろんこれだと、徐々に冷めていくのだが、、、)
■追加試作(ハーブを一緒に煮る)
もうひとつの試みは、現在は会社員で料理とは関わりのないお仕事をされているが、実は本国フランスのコルドンブルーで学び、3年も本場で料理修行していた「おさむちゃん」にアドバイスをいただいた方法だ(ぼんちのボケとは別人物)。「おさむちゃん」とはまだ直接の面識はないのだが、「ミエさん」を通して何かと教えていただけそう。
今までの試験では、ソミュール液を煮て冷ましたあとにハーブとタマネギを投入していたが、一緒に煮るか、あるいは煮て冷める前に投入したらどうか、というアドバイスである。
今回は一緒に煮ることにした。
■いざ、実践
作業の細かいことは前回と重複するので割愛するが、沸騰は5分としたことだけ記録しておく。
またこの日は曇天で、夕方からの雨予報もあり、湿度もあるように感じる。あいにく注文した温湿計はまだ届いてないので、正確なことはわからずじまいだ。今後は記録を取る必要を感じる。
■次回へ向けた対策
実食
☞ハーブをもっとも感じるのはどの魚か?
天候によって干し時間は変わるはず
☞温湿計で数値を記録する
to be continued
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