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干物×ソミュール液 #05

■しかして、そのお味は?

まず焼いた干物の見た目はこんな塩梅である。 焼き方は今後特に断りがない限り電気グリルの中火だ。

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上から次の試作品。
・ローズマリー1本(A)
・ローズマリー3本(B)
・ローズマリー5本(C)
3%濃度で150分浸し。ローズマリーは真物。干し時間は10時から17時の7時間。ただ夕方から雨予報で湿度は高かった。

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上がローズマリーとタマネギを一緒に煮たもの(Eとする)。
下はローズマリーを冷ましてから刻んで入れたもの(D)。

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これはソミュール液を冷まし切らずに45度で浸し始めたもの(Fとする)。

あとで詳述するが、見た目でわかるのは(A)〜(C)、それと(F)にメイラード反応が出ていないことだ。

さて、肝心のハーブを感じるか否か。

(A)〜(C)については、ハーブをほとんど感じない。ローズマリーが1本でも5本でも変わらなかった。

次いで(F)。液がまだ温かいうちに浸したもの。これもハーブを感じない。しかも、塩分濃度が同じにも関わらず、他のものに比べてしょっぱく感じた。

次に(D)。ハーブを刻んで入れたものだ。これはハーブを感じた。

最後に(E)。ハーブも煮たものだ。これもハーブを感じた。

■わたし自身の試食でわかったこと

・冷めたソミュール液にハーブ真物を入れても素材に香りは移りにくい。
・上記の場合、ハーブ量を増やしても効果は上がらない。
・45度ソミュール液にハーブ真物と素材を入れても、素材にソミュール液の塩分だけよく滲みて、ハーブ香は移らない。

・香り成分がソミュール液に浸み出したと考えられる刻みハーブは、素材にもハーブの風味があった。
・ソミュール液とハーブを一緒に煮た場合も、香り成分が液に滲み出たと考えられ、おなじく素材にハーブの風味があった。

これらのことから、素材に直接ハーブの風味を移すというよりも、ソミュール液にハーブ成分を移し、それを素材に浸みさせると考えた方が良さそうだ。

アドバイスをくれた「おさむちゃん」の発想は正しかった。さすがに本場は違う。

■温湿計ゲット

今回の実験には間に合わなかったが、アマゾンで購入した温湿計が届いた。安いヤツだ。

今後は実験のたびに記録していく。

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ところで過去3回の天候はどうだったのだろうか。気象庁で過去の天候がわかるのは横浜なので、それで代わりとする。

①4月29日:晴 温18.9度/湿42%/干3h
②5月03日:曇 温24.0度/湿56%/干7h
③5月10日:曇 温20.9度/湿96%/干7h
※①は夜作業で陰干しでない。しかも扇風機で乾かした。

■天候と出来栄え

ここでの出来栄えは、焼いたときのメイラード反応を第一に観察する。食べたときの感想とほぼ同一なので。

①はメイラード反応はなかった。湿度は低いとはいえ、夜作業だったこと、干し時間が3時間と短いことが影響したと思われる。つまり水分の抜けが不十分だったのだと考えている。

②はメイラード反応もあり、干物としては申し分ない出来栄えだった。温度、湿度、干し時間の基準にしていいと思う。

③はメイラード反応が見られたものもあったが、全体としては不十分な反応。やはりなんといっても湿度が高い。その場合は干し時間を延ばす方向で再実験する。

水分量の調整には、いろいろ便利なシートなども出ているようだ。しかし当面は前述の調整でいく。

■次回へ向けた対策

廣瀬さん分析
☞長くなったので次回は廣瀬さん分析

ハーブ香を液体に移すには
☞水、油、アルコールで香りを移す実験

to be continued

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