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【2022年5月後半】平凡なサラリーマンの資産運用という脱獄記録

このnote記事を要約します。

・企業の景況感悪化が見え隠れしている
・FRBはインフレ退治を最優先させる
・個人投資家は自分でコントロールできることに集中すべき

■起きていること

●アメリカ10年債利回り

5月の長期金利は下げ基調


5月18日にパウエルFRB議長がWSJのインタビューを受けました。
【▼概要】
・インフレ率が明確に低下するまで政策金利を上げ続ける
・中立金利(2.5%)を上回る必要があれば躊躇なくやっていく
・金融正常化には少しの痛みが伴う
・ソフトランディングは不可能ではない

このように、FRBはインフレ退治にガチです。政策金利は上げます。なのに、5月を通じて長期金利は下がっています。

これは、マーケットがリセッションを折り込み始めているサインと私は見ています。

●株式マーケット動向

17日の米国小売売上高の結果を受け、株式市場は上昇しましたが、翌日小売り業$Targetの悪い決算を受けて株式マーケットは2020年6月以来約2年ぶりの大幅な下落を見せました。

s&p500は高値から一時▲20%をつけ、ベアマーケット入りしました。

ダウは8週連続の値下がりで、これは1932年以来90年ぶりの出来事です。

NASDAQは7週連続で値下がりし、これはドット・コムバブル崩壊以来の出来事です。

●経済指標観察

-米国 小売売上高(前月比)

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商務省が発表する小売売上高は、米国の様々な規模の小売店の売上を月毎に測定する指標。個人消費がGDPの約2/3を占める米国では、その動向を確認できる小売売上高は大変注目される指標である。

▶前回の3月結果は引き上げられ、今回4月は予想と一致しました。

特段のサプライズはないものの、まだ米国の消費はしっかりしているというマーケットの反応でした。

しかし、売上高にはインフレの影響も反映されるので、物価が上がれば小売売上高も上がります。その辺りは割り引いて考える必要があると思います。3月データですが在庫は予想よりも積み上がっているようなので、この辺りにも、インフレの影響を感じます。

-FOMC議事要旨
・サプライズは無し
・6月、7月は0.5%の利上げ予定
・インフレ警戒
・中立金利(2.5%くらい)へ急ぐ

▶今の予定されているペースで利上げされれば9月には中立金利とされる2.5%に届く予定ですね。インフレの動向次第ではありますが、9月以降の利上げペースは緩やかになる予想です。

-米国 失業保険申請件数

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米新規失業保険申請件数は、失業者がはじめて申請した失業保険給付の申請件数を測定する指標である。

▶ほぼ予想と一致。雇用に関して、単純労働の求人はまだ強く、時給も上昇傾向。しかし、メタやNetflix等の高度スキル人材マーケットに関しては求人を停止したり、人員整理をしている情報もあるので注視です。


-米国 GDP(前四半期比)

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米国において新しく生産・提供された財やサービス全ての金額の合計。経済成長率はこのGDPがどれくらい伸びたかを示す。

悪化ですね。何かおかしな事になってそうな予感がします。


-ミシガン大学消費者信頼感指数

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予想、前回ともに下回っています。インフレが消費者マインドを悪化させている結果だと思います。

-セクター別業績まとめと株価収益率
①フォワードPER(向こう1年の)
5月12日のフォワードPERは16.6倍となり、5年平均の18.6倍、10年平均の16.9倍を下回る水準となった。しかし、直近の3つの過去平均を上回っている。しかし、15年(15.5)、20年(15.5)、25年(16.5)と、直近の3つの平均値は上回っている。

引用:Factset

2022年からの株安と堅調な1Q企業決算結果から、S&P500全体の向こう1年間の予想PERは割高な水準を脱し、過去平均に近づいています。

②セクター別
セクター別では、5月12日のフォワード12ヵ月PERが10年平均を下回ったセクターは、エネルギー(9.9対15.8)、素材(13.6対16.2)を筆頭に5つあった。

引用:Factset

とても興味深いデータです。右端のエネルギーセクターは、他のセクターが苦しむ中、2022年は他を圧倒するパフォーマンスをあげていますが、それでもまだ一番割安なセクターとなっています。また、それなのに成長率が一番高い状況です。

■5月後半に私がしたこと

●個別株調整

ー$NAT売り、$VDE少し買い足し

$NATは残念ながら損切りです。また、この後僅かな時間しか残されてないかもですが、$VDEを少し買い増ししました。

●円転おかわり

5月の初週にも米ドル⇒日本円に20,000ドル戻したのですが、5月22日にもう20,000ドル円転し、合計40,000ドルの両替を実施しました。ドルの平均取得単価はざっくりですが108円/$1くらいなので約760,000円分の為替差益を確定させた形になります。

追加で$20,000を日本円へ

ドルは米国のETFや個別株を買うために必要ですが、しばらくは個別株を買うこともないのと、日本の投資環境もここ数年でとても良くなり、米国ETFのコスト優位性も薄まっています。

日本円で全世界や全米に分散された投資信託を低コストで買付け出来るので、ドルだろうが円だろうが特に問題はないです。

■6月前半に私がすること

●インデックスファンドをもっと買う

このタイミングで特別に、と言うわけではありません。

わたしパラディソは毎月、月初・月中・月末と3回に分けて、iDeCo、積立NISA、特定口座での投資信託定期買付を自動的に行っています。

相変わらず、全米株式インデックスファンドと全世界株式インデックスファンドを買い続けています。

そして6月よりインデックスファンドの毎月積立額を増額しました。

これで毎月20万円のインデックスファンド積立になります。

■まとめ

最近コンテンツ内容が固く、このnoteに脱獄感が無くなってきているような、、、気がしていますが、個人的には日々脱獄を夢みてコツコツやっています。

※脱獄:労働者という現代の奴隷が給料という生活基盤のみに依存し、他者からの評価に怯える日々を牢獄と比喩したもの。その牢獄からの脱獄である。

まとめていきます。

足元のアメリカ経済においては依然インフレが最大の不安材料です。アメリカのGDPの70%を占めるのは個人消費、消費者の懐事情がいつ変調をきたすのか?を注意深く観察していかなくてはなりません。

今回の小売売上高指標や雇用統計だけ見ればまだ堅調という印象をマーケットに与えましたが、ウォルマートやターゲットの悪い決算を受けて投資家心理は悪化しています。

また、第1四半期の企業決算内容が全体としてしっかりしていても、インフレ退治におけるFRBの金融引締め政策が株式マーケットに与える影響については要注意です。

教科書的には金利上昇、金融引締めのターンは株にとっては逆風です。株式バリュエーションが縮小(マルチプルコントラクション)していく局面なので強気に買っていけません。

しかし、まだもう少しの間だけ(具体的にはインフレが鎮静化の兆しを見せる局面の手前まで)エネルギーセクターは買っていけるのではないか、と考えています。

少し前に長短金利差が逆転する逆イールドも発生しているので、向こう1年~2年で不況に陥るシグナルも点灯しています。

実体経済と債権、株式などの金融市場では歩調も少し違い、金融市場は先見性があります。ですのでリセッション入り前に株式市場が暴落する可能性も十分にあります。

これらの事を頭に入れながら、マーケットを観察し、都度最善の意思決定をしていかないとならないということです。

しかし、超長期の視点で見れば、それらは今までにあったごく当たり前の景気サイクルの一部にすぎません。

今までの例に倣えば、不況が来ようが、株式が暴落しようが、世界の経済や企業の価値は右肩上がりに成長していきます。それが資本主義の歴史です。

相場の上げ下げに過敏に反応することなく、時間を味方につけて、低コストで十分に分散されたリスク資産をマーケットにさらし続けるというバイ&ホールド戦略をコアとして、サテライトは無理をせず、コツコツと脱獄計画を進めていきたいと思います。

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