【2024年8月後半相場】サラリーマンでも出来る資産形成
ボラティリティの大きかった8月が終わります。
思い返せば、7月半ばに史上最高値を記録したS&P500指数はそこからズルズルと下落し、8月5日前後に急落しましたが、8月が終わるころには再び最高値圏に戻ってくるというジェットコースターのような相場です。
動きが速すぎて筆者はトレードで利益を狙うなんて不可能です。よってバイ&ホールドを継続していただけ、、、というところ。
ただ、株価は最高値圏に戻ってきても、円建て資産評価額は7月を大きく下回っています。
そう、為替(ドル安)の影響です。
うーん、やっぱりアクティブ運用って難しい。
それでは8月後半の振り返り。
■起きている事
●米国10年債利回り動向
8月2日の雇用統計を境に金利低下が進みました。またジャクソンホールシンポジウムでの利下げシグナルも織り込んで現在は3.868%で推移。
●株式マーケット観察
ーS&P500
V字回復をした8月でした。この先Wトップにならないことを祈る。
ー市場センチメント
「強欲」に入ってきました。つい1か月前は「恐怖」でした。
●経済指標観察
-米国 雇用データの修正
81万8千人の下方修正は大きな修正幅でした。幅でいえば2009年以来の大きさとのことです。
とは言え、年間にならすと1カ月当たり約17万4000人の雇用増なので、経済も雇用も悪いという内容ではなく、思ったよりも雇用環境は過熱していなかったというポジティブなモノだったかと思います。
-米国 ジャクソンホール会合
9月より、ようやく明確な政策転換をするシグナルを出しました。パウエル議長は以下のような発言をしていました。
金利低下は株式には追い風です。ただ、日米金利差縮小からドル安トレンドがしばらく続きそうな内容だと思います。
-米国 個人消費支出物価指数(PCE)
インフレ鈍化。来月の利下げに向けて視界良好なデータとなりました。
●気になるニュース
-元気の良いセクターの顔ぶれに変化
ニュースではありませんが、最近の変化に注目しています。
ここまで2023年2024年のブル相場を引っ張ってきたのは紛れもなくマグニフィセント7を中心とするハイテクセクターでした。
背景としてはソフトランディング期待と同時に、AIをテーマにした先行投資と生産性の向上を期待した企業業績の拡大、経済規模の拡大です。
しかし、一歩引いて株価を眺めてみるとまた違った景色が見えてきます。
セクター別ETFのチャートを見ると、現在新高値を更新しているセクターは「ヘルスケア」「公益」「生活必需品」など不況に耐性のあるセクターなのです。
”株価には先見性がある”と言われますが、株価は不況を織り込んでいるように見えるんですよね。
■8月後半にしたこと
●決算精査
第2QのS&P500種に含まれる企業決算発表はほぼ出そろい、中小型グロース企業の決算が出てくる時期となります。そしてなんといってもエヌビディアの決算に最大の注目が集まっていました。
これまでの決算を振り返ると2024年第2四半期の混合(前年同期比)収益成長率は5.2%となっており、同指数が報告する収益成長率は2022年第4四半期(5.4%)以来最大の模様です。
以下、個別企業決算をピックアップです。
■9月前半にやること
●レイバーデイ明け相場に注目
9月第1週目の米国の祝日であるレイバーデイ明けは、アメリカでは日本でいう新学期/新年度にあたります。
そのような背景からこのレイバーデイ明け相場は金融相場の新たな方向性が出やすい時期として知られています。
特に明け5営業日に注目していて、5営業日でプラスに終えれば年末まで堅調なことが多く、逆にマイナスで終えると軟調なことが多いようです。
■まとめ
8月後半は8月前半の株価急落を取り戻すポジティブな内容で終えました。
各種経済データもインフレ鈍化、労働市場堅調というFRBの2つの使命を裏付けるような(少し出来すぎのような)内容が多いです。
23日のジャクソンホールシンポジウムではパウエルFRB議長から9月FOMCでの政策転換シグナルが出され、長期金利は下落傾向となり、2年債利回りと10年債利回りの逆イールド状態はもう間もなく解消されそうな動きになっています。
それに呼応する形でドル安も進行していますが、大不況が来るような事件が起きない限り今のところ中立金利は3%あたりになりそうなので、ドル安ムーブもそろそろ落ち着きそうかなと思っています。
2Qの決算発表シーズンも終わりに近づき、全体としては悪くない結果となっています。またこの先向こう1年の企業業績(一株当たり利益)の伸び予想も堅調で、金利低下、業績堅調となれば教科書的には株価にプラスとなる。
大統領選挙もここから本格化します。現状ほぼ互角の戦いなので、短期的には選挙に向けて株式市場も右往左往しそうですが、長期で見ればトランプ(共和党)、ハリス(民主党)どちらが獲っても米国の繁栄にはほぼ影響しないので、長期目線では無視して良いだろう。
株式市場では、不況時に耐性のある「公益」「生活必需品」「ヘルスケア」あたりが最高値を更新しています。
また、金利の低下とともに、金(ゴールド)が好調で史上最高値を更新している状況です。
と、いろいろ書いてきましたが、筆者はゴールドも安い時に買えてませんし、今調子のいい株を安値の時に仕込めておりません。
この先も恐らく、その時々で最適なトレードはできそうにないと考えています。
ですので、典型的な不況を伴う金融相場以外では指数の積立を全力でコツコツと粛々と励行していきながら、資産運用においては大きなミスをしないように退屈な投資を継続していこうと思います。
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