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新NISA制度移行に伴い課税口座からNISA口座へ移すと損するのでは?【読者様から質問を頂きましたのでお答えします】

とても嬉しいことに、このnoteへコメントで質問を頂きました。

今回は前回お答えできなかった質問の②を題材にして、私パラディソなりの意見を述べさせていただきます。

【コメント引用】

NISA改定は私も楽しみにしています

これを受けてご教示いただきたいというか、もし機会があれば投稿のネタにして欲しいことが2点あります


案①について
個人的にETFに興味があります(まだ手を出していません)ので教えて欲しいです
来年、再来年に景気後退が来る、と見越して、このタイミングでNISA枠を活用したいと思っています。
また、以前ある人に聞いたのですが、コツコツ積み立てるのも堅実だけど、過去のデータを見る限り、
初めにガツンと買うのも実は理にかなっている、とのことなので、ETFをそれなりの額で買うことも検討していますが、どう思われますか?

案②について
当方、複数の証券会社で購入するという愚策(若気の不勉強)をしちゃっていたのを、SBI証券に統一かつNISA講座もここにかえます
お話にもあった、別の証券会社で持っている投資信託を売却して新たに買い直す、とのことですが、
現状含み益が出ている状態で売却→同額で買い直し、とするのが、一見損をしているような気がしてならないのですが、何か勘違いしてますでしょうか?

https://note.com/sw24653/n/n2bd86d510d44?from=notice

■課税口座からNISA口座へ移す

こちら、シンNISA制度の発足に合わせ、どのように活用していくのか、という質問です。

質問者様は証券口座も複数持たれていて、この機に統一するとのこと。

少々複雑ですが、順を追って私なりの意見を書かせて頂きます。

まず、2024年からのNISA改良によって枠が年間360万円(生涯:1800万円)に拡張されました。

NISA枠を埋めるために特定口座(ないし一般口座)などの課税口座で保有している金融商品(投信、ETFや個別株)をNISA口座へ移し替えるべきかどうかです。

これは別記事で書いたように、新規の入金でNISA枠を埋めることが難しく、生涯の投資総額が1800万円を超えないようであれば、現在課税口座で保有している含み益の出ている金融商品を一度売却して、益出し(税金払って)⇒今の単価(その時の単価)で買い直しても、NISA口座へ移し替えられた方がかなり極端な例でない限り得をすると思います。

この場合、同一の証券会社内でも複数の証券会社を跨いでも、基本的には同じ考え方です。

但し、基本条件と移管時のコツとしては、

①生涯全投資額が1800万円前後であること
⇒NISAに限らず課税口座含む総投資額のことです。ケースと変数が多いので詳細は割愛しますが生涯1800万円を超える投資を予定している場合、複雑なシミュレーションをしてまで売る必要は無いと思います

②含み益が小さいものから売却は優先する
⇒含み損のものを売る場合は損益通算したいところ。損益通算出来ないなら売らない方が良い。複数の証券口座を跨ぐ場合だと、損益通算には確定申告が必要になるので忘れずに!

③今後の運用期間がそれなりにある
⇒10年以上は欲しいところ

④(同じものを買うなら)NISAで買える金融商品であること
⇒証券会社によっても取扱商品が異なるので注意が必要。ちなみに今回の改訂でレバレッジ系商品はNISAで買えなくなると思います

⑤長期投資用のインデックスファンドが良いと思います
⇒これは個人的な意見です。個別株をとても良い取得単価で握れており、テンバガー達成等お宝ポジションの場合は移管しないかもです。

特に④はちょっと注意が必要です。事前にしっかり調べましょう。

NISAで買えない商品を課税口座で売却し、いざ新NISA口座から同じものを買い戻そうとした場合、NISAでは買えないという悲劇が起こりますからね。

たしかレバレッジ系は今回からNISA口座で買えなかったような。。。

良い単価で持てて含み益が乗っているモノを売って高い単価で買い戻すことは、質問者様の仰る通り、心理的には損をしているように感じるのも理解できますが、そこのところは次の章で説明します。

また2023年までに現行NISA(つみたてNISA・一般NISA)で投資した分は、新NISAでの1800万円とは別で非課税枠をそのまま利用してよい事になっていますので、現行NISAで積み立ててる分を売って新NISAへ移すことはしないように注意が必要です。

あくまで、課税口座保有分を新NISA枠へ、です。

もし現行一般NISA分を移し替える場合は、非課税期間(5年)が終了し、課税口座へ移されてから(利益が出ている場合のみ)にしましょう。

■プラスの期待値を基に数学的に証明すると

特定口座から新NISAへ移管した方が得をすると論理的に説明された記事がこちらです。

※数字に弱い私が説明するよりも500倍参考になります

論理的な説明をするとなると、どうしても数式を使わないとなりません。

高校時代、数Ⅰ8点、数A3点を叩き出した私よりも↑こちらの記事を参考にしてください。

自分なりに、数式を使わずにその理由を説明すると、長期で運用する予定のインデックスファンドのような性質の金融商品の場合、投資する期間が長ければ長いほど運用益がプラス側に着地する確率が上がりますし、理論的には運用益も増加します。

そうなると、課税口座で運用しつづけ、どこかで現金化する場合、将来的に支払う税金額も増えます(税率は変わらなくても運用益が増えれば税額は増える)、それらを計算すると、↑の数学的証明では、含益割合100%というほぼあり得ない状況を除いて、可及的速やかに特定口座からNISA口座へ移し替える方が良いと結論付けています。

要するに税金はクソだということですね。

そう、この数学的証明は、投資家が自分でリスクを取り運用し、やっと得た利益に掛ける税金はとんでもなくクソだ、という証明なのです。

■最後はメンタル勝負

いつも最後はメンタルの話になってしまい恐縮ですが、投資はメンタルが重要だと思っています。

残された時間(人生の残り時間や資産形成期としての時間)が長いほど、長期的に運用を行っていくものになると思いますので、とにかく続けることがとても重要ですね。

続けることは目先の利回りよりも重要かもしれません。

どっちが得をするのかを考えるのと同じくらい、どうしたら続けられるかを考え、どっしり構えてお互い資産形成に臨めれば良いですね。

ちなみにですが、私の場合、何も売らず新NISAの生涯枠1800万円を新規入金のみで可及的速やかに埋める予定です。

おしまい


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