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【読む漫才】ザ・うんこ

A.B:(登場)どーもー(パチパチ)
B:ザ・うんこでーす。
A:待て、なんだよ?「ザ・うんこ」って?
B:俺たちのコンビ名だけど・・・
A:いつから俺たちのコンビ名が「ザ・うんこ」になったんだ?
B:今だけど・・ダメか?
A:ダメだよ。あたりまえだろ。
B:小学生なら笑うぜ?
A:小学生だけ笑わせたってダメなんだよ。
B:じゃあ、誰だけ笑わせればいいんだよ?
A:その「だけ」ってのがダメなんだよ。だいたい漫才で売れるにゃテレビに出なきゃなんねえ。テレビに出るには「ザ・うんこ」じゃダメなんだよ。
B:なんでだよ?
A:じゃあな、おまえが夕飯でカレーを食べているとする。想像してみろ。
B:うん、した。
A:そのとき、点いてたテレビから、「ザ・うんこでーす」と聞こえたらどうよ?
B:笑うね、ギャハハ、おもしれーって。
A:そうはならねえだろ?ふつう。食ってたのがカレー味のうんこになっちゃうだろ?
B:いいじゃねえかよ、カレー味のうんこ。
A:よかねえよ。カレー味のうんこなんか誰だって・・ん?俺、今、「カレー味のうんこ」って言ったか?
B:言った。
A:ごめん、間違えた。
B:何が?
A:「うんこ味のカレー」だった。
B:それは嫌だな。
A:だろぉ?夕飯時のうんこネタは・・・
B:「カレー味のうんこ」のほうがいいな。
A:はぁ?おまえ何言ってんだよ。余計まずいだろ?それじゃ、うんこ食ってることになるだろ?
B:でも、カレー味だ、いいじゃねーか。
A:よくねーだろ?カレー味でもうんこだろ?
B:おい、冷静になってよーく考えてみろ。おまえなら「カレー味のうんこ」と「うんこ味のカレー」どっちを食べる?
A:どっちもやだよ。
B:俺なら絶対カレー味のうんこを食べる。
A:何言ってんだよ、おまえ。
B:なぜならば、カレー味のうんこはカレーだからだ。
A:はぁ?
B:で、うんこ味のカレーはうんこだ。
A:なんの理屈だよ?
B:食べ物とはそれが何であるかは、その味で決まるんだ。じゃあ他の例えで説明しよう。ここにりんごとみかんがあるとする。
A:ふむ。
B:おまえは今、りんごを食べたい気分だとする。ところがこのりんごはみかんの味がして、逆に、みかんがりんごの味だとしたら、おまえはどっちを食べる?
A:そりゃ、りんごの味のするみかんだなぁ。
B:じゃあ、カレーを食べたいおまえは「カレー味のうんこ」と「うんこ味のカレー」どっちを食べる?
A:カレー味のうんこ・・・いやいやいや、だまされねーぞ。うんこを食えるわきゃねーだろ!
B:でも、さっき、俺、食ってみたけど、カレー味で美味かったよ、これ。
A:・・って、漫才中に食ってたのかよ!そして、それを見せるなぁー!俺の前に皿に盛って差し出すなぁー!こういうのが、テレビじゃアウトだって言うんだよ!
B:だから、テレビじゃねーんだよ、これからの漫才は。
A:じゃあ、何なんだよ?
B:noteだよ。
A:というわけで僕たちの「読む漫才」ときどき投稿しまーす。
B:よろしくねー。
A:・・って言いながら、そいつを食うなー!

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