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創作料理。納豆とバナナのカルボナーラ

本日は、攻めてみた。
以前からやってみようと思っていた、納豆とバナナのカルボナーラを作ってみた。
バナナの甘さと、納豆の風味が美味くマッチングして絶妙な美味さに変わるだろうと考えていた。粉チーズのしょっぱさが、バナナの甘さを引き立て、バナナの甘さが、納豆のタレの甘さと、絡み合い、かつてない甘みを体験できると思っていた。
 
*材料(一人分)
 
・パスタ・・・・・・一束
・納豆・・・・・・・一パック
・バナナ・・・・・・二本
・卵・・・・・・・・二つ
・粉チーズ・・・・・適量
・オリーブオイル・・適量
・塩こしょう・・・・適量
 
まず、湯を沸かし、パスタを茹でる。その間に卵を黄身と白身に分けて、白身に塩こしょうを振りスクランブルエッグを作り取り分けておく。これは砂糖を入れた玉子焼きにしようか迷ったが、バナナの甘さで甘くなりすぎると思ったから、塩味のスクランブルエッグにした。これでバナナの甘さを引き立てようという目論見だった。で、バナナを細かく切っておく。納豆はタレをかけてかき混ぜておく。今回はマスタードは使わなかった。パスタが茹であがったら、オリーブオイルを引いたフライパンに移し、バナナと納豆とスクランブルエッグを投入して卵黄を注ぎよく絡める。粉チーズを振ったら盛り付けて完成だ。
 
さあ、いざ、実食。
私は未知の領域に入る独特の緊張感の中、パスタを口に入れた。
「こ、これは!」
私は驚いた。
「ま、不味い!思ってたのと全然違う」
バナナの甘さと納豆やスクランブルエッグや粉チーズの塩加減が絶妙にマッチするはずが、まったく相反するものとして口の中でケンカし、私の脳は、これが甘いのかしょっぱいのか判別するのに混乱していた。もし、どちらか一方であれば、脳は簡単にその味を判別することができたろう。しかし、この食べ物は何の味がするのか、まったくわからなかった。味のない物を食べているような気がした。納豆のネバネバが、精神的に私を攻めていた。これを食べるのは苦行だった。
しかし、意地で完食した。
 
今回の挑戦でわかったことは、甘い物としょっぱいものは共存することはできず、どちらかがどちらかの引き立て役に回ることはできるかもしれないが、両方を引き立て合うことはないということだった。
経済学者シュンペーターは、「イノベーションとは何かとまったく別の何かが出会ったときに起きる」と言っている。今回、私は納豆とバナナとカルボナーラを出会わせた。イノベーションが起こる予感がしていた。しかし、起こらなかった。
「失敗は成功のもと」ということわざがあるが、私は今回の失敗を生かしていきたいと思う。
 
私は現在、一年以上かけて「小説家になろう」というサイトで、即興小説を連載している。書きながら考えていくというスタイルで、大長編を書いている。しかし、自分でもどんな話だったか忘れてしまう有様で、まあ、実験小説だが、成功しているとは言えない。この作品でアドリブの良さと悪さをふたつ知った。困ったときは一行書けば、アイディアが膨らむということを知ったし、アドリブだと振り返って何がどこで起こったのか、思い起こすことが難しい作品になってしまうということも知った。まだ書き終えていないが書き終えたら、私は次の作品で相当な飛躍ができると自身に期待している。私はこの一年、その小説とnoteの記事を書きまくって、読書はまったくしないという生活をしてきた。アウトプット専門の一年だった。しかし、文章力は上がったと思う。この文章もほぼ推敲せずに書いているが、推敲すれば相当な文章が書けるのではないかと自らに期待している。
私は四十五歳独身男性であるが、小説家になることや結婚することを諦めていない。むしろ大きな希望を持って生きている。旅行や登山も好きで、その夢も生きる糧になっている。そして、最近始めた料理もまだパスタで色々やっているだけに過ぎないが、この奥の深い道は遙か遠くになんらかの高みがあると思っている。
そして、最後に一言。
「納豆とバナナのカルボナーラはやめとけ」

ごちそうさま。

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