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【短編小説】伊勢丹桃ジュースBOXヤクザ
地下の倉庫から箱に入ったジュースを持ってエレベーターに乗り込んだ。
旧式のエレベーターは酷く揺れた。
天井に付いた換気扇は歪んでいるのか酷い騒音を立てていた。客用のエレベーターとは違い、薄汚れた壁と縞鋼板の箱は酷く揺れながら七階の催事場まで上がっていった。
急停止したエレベーターを降りて催事場の真ん中、指定された机まで高級ジュースを持っていくと職員の対面には映画から飛び出してきたのかと思うような反社会勢力的暴力系の男が座っていた。
細い体躯に張り付くようなダブルのスーツは黒地に金糸の細いストラップが入っており、大きく開かれた派手な模様のカッターシャツはその巨大な襟で本当に誰かを斬れるのではないかと思えた。
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