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【column #10】心の蕎麦に / 山下ヤマディ政宏

日本に生まれたら、一度は、こんな質問されたことあるかも知れない。
『蕎麦派❓』それとも、『うどん派❓』どっち。
私は、蕎麦派と答えるが、九州では、うどん文化が広く伝わっている。
『宮崎うどん』と呼ばれるうどんがあるように、宮崎県は、特に独自の文化を持ったうどんが存在する。
柔らかくコシがなく、つゆは甘辛い。どことなく優しい味わいのうどん。私も大好きだ。
『コシなしうどん』とも呼ばれる。

でも、蕎麦文化を宮崎、地元延岡に凄く広めたい。いや、深く根付かせたい❗️
蕎麦屋って、めちゃくちゃ楽しい。そんな店を作りたい。
だから、日本全国、色んな蕎麦屋を周って蕎麦屋の魅力を探って来た。

関東、関西、九州の名店などなど、行って食べるだけじゃなく、亭主さんの想いを知ろうと一緒に働かせてもらった。
そうしてたら、蕎麦は、楽しい❗️蕎麦屋さんって凄く面白い⁉️そう魂から感じるようになった。

私の見解で、大雑把な説明であるけど、
関東の蕎麦屋さんは、蕎麦処でもある為、柔軟で視野が広い。空間に居心地の良さや、蕎麦とマッチする独特な静けさ、そして蕎麦の主張が洗礼されている。何となく、そんな感じがする。

一方で、関西の蕎麦屋さんは、元々、うどん文化が強かった土地柄に蕎麦文化を根付かせようとする、亭主達の熱い想いが、プンプン沸き立つ個性的な店が多い。だから、めちゃくちゃ私の気持ちとインスピレーションしてしまう。

近い将来、この経験を生かして、みんなの憩いの場へとなるような、延岡にしかない蕎麦屋作りを目指している。


そんな私は、30代に入り、蕎麦打ちを覚えようと修行に出た。まずは、母方の実家でもある、蕎麦処、大分県、豊後高田市。
豊後高田市が運営する『蕎麦道場』の蕎麦打ち指導員の求人を見て、蕎麦を打ったことがないが飛び込んだ。
ここでは、蕎麦打ちを1か月間で完全にマスターし、その後、生徒さんに指導する内容である。
毎日、バンバンひたすら打ちに打ちまくった。物事や動作を深く追求する性格だから、ご指名も入り凄く嬉しかった。

あの蕎麦の神様とも言われる、高橋邦弘氏からの指導も受け、完全に蕎麦の世界にハマってしまった。旦那さん(高橋氏)は、私のことを『延岡』と呼ぶ。笑

豊後高田では、半年間の雇用期間であったが、そこから大阪の『なにわ翁』と言う、旦那さん(高橋氏)のお弟子さんが営むミシュランの名店でも働いた。
そして、今の高千穂『おたに家』で蕎麦打ち職人として、蕎麦を打っている。


ここで出会ったのが『十割蕎麦』だ。
十割蕎麦を知らずして、蕎麦を語るべからず。こんな言葉がある。いや実は‥ない、今とっさに思いついた言葉。笑
でも、昨日、Googleビジネスの口コミに、こんな書き込みがあった。
『これ本当に十割❓』
社長が丁寧な返信をされていましたが、
十割蕎麦なんです。小麦粉を全く入れておりません。
ちょっと説明します。
ニハ蕎麦とは、蕎麦粉8割に対して、小麦粉を2割入れる。そうする事により、打ちやすく、小麦粉独自のツルッとした食感が生まれ、蕎麦とのバランスが良い。二八が一番美味しいって言われる方も多く、特に関東の方は、ニハを好む。

一方、十割は、小麦粉を全く入れない為、打ちにくく、ボソボソして切れやすい❗️と多くの人が思っている。
十割は、ボソボソしてるでしょ❓っとお客様からもよく聞かれる。
その考えを壊したい⁉️

十割蕎麦って、もの凄く精細で、蕎麦の香りや味が強烈に噛み締めるほど、モシャモシャモシャー❗️って伝わってきて、その土地ならではの美味しい味が染み渡る、私の十割蕎麦は、そんな蕎麦なんです。

高千穂在来という品種は、たおやかな甘味の中にナッツ系の香りを漂わせ、まるで草むらの中に飛び込んだかのような、強烈な香りを連想させる。

また、椎葉在来という品種は、打つ時にミルクのような香りを漂わせる。ミルクかけてないよね❓って思うほど、加水をした時に、ブワッと香りが広がり、味が濃厚で旨味の強い蕎麦だ。

このような、蕎麦を作る為に、おたに家の社長は、土作りから入念に仕込みを入れ野山を駆け回り、天候に振り回され、今年は特に種蒔き時期に雨が多く、かと言えば、実りの秋に二度の台風被害(2019年)そして、鹿や猪が畑でゴロゴロ遊びまわる。農家さんの大変さが身を染みて感じる日々だ。

だからこそ、このように苦労を重ね大事に大事に育てた蕎麦の旨味を最大限に引き出す為に、私は最大限の蕎麦打ちをする。

今年も収穫が終わり、新蕎麦の季節になりました。
是非、蕎麦を食べに高千穂の『おたに家』に蕎麦を食べに来てくださいね。

▶︎Instagram
takachihosoba_kawasemicoffee


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