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半導体製品の信頼性(基礎編)

割引あり

はじめに

今回は導入編の続きとして基礎編をまとめていきたいと思います。基礎編ではどのようなコンセプトで半導体製品の信頼性試験が設定されているかに関してまとめました。全体像を知る上では十分かと思いますが、実際に信頼性試験をする。またはその結果をみて判断するという作業には少し物足りないです。なので今回はさらに深掘りして、実施される試験の項目まで落とし込んで、どのような試験が一般的に実施されるかに関してまとめていきます。

 まだ導入編を見ていない方はこちらを最初に読んでいただけると、話がつながるかと思います。そこは知っている不要という方はこのまま読み進めていただければと思います。

自己紹介
 日本の大学でPhDを取得し、日本の会社に就職するも会社の方針転換で一年も経たずに外部に出向し、先行きが見えないため別の日本企業に転職。なぜか転勤族になり西の方に移住。英語を勉強して外資系に転職しVISAをサポートしていただきUSに移住。その後GCを取得しBay Areaの大手テック企業に転職して今にいたります。専門は半導体のプロセス設計です。
 転職に関する自己経験なのどは別のnoteにまとめていますのでご興味がありましたらご参照ください


試験項目の全体像

 前回のnoteでも書きましたが、3つの項目(電気的ストレス環境起因ストレスそして機械的なストレス)をうまく組み合わせて適切な加速試験を実施します。なぜ加速試験を実施するかというと、大抵の製品寿命設定は10年です。製品によっては10年以上であったりそれ以下だたりもしますが、何も言われないと10年保証となります。
 製品の寿命が10年なので10年間試験をするのは現実的ではないので、上記の3つの項目を上手く組みせ現実的な時間内で製品の寿命を予測することになります。
 この予測が非常に重要で色々なモデルがあります。これは応用編を書く機会があれば細かく書いていこうと思います。

 今回は基礎編なので、そこまでは踏み込まずどのような試験項目がありどのような特徴があるかをまとめます。これが理解できればある程度は信頼性試験に関する話についていけるかと思います。まずはいつもの通りに全体から見ていき個別に説明して行こうと思います。

各種試験項目のマッピング図

 突然、訳のわからない名前が出てきたので度肝を抜かれているかと思いますが安心してください。後ほど説明いたします。大元はこちらの資料となります。

 これとは別にESDや機械的な試験が実施されています。これらは少し特殊な試験なので機会があれば応用編でご説明となります。

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アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。