ミシュランを狙うような悪心を持つと、料理人人生は困難を背負う。
引き寄せの法則について。ただし、どんなものを引き寄せてしまうかは、その人の心がけ次第です。
べつにミシュランに限ったことではなく、ゴエミヨだろうが、どしろーとによるレストランレヴューサイトで高評価を狙うことだろうが同じこと。では、なぜ、関係者はこの悪心によって人生をめんどくさいものにしてしまうでしょう?
まず最初に、社会的高評価を勝ち取るには内装にやたらとカネをかけなくちゃならない。ホームページをそれらしく仕上げなくちゃならない。スタッフの制服もそれなりにして、接客も洗練された人物を雇わなくちゃならない。しかも、広告費と言うべきか、関係業者にカネをむしり取られる。つまり、社会的高評価を勝ち取るにはカネがかかるもの。とうぜんアルコールや料理の値つけも高くせざるを得ない。はやいはなしがそれを負担するのはたいていは客である。(スポンサー企業でもついていれば別だけれど。)
では、飲食店はその費用に見合う見返りが得られるかしらん? これがまた微妙なところで、たとえ新規開店時にはご祝儀需要で多くの客が駆けつけても、しかし3か月経ったら客足は途絶えるなんてことも多い。そもそもレストランマニアの大半は「一度その店で食事をすれば、次は別の店」というメンタリティの持ち主である。常連客を作るのはかんたんではありません。しかも、ミシュラン狙いのレストランは維持費が高く、不測の事態に弱い。たとえばコロナの2年間で息絶えた高額店は多い。とくに東京のフレンチ・レストランの多くは軒並みなぎ倒された。
これに対して、堅実な飲食店は発想がまったく違う。社会的高評価など狙うことなく、そもそも無駄な経費をできる限り使わない。そのぶんできるだけ良い食材を手に入れる。料理の値つけに幅を持たせ、客単価を3パターンに切り分けて、どの客単価でも飲食を楽しめるようにする。とうぜんそういう店はもてなしもいい。
しかも、そういう店につく客は、けっしてメディアに誘導されてその店を好きになったわけではなく、自分で見つけ自分の五感で好きになったことに誇りを持つ。おのずとかれや彼女は自信を持って店を友人知人に宣伝してくれる。1人常連客がつけば3人の新規客が来る。3人常連客が生れれば、9人の新規客が来店する。とうぜん店の経営は安定するというもの。
むかしの人は言ったもの、類は友を呼ぶ。悪心を持ったレストランには悪心を持った客が集まり、無邪気なレストランには無邪気な客が集まるということですよ。おもえば、われわれの人生とてそういうものではありますものね。このトピックが役にたったよ、とおもった方は高評価をお願いします。なんだ、オチはそれかよ!??
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?