本が広げる専門知識
私たち日本の文明には、聖徳太子の昔から
話せば分かる
つまり
大衆の納得が必要
という発想があります。
しかし
「話せば分かる」
は世界共通ではない
と理解しているでしょうか?
私たちが「民主主義が定着している」と思っている、欧米諸国でも
高度学問の専門家だけしか解らない
という発想があります。この根底には
プラトンの洞窟の比喩
キリスト教などの
「神の世界は到達不可能」
という発想があり、限られた支配者か、高等教育による哲学的思考を身に付けた人だけが、特権的な知識を保有し、下々はそれに従えとの発想です。
しかし、日本の文明には
多くの人が理解できる
という信念があります。物作りの中で、TQC活動がありますが、この理念は
全員が理解して活動
です。アメリカから、日本の半導体工場を見学した時、工員さん達が、休み時間に
半導体の教科書を読んでいる
状態に驚嘆していました。
さて、これを支えたのは
日本の新書版等での
知識の大衆化
です。先ほどの事例にあった、半導体についても
ブルーバックス
などが、数学に頼らない、直感的な説明を行い
専門教育を受けていない層
に理解を広げました。
こうした、専門知識の説明を、本の形でまとめた、日本の出版業界の功績も大きいと思います。
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