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星野源さんに世界の楽しみ方を教えてもらった

音楽好きの友人に、「音楽を聴くとき、何に一番耳を傾けてる?」という哲学的で抽象的な質問を受けた。

音楽には明るくないけど、てきとうに答えるのも違うなぁと思ったので、思考を巡らせる。ドラムのリズム?ベースの音?いやいや、私は一番「歌詞」を大事にしていることに気づいた。

私は言葉が好きだから、歌詞を一番よく聞いている。そして、自分が共感できる言葉や想いがメロディに乗って届いたとき、その歌は自分のお気に入りの一曲になっていく。

たぶん多くの人が私と同じで歌詞に注目してると思うけど、彼の質問によって改めて音楽の楽しみ方にも多様性があるんだなと考えさせられた。

前置きが長くなったけど、今日は私が一番尊敬しているアーティストについて書きたい。歌詞の表現が本当に素敵で、共感できて、私もこんな言葉で日々をつづれたらと思ってやまない人。ずばり、星野源さんだ。

星野源さんに惹かれた理由

源さんは、小学生時代に見ていたドラマ「11人もいる!」で知った。そのあと源さんは「恋」を始め社会現象になったが、特段大ファンというわけではなく(正確には良さが分からないほど私は未熟だった!!)、たまに聞く程度だった。

転機は、母の勧めで源さんの本を読んだとき。そこには、同じ日本、同じ時代を生きているのに、自分よりもずっと繊細に世界を切り取っている源さんが詰まっていた。同じ景色を見ていても、そこに含まれる他者の生活、気持ち、自分の感情さえも考察して、自分の哲学にする。そんな源さんに惹かれるのに時間は全くかからなかった。

先ほど、好きになる前は「良さが分からないほど未熟だった」と書いたが、源さんの本を読んだのは大学生になってから数年たってからのことだった。高校を卒業後して一人暮らしをはじめ、遊びも恋愛も人並みに経験し、人の優しさも世間の厳しさも少しずつ学んできたころである。だんだんと世界のシステムが見えてきたからこそ、世の中の表現や言葉に、「わかる」「そんな受け取り方もあったのか」「そこは共感しかねる」といった感受性をもてるようになった。そうした成長があったから、源さんの視点を見て、惹かれていったのだと思う。


ラジオを聞いてもっと好きになった

源さんが気になり始めたころ、もっと知りたくて「星野源のオールナイトニッポン」を聞き始めた。ダイレクトに日常の話を聞けることが嬉しいし、曲に込めた想いを語ってくれるから、解釈が広がる楽しみも増えた。

私は飽き性な性格だけど、ここ数年間源さんのオールナイトニッポンだけは欠かさず聞いていて、この実績が源さんへの愛を物語っている。

私はradikoで聞いているけど、今度は夜更かしを頑張ってメールを送ってみたいなぁと思う。いつか私の言葉が届くといいな。


自分じゃない「他人」との楽しみ方を教わった

源さんの歌詞には、「全員と1つにはなれない」みたいな表現がいくつかある。例えば、

外へ 飛び出す時 
日差しを浴びた君から 声が聞こえて 
どんな 近づいても 一つにはなれないから
少しだけ せめて
星野源 肌
世界は ひとつじゃない
ああ そのまま ばらばらのまま 
世界は ひとつになれない 
そのまま どこかいこう
星野源 ばらばら

ここが、私が一番好きな部分だ。他人とは、価値観も好きなものもみんな違う。全部全部、意見を合わせて一つにならなくても大丈夫であることは源さんから教わった。

そして、他者の「自分と違う部分」に面白さも愛しさを感じることができることも、私は知った。自分のなかにないものを他人の中に見つけたら、それは好奇心の扉が開く合図だ。源さんを知る以前と比べて、「人」と関わることへ興味と楽しさをより感じるようになった。

他者と違うことを悲観的になるのではなく、肯定し、前向きに向き合うこと。そしてたまにある、他者と自分が「重なる瞬間」をもっと大切にして生きていくこと。これからも、ずっと忘れずに生きていきたいと思う。

また、源さんの「きゅん」の正体が詰まった「不思議」という曲はとても素敵なのでもっともっと推していきたい。

幼い頃の記憶 今夜食べたいもの
何もかもが違う
なのになぜ側に居たいの
他人だけにあるもの
星野源 不思議


最後に

源さんを知ってから、私は「自分がまだ見えていない世界を見たい」と強く思うようになった。そのためには他者の気持ちを知ること、そして自分が抱く思いの礎の部分まで深掘ることが大切であるように思う。

そうすることで、何も考えずに生きるより、たくさんの幸せと喜びに気づけるはずだ。大げさかもしれないが、その希望が明日を生きたいと思うエネルギーに繋がっている気がする。

本当の最後に、最近の一番のお気に入り曲を紹介させてください!!

「Ain’t Nobody Know」。自分らしく生きることに勇気をくれる曲だ。好きすぎて1日10回は聞いている。


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