ちびまる子ちゃんオタクの私、さくらももこ展に行きました!
私はさくらももこさんのファンで、作家として憧れている。幼い頃はちびまる子ちゃんのアニメをよく見たし、ちびまる子ちゃんのDSのソフトも持っていた。『わたしの好きな歌』や『大野くんと杉山くん』の本も持っていて、何度も読み返した。大人になってからはさくらももこさんのエッセイにハマり、彼女が漫画家としてだけでなくエッセイストとしても才能があったということに驚かされた。
文章を書くことを生業にすることに憧れている私にとって、さくらももこさんの作品や人生は輝いて見える。以前も私は、さくらももこさんのエッセイに絡めて、こんな記事を書いている。
2024年6月末、私の大好きなさくらももこさんの展覧会、『さくらももこ展』が名古屋で開催されることになった。この展覧会はさまざまな地域で開催されており、去年はさくらももこさんの地元である静岡でも開催されていた。さくらももこオタクである私は、「静岡まで遠征してしまおうか!?」と思うくらい行きたかったけれど、昨年はタイミングが合わず行けなかった。そんなさくらももこ展が、私の住んでいる愛知県で開催されることが決まり、何ヶ月も前から楽しみにしていた。
今回はさくらももこ展を、オタクの熱量で語りたいと思う。
さくらももこ展では、漫画の原画や表紙の原画、エッセイの原稿などを見ることができた。
私が嬉しかったのは、『たまちゃん大好き』というお話の原画が見られたこと。この『たまちゃん大好き』というお話は、ちびまる子ちゃんでは珍しく、まる子とたまちゃんが喧嘩をするのである。いつも一緒のたまちゃんとすれ違いを起こしてしまったまる子の切ない気持ちがじんわりと伝わってくるお話で、ラストにはたまちゃんと仲直りをすることでさらに仲が深まり、感動的なストーリーになっている。このお話はちびまる子ちゃんファンの中ではかなり良い評価を得ていると思う。
1枚だけだが、このお話の原画を見ることができてとても嬉しかった。
さらに、エッセイ原稿の展示でも、私はかなり興奮した。
さくらももこさんの1冊目のエッセイ、『もものかんづめ』の1番最初に収録されている、『奇跡の水虫治療』というお話の原稿がまるまる全て展示されていたのだ!私ももちろん本で読んだことのあるお話であるが、初めて読んだ時、「なんて面白い文章を書く人なんだ…!」と驚いた。そしてそこからズブズブと、さくらももこ沼にハマっていくきっかけとなった。
原稿を見ていて気づいたのだが、消しゴムで消した跡やペンで修正した跡がほとんど見られなかった。もしかするとさくらももこさんは、勢いのままにあの面白い文章を書けてしまう人だったのかもしれない。展覧会のキャプションでは、「学生時代から文章が得意で、読書感想文などでよく賞をもらっていた」「学校で書いた作文が"現代の清少納言"と言われた」という記載があり、彼女がかなり文章力に長けた人だったことが分かった。そんなところも含めて、ますますさくらももこさんへのリスペクト心が募った。
展示の中には、さくらももこさんと、幼い頃の息子さんが力を合わせて描いた絵本もあった。さくらももこさんは自身が『ちびまる子ちゃん』を描いた漫画家であることを息子さんに隠していたのだが、家庭では絵の上手なお母さんとして息子さんと接していたのかもしれない。息子さんの想像力に寄り添って、一緒に絵を描いたさくらももこさんのお母さん像が伝わってきた。私もいつかお母さんになるようなことがあったら、そんなふうに子供の目線に寄り添って子育てができるだろうか、と考えながら見ていた。
展覧会を出て、グッズ売り場で図録を買った。展覧会で展示されていた作品がギュッと詰まった分厚い図録。実はこの図録の最後には、たまちゃん、TARAKOさん、吉本ばななさんからの寄稿が掲載されているのである。どうしてもそれが読みたかったので、無事にゲットできて良かった。
2018年に亡くなったさくらももこさんに続き、つい最近はまる子の声優であるTARAKOさんまで亡くなってしまったけれど、ちびまる子ちゃんは永遠に日曜日のあの時間のテレビで流れていて欲しいなと思う。私はまる子のぐうたらでお気楽な生き方に救われている。私もいつか、さくらももこさんみたいにたくさんの人に「面白い!」と読まれる文章を書きたい。
自分の書いた言葉を本にするのがずっと夢です。