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最近読んだおすすめ小説 〜2023年4月〜

宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』

読み終わって、「最高〜!!!」と声を上げた本。久っっしぶりに、読みながらゲラゲラと笑い声を上げた作品でした。

本書の主人公は、成瀬あかりという中学生の女の子。この成瀬が変わり者で面白い!!! 

とにかく突飛なことをするというか、目立ちたがりとは少し違うんだけど、普通の人なら絶対やらない(というかそもそもやろうと思いつかない)ようなことに次々とチャレンジしていく。

例えば二百歳まで生きると宣言したり、シャボン玉やけん玉を極めたり、毎日のテレビ中継に映るために自分の夏休みを注いだり、M-1グランプリに出場したり……(全部本人は大真面目)

成瀬という変わり者女子、そんな彼女のチャレンジしていくさまを横で見届けるのが本書の醍醐味なんですっ!

っていうか、ここで説明するより本屋で最初の二ページぐらい読んだほうが絶対伝わる!! ということで読んできてくれ〜〜!笑(Kindleでもいいよ!) 

読めば成瀬の魅力が絶対分かる!!!!

とにかく読んでくれ〜っ!!!! 成瀬がマジで最高すぎるんだ!!! 

上橋菜穂子『鹿の王』(全四巻)

黒狼熱ミツツアルという謎の感染症が発生した世界で生きる、とある父と娘をめぐる、医療ファンタジー。

一巻の冒頭を読んだ時点で、「あれ……!?  これ、もしかしてめちゃくちゃ面白いのでは!?」と気づき、あっという間に引き込まれ、一気読みしてしまった作品です。

本屋大賞受賞作であることと、ファンタジーに挑戦したいと思っていた二つの理由から、一巻だけ買って積読していたのですが、ファンタジーの面白さがぎゅぎゅっと濃縮したような、壮大な物語でした。

私の人生初ファンタジー小説は、去年読んだ『魔道祖師』という中国発のファンタジーなのですが、今回この『鹿の王』を読んで思ったのは、「やっぱりファンタジーはファンタジーにしかない面白さや旨味がたっくさんあるよね!」ということでした。

作者の上橋菜穂子先生が紡ぐ文章一つ一つが繊細さと吸引力を秘めており、読めば読むほど読者はその世界にめり込み、ここにはない架空の世界の物語なのに、『物語が今、自分の目の前に広がっている』という錯覚を起こさせます。

特に自然と動物の描写は秀逸で、森や木々のこもれび、動物たちの愛の儀式や成長が色鮮やかに描かれており、動物たちの息遣いや森の匂いさえ感じられるほど。

読んでいる自分が主人公や物語と一体化して、自分もこの世界のひとりの住人になっているような錯覚が引き起こされる。これこそが読書の至高であると私は思います。そして、この本には、その錯覚力が作品の非常に深いところに丁寧に秘められていると感じます。

架空の世界にどっぷり浸かりたい、物語の世界に身体ごとのめり込みたいと思っている方には、特にオススメです。

読みながら「どんな脳味噌の回路を持ったらこんな壮大なお話が書けるんだろう」と何度も唸りました。ファンタジー書ける作家さん、まじすげぇです。

そんな上橋菜穂子先生はファンタジー作家として超有名な小説家であり、今作『鹿の王』以外にも名作と呼ばれる作品をたくさん世に出している素晴らしい方なので、これから他作品も少しずつ読んでいきたいと思ってます!

おわりに。

はい。ということで今月は2作品紹介させていただきました!
どちらの作品も全く違うベクトルでめちゃくちゃ面白かったです! 読書初心者には『成瀬は天下を取りにいく』、がっつり長編作品読みたいよって人には『鹿の王』をオススメしたいです!

ではでは、また来月お会いしましょう〜👋👋👋

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