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嵐の思い出

2021年になった。コロナの影響もあり年末年始を一人で過ごしている。12/29頃までは仕事や色々な用事があったため寂しさを感じなかったが、年の瀬も迫り、自分以外誰もいない部屋でテレビとラジオをつけ、パソコンとスマホを見て、無理やり情報を溢れさせている。

私はお酒が飲めないが、非日常を埋めるためにビックカメラに行き、お酒売り場で「コカレロってイケてる人たちが飲んでるって聞くよな!500円くらいで買えないかな?クラブ(行ったことが無い踊るクラブ)の疑似体験ができるんじゃないか!」と、商品を探していた。

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貞操観念が無いような話だが、コカレロにたどり着く前に、日本酒の酒蔵の方が販売応援で来ており、実に2日ぶりに人と会話をした興奮から、別に興味が無い、神社のお神酒以外で飲むことのない日本酒を買ってしまった。

12/31の大晦日は、買うつもりのなかった日本酒を飲みながら「身体の酔いを超えた、心の酔い」に達するために紅白歌合戦を見ながら、ラジオを聴きながら、でんぱ組.incの成瀬瑛美さんのカラオケLINE LIVE配信を見ながら、各種SNSを見ながら、情報で頭をいっぱいにして心の酔いが訪れるのを待っていた。

音楽は不思議なもので、過去に音楽を聞いた時の思い出が、映像として頭の中に浮かび上がる。紅白歌合戦で嵐が出て来た時に「A・RA・SHI」の思い出が溢れ出て来た。

小学校5年生か6年生の頃だったと思う。「村の中学生は授業で長野オリンピックのスキージャンプを見に行けるのに、なんで村の小学生はノルディック複合のクロスカントリーなんだ!?一瞬しか見れないじゃん!!」という長野オリンピックガチ勢の村の小学生たちの論争も落ち着いた1999年、長野オリンピックに触発された、おそらく体育教師が仕込んだであろう、学校を上げての大縄跳びブームがきていた。

クラス対抗の大縄跳び大会が開かれることになり、週に1回の全校体育はもちろん、体育の時間、生活の時間も大縄跳びをしていた記憶がある。

今だから分かるが、一般の職場と同じで教師の方々も、特定のプロジェクトの細かいルールまで全員が共通して認識できている訳がない。そのため「大会では飛んだ回数がカウントされる」という情報のみで、飛び方は各々のクラスに任されていた。

多くのクラスでは一方向から飛ぶのみのオーソドックスなスタイルであったが、大会直前の全校体育にて、一部のクラスが両方向から子供たちが縄跳びに入り、一度に2カウントできるという飛び方を披露してしまったものだから、子供たちは大混乱。「あのやり方はありなのか!?」「ルールはどうなんだ!?」と、再び長野オリンピックの見学論争に近い争いが行われそうになったが、「先生たちが話し合います」ということでその場は収拾した。

同じことを言うが、今だから分かるが、一般の職場と同じで教師の方々も、特定のプロジェクトへの思い入れは様々だ。クライアントが思いを込めていたとしても、担当者ごとに熱の入れ方は異なる。

「一度に2カウントできる飛び方は禁止になった。みんなは今まで通りの飛び方で本番もがんばろう!」というクラスの担任からの共有は虚しく、直前に2カウントしていなかったクラスが本番で2カウントで飛び始めてしまい、「先生とは何なんだ?」「先生の中にも序列があるのか?」という疑問が溢れ、現場は混乱、結局のところ校長先生から「順位はつけません」という発表が全体に対して行われ、シャンシャンシャン、とはならないが、その場は収まった。

件の「A・RA・SHI」だが「音楽に合わせて飛んだ方が楽しく飛べる」という、2カウント論争に参加しない、優勝も求めない、第三の軸から参加してきたクラスが「A・RA・SHI」を大音量で流して飛んでいたため、間違いなくこの大縄跳び大会で一番印象に残ったのは、このクラスだった。

本年も宜しくお願い致します。

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