事故物件　　企画参加作品　カバー小説

心理的瑕疵物件。
ようするに事故物件。

東京に安く住むなら
そのくらい我慢しなきゃ住めない。

特に霊感も強くないし
バイトが深夜に集中するので
そんなに気にしなかった。

確かに、ポルターガイスト？的な
物が落ちるとか、物が移動してる
様な気がする事はあった。


だが、金銭が盗られる事もないし
バイト先からも近いので
俺には優良物件だった。


ただ、朝方帰って寝ようと
すると、隣のへやの赤ん坊の
泣き声に多少悩まされた。

引っ越しの時に会った時、
シングルマザーのようで
疲れてる表情で赤ん坊を
抱いていた。


後は、特に物音もしないし
怒ってる声も聞こえないから
虐待とかはなさそうで安心した。


壁が薄いって本当なんだな。
なんて、実家との違いを感じた。


夜間のバイトの方が
時給がよく、昼夜逆転している
生活にも慣れてきた。

朝方、疲れと眠気で
家に向かうと焦げ臭く
朝方にしては人の数が多かった。

最悪だ。
俺の下の住人が
ガスコンロが原因で火災を
起こした。

大家の息子だった事もあり
俺は、大家の他のアパートへ
格安で移らせてもらえた。

怪我人もなく火事の後
物件は、取り壊しになった。

火災保険で、新しくなった
家電と部屋に
多少バイト先から遠くなったが
俺的にはラッキーだった。

大家と息子が菓子折りを持って
謝りにきてくれた。

俺の他にも大学生が
こっちのアパートに移ったらしい。
俺の隣の人は移らなかったのか
聞くと、元から空室だったと
大家が答えた。

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豆島さんのホラーが好きで
どんな展開にするか
ワクワクさせていただきました♡

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