最下層からの脱出【736文字】　#かなえたい夢　参加作品

私は一度子供を捨てた。
最低な親だ。
自分自身がこの世に必要ないと
自分勝手な思いこみで逃げた。

それが病気のせいだとは
わかっていた。
でも、成人した子供達。
もう、親の手はいらない。
勝手にそう思って
私は家を飛び出した。

書き置きも、携帯への
メッセージもなく。
子供達と世の中から逃げた。

犯罪者となり私は前科のつく
人間になった。
本当にダメな人間になった。


私は子供達の元へ戻された。
死にきれなかった私。
死ぬ事さえもできなかった私。

子供達は
帰ってきた私に
「何もできなくたっていいよ」
「生きてて」
そう言ってくれた。

全部の不幸を自分が
背負っているのだと思っていた。
私が消えれば子供達も
楽になれるだろうと。
そんな考えもあった。

でも、一番は楽になりたかった。
生きるのに疲れていた。死にたかった。

今、私は病院での治療と
リハビリを続けている。
子供達のは
甘やかされてもいるが
時には叱られることがある。

今は、noteでこっそりと
作品を投稿している。
noteを続けていくことで
少しづつ自分のできる事が
見つかってきた。

もし叶うなら、自分の本を手にしたい。
ダメな自分。最低な自分。
そんな自分でも、幸せに戻る事が
できる事を伝えたい。
迷っている人、悩んでいる人、
自殺を考えている人、
そんな人達に、少しでも
自分の事を大切に思ってくれる人、
場所が、ある事を伝えたい。

noteで、少しづつ書き溜めた作品。
まだまだ本になるような
内容の文章は書けない。
でも、いつか形になったら。

私を見捨てなかった
子供達に、私の居場所を
作ってくれたnoteにお礼がしたい。

今は『生きる』事で精一杯。
でも、やっと前を向けるようになった。
最下層に落ちた私は、
やっと階段を登れるようになった。

登りきった先の未来を見るために
私は生きている。

#かなえたい夢