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切手はどこへゆく

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#ニュースレター

切手はどこへゆく【第十九話】

三上の提案に乗ったわたしと古谷は、自転車を押しながら駅前まで歩いた。三上は、古谷の自転車…

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切手はどこへゆく【第十八話】

古谷と三上は、わたしに聞かせているのか、自分たちで盛り上がっているのか、わからないくらい…

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切手はどこにゆく【第十七話】

古谷を待つまでの間、わたしと三上はそれぞれ、ウォームアップをしていた。 脱げないように靴…

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切手はどこへゆく【第十六話】

今日は、良い天気だった。 窓から入る日差しのせいか、いつもより多く寝たからか、いつもの日…

切手はどこへゆく【第十五話】

学校が休みの日の部活は、いつもより時間が長いけどあっという間だ。 空腹が通り過ぎた頃に部…

切手はどこへゆく【第十四話】

携帯電話を机に置いて、明日の準備でもしようと立ち上がったところで、通知音が聞こえた。 画…

切手はどこへゆく【第十三話】

三人で並んで校門を出てから、三上は古谷に、藤崎さんの話をした。古谷はあまり興味なさそうに話を聞いていて、それに気づいたのか気づいていないのか、三上は時折、古谷を茶化していた。 それに対して、古谷がいちいちむっとした表情をするので、どうやら三上はそれが面白いらしい。三上がだんだんと饒舌になっているのが、ぼんやり話を聞いていたわたしでも、気づくくらいだった。 「そういや、藤崎って、高塚とも仲良かったな。」 「そうなの?」 「あ、稲村も知らない? ふたりとも吹部で、よく話して

切手はどこへゆく【第十二話】

一つ前の授業と打って変わって、わたしの目は冴えていた。 先生がおしゃべりで、それに便乗し…

切手はどこへゆく【第十一話】

翠から届いた白い封筒の中には、翠からの手紙と、写真が入っていた。 写真は、青い花がたくさ…

切手はどこへゆく【第十話】

白い封筒に、深い茶色で書かれた私の名前は、間違いなく翠の書いたものだった。 封筒を表裏に…

切手はどこへゆく【第九話】

そもそも、明日は部活があるのだろうか。時計をタップしてカレンダーを表示させると、明日の予…

切手はどこへゆく【第八話】

わたしも部長も、顧問の表情から何かを察したのか、少し沈黙が流れた。 うっすらと、息苦しさ…

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切手はどこへゆく【第七話】

最終学年初日だからと言って、ずっとセンチメンタルではいられないようだった。始業式が終わり…

切手はどこへゆく【第六話】

先生の声に促された大群に混ざって、三年生の教室がある階まで階段を上った。 階段を上って、少し乱れた呼吸を整えてから、教室のドアを開けた。 無駄にきょろきょろしてしまうのは、きっと少し不安な気持ちもあるのだろう。教室全体から感じる、どことなく探り探りな様子を見て、不安に思っているのは、自分だけではないのかと、仲間を見つけたような気持ちになった。 「なんかさ、三年生、って感じするよね。」 部長はそう言いながら、自分の出席番号に合わせて席についた。 わたしもそれに合わせて、部長