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煎じ詰めれば「CMとして成立してるか?」って話かも:読書録「炎上CMでよみとくジェンダー論」

・炎上CMでよみとくジェンダー論
著者:瀬地山角
出版:光文社新書(Kindle版)



定期的にやってる光文社新書のKindleセール(50%OFF)で購入。
直近で購入したのが「Z世代」だったんですが、割と「ビミョ〜」なラインをついてきますな、このセールはw。


本作は近年で「炎上」したCMを具体的に取り上げながら、その「炎上」を「ジェンダー論」の視点で、どういう観点から生じたのか、解説してくれています。
取り上げられるCMが具体的だし、やっぱり「炎上」してるんでw、ほぼ全部記憶に残ってて、なかなか興味深く読めました。
巻末には、本文で取り上げられた以外の「炎上CM」も取り上げられていますが、そっちの方も「記憶あるわ〜」。


個人的には「私作る人、僕食べる人」(ハウス食品1975年)のCMが抗議を受けて「1ヶ月」で放送中止になった…ってのに驚きました。
バッチリ記憶に残ってますからね〜。
「1ヶ月」でも、当時のCMのインパクトって、今の比じゃないんやな〜と。



全体を通して言うと、所々、「そんな細かいところ…」ってとこもなきにしもあらずですが、それが「CM」ということを考えると、「いや、誰にそれを訴えてんの?」ってところが「炎上ポイント」なケースが大半です。
ぶっちゃけ、「それ<CM>として成立してないやん」。
解説を読むと、「どうかな〜、それ」(ジェンダーに対する考え方は、人によてだいぶ違いますからね)ってとこもあるんですけど、根本のところでは作者の指摘は「ごもっとも」と思います。
作者も「炎上したけど、これは個人的にはOKと思ってる」ってのもあったりしますし。



まあ、「CM」ってのが難しくなってるってのはありますかね。
「多様性」が深まり、表面化してきてる中で、「どこに訴求すんの」ってのが難しくなってるし、「媒体」や「場所」、或いは「広告主の公共性」とか、配慮すべき点も多くなってきている。
「うるさいコト、言うなよ」
「それじゃ、面白いものや、尖ったもんが作れなくなる」
って言うのは勝手ですが、それじゃ「CM」としての意味をなさなくなっちゃいますからねぇ。(訴えたい層に反発されるようじゃ…)



時代によっても捉え方は変わってきているってのもあります。
そう言う意味じゃ「正解」はない。
ないけど、考え続けないと、足元を掬われるかも…と。



「今の時代」ってのを知っておく意味じゃ、読んで損はないと思います。
それに賛同するかどうかは、(人に押し付けるんじゃなきゃ)個人の勝手ですけど。



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