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相変わらずのマリコ節…でイイのかな?:読書録「カムカムマリコ」

・カムカムマリコ
著者:林真理子 ナレーター:仲村かおり
出版:文藝春秋(audible版)

週刊文春の連載エッセイ(夜ふけのなわとび)の単行本版。
33巻だそうです。いやはや。


連載の方は時々読むこともあるけど、まとめて読むのは久しぶり。
妻がファンで、文庫になったら買うことがあって、たまに手に取ることがあるくらいです。
それがaudibleで新しいのが聴けるんですからね〜。
妻と車に乗るときにボチボチ聴いてました。


まとまってるのはコロナ禍の21年くらいのエッセイかな。
オリンピック前後の話なんかが中心になっています。
久しぶりに読む(聴く)真理子さんは、
テレビや雑誌・週刊誌をよく見て、いろいろなことに腹を立てたり、愚痴ったり。
かと思えば、ミーハー心が爆発して、とても成功した作家らしからぬ言動に走ったり。
…とまあ、相変わらず。
この「変わらなさぶり」が、ここまで連載が続いてる秘訣なのかな…とか思ったりもします。


ただまあ、途中、僕の方にブランクがあるからですかね。
その「変わらなさ」ぶりに違和感も。
基本的に僕が読んでたころの「林真理子」は、
若くて、才能があって、上昇意欲もあるけど、「女性」であることから正当に認められず、男性社会の「女性」の評価基準に対して苛立ちや怒りを覚えていた、「アウトロー」的な存在だったように思います。
そう言う存在がぶつけてくる言葉が、「常識」的な社会観を揺るがせるところが面白かった。



多分、今も「林真理子」さんはご本人としては「そう言うつもり」なんじゃないかなぁ。
自分は変わってない。
…でも第三者から見れば、林さんはすでに「成功者」であり、ある意味「権力者」「権威者」でもある。
その人が「意義あり」と投げかける言葉は、若くて認められない女性が投げていた「意義あり」と言う言葉とは自ずと違って聞こえてきます。
もしかしたらその「異議申し立て」が、「若くて認められない女性」を傷つけることだって…。
(かつて林さんが立っていたポジションには、一時期「酒井順子さん」が立ち、今なら「ジェーン・スーさん」かな、と。
例えば今スーさんが書かれたり喋られたりしていることと、林さんの距離感っていうのが、林さんの今の「立ち位置」を炙り出しているのじゃないかなぁ)



基本的には週刊誌の片隅にある連載エッセイですから。
そんなに大したことが書かれてるわけじゃないし、微苦笑ときには爆笑…が基本路線だとは思います。
実施、車の中で夫婦で楽しく聴かせてもらいましたしね。
でも久しぶりに読んだ(聴いた)林さんの本音(っぽい)トークを、素直には聞ききれない自分いるな〜と感じた次第です。
こっちが年取っただけの話かもしれませんが。


でもまあ、日大の理事長さんだからね〜。



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