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これも「自分」よりは「子供たち」のことを考えながら読みました:読書録「おいしいニッポン」

・おいしいニッポン 投資のプロが読む2040年のビジネス
著者:藤野英人
出版:日本経済新聞出版

「ライフシフト2.0」と同様、この本も「自分の未来」と言うよりは、「子供たちが生きていく未来」のことを考えながら読んでいました。
「2040年」
僕はもう「75歳」ですからねw。


藤野さんの基本的なスタンスは、
「日本の社会も、日本の大企業も、スピード感のある世界の潮流にあわなくなって来ている」
「その変化が<5年後>どうなるかを読むのは難しい。しかし<20年度>であれば、(「ありうべき未来像」は考えられるので)想定することは難しくはない」
「その<未来像>を支える企業が、将来の日本社会の中核を支える企業となる」
「変化後の日本社会を支えるのは、<今>のスタートアップ企業や起業家、<これから>登場する未来の企業たち」
…ってとこかな?
そういうスタンスから、主に藤野さんが投資しているスタートアップ企業が紹介されています。
(「ありうべき未来像」を支える切り口は、テクノロジー、アフターコロナの暮らし方×働き方、ダイバーシティ、地方…になります)


ポイントは「民間企業」ってことかと。
国や自治体が主導するものではないってこと。
この前、「東芝」の解体が発表されてましたが、いろいろスキャンダル絡みネタがあったにせよ、根本には、
「<重電>を担ってきた経営陣が、<弱電>ビジネスに対応することに無理があった」(だから、それを切り分ける)
ってことにあったと思ってます。
今後も「インフラ」は重要。
ただ(10年、20年、世紀単位でのビジネスである)インフラ産業だけでは経済は回らなくなっており、そこは経営の回転の速い企業が(企業自体の入れ替わりもありつつ)支えていくことになる。
…そう言う認識ではないか、と。


その観点からは、政治や官僚の絡み方も変わってこなきゃいけませんね。
手取り足取り、細かいところまで口を出しながら縛っていくのではなく、生産性(成果)が出ることを優先して、企業の自由度を高めつつ、社会への過度な悪影響が起きないような監視をしながら、成果の配分のところに注力していく。
コロナ禍で見えてきたのも、そう言うことじゃないか、と。


しかしまあ、そう言う社会や時代を生きていくってのは、これはこれで大変そう。
少なくとも、僕が生きてきた時代の常識や感覚からアドバイスすることに、どこまで意味があるのかな、とか思っちゃったりします。
だからまあ、こんな本も読んだりしてるんですけどねw。



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