そうそう、こういう決着。…ん?続きはどうすんの?:読書録「小説イタリア・ルネサンス3 ローマ」
・小説イタリア・ルネサンス3 ローマ
著者:塩野七生
出版:新潮文庫
以前出版された時は3部作で本作が最終作。
主人公(マルコ)の愛人である高級娼婦オリンピアの<過去>が明らかにされ、その恋愛の最後の顛末が描かれます。
「そうそう、こうなったんだよな」
と思い返し、
「ありゃ?じゃあ、新作(4巻)はどうすんの?」
とも。
まあ、でもこのシリーズ、二人の大人の恋愛を描きつつ、ホントのところは「それ以外」のテーマの方が面白かったりしますからね。
本作について言えば「中世ローマ散策」。
そして「ヴェネツィアの<終わりのはじまり>」であり、「ルネサンスの<終わりのはじまり>」。
この<終わりのはじまり>を自分でも支えていこう…と決心するところで本書は終了します。
マルコは40代。
恋愛沙汰を離れ、国政を担いつつ歴史の趨勢に抗っていく…という姿が、次の巻では描かれるのかもしれません。
…とすると、「オリンピア」は余計かも…。
95年に本作が出版されたとき、僕は「30歳」。
あの頃よりは、今の方が描かれる「人間模様」には共感と興味を持てるようになってる気がします。
まあ、大人の物語ですわ。(高級娼婦との恋愛ですからねぇ)
それでも、
「塩野七生は<男女のドラマ>を描くよりは、<歴史ドラマ>を描かせた方が筆が乗るな」
ってのは、30年前と変わらない感想ではありますw。
さて、25年ぶりの続編は「再び、ヴェネツィア」。
どんな「幕」が下ろされるのやら。
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