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久しぶりに読むと、やはりその「上手さ」に感心させられます:読書録「ぼんぼん彩句」

・ぼんぼん彩句
著者:宮部みゆき
出版:角川書店


宮部みゆきさんが友人と作っている「BBK」という会で句会をするようになって、そこで披露された作品をベースに「短編小説」を書いてみた…という作品。
「BBK」はもともと「ボケ防止カラオケ」でカラオケをする会だったのが、今は「ボケ防止句会」にもなってるそうですw。


収められている作品は12篇。
それぞれ20〜30ページ程度の短編になっています。
「宮部みゆき」さんは大好きな作家さんだったんですが、だんだんその「シリアス」ぶりがしんどくなってきて、最近はあまり作品を追いかけていませんでした。(「模倣犯」はなんとかついて行ったんですが、「ソロモンの偽証」が決定打でしたかねぇ…)
ただ実家の母が宮部さんの時代ものが好きで結構読んでるってのがあって、俳句好きの母のために買ってみた…っていうのが実のところです。



週末、母の様子を見に帰った時に、買っただけで積読になってたのを実家に置いてくるために慌てて読んだのですが、予想以上に面白かったです。
宮部さんらしく、人間の悪意ややるせなさ、弱さや冷酷さが垣間見える作品が結構あるのですが、「短編」なんでそこまでドンヨリした気分にはならないw。
ホラー、SF、ファンタジーといった多彩なジャンルで描かれながら、共通するのは「ひと」が描かれていることで、ひとつ読み終えると、その上手さに感心させられます。
僕にとっては「ちょうどいい塩梅」でした。
やっぱり「ソロモンの偽証」を読む気にはなれませんが…。



「BBK」の活動はまだ続いていて、こういう本を宮部さんも引き続き発表する心づもりのようです。
ちょっと楽しみ。
母はどう読むかな?
俳句のテイストの方は、もしかしたら合わないかもしれないけどw。



#読書感想文
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