変わって行くことを受け入れて行くスタンスがいい:読書録「いのちの車窓から2」
・いのちの車窓から 2
著者:星野 源
出版:角川書店
星野源さんのエッセイ最新作。
2017年から2024年にかけての内容になります。
忙しくなり過ぎて、季刊連載になっちゃってたようですねw。
<そんな、バタバタとしていた2017年から、海外でも活動する様になった2019年、コロナ禍に突入し内省的になっていく2020年、そして結婚したことで生活に変化が訪れた2021年以降の心象風景を、何だかタイムラプスの様に点々と記録している本になったな、と感じています。
単行本化をするにあたり、書き下ろしを4本加えました。 東榮一さんの話、金城吉春さんの話、妻との話、そして連載終了時とは別の新しい最終回を書き加えています。>
星野さんは、歌詞の方もそうなんですが、かなり内省的なところがあって、エッセイも基本的には感情を抑えめで、言葉を慎重に選んで書いてる印象が強いです。
個人的には、その等が気分にフィットするっていうのはあるんですけど、その垣間から時々漏れ出るような感情のかけらが心に響いたりもします。
書き加えた東さんや金城さんの話なんか特にそういう感じですかね
作品としては17年から24年と言う長い期間をカバーするっていうのもあるんでしょうけど、その中で変わっていく自分自身を眺めながら、その変化を受け入れていく姿勢もなかなか興味深いです。
大病から復帰して、最初のコンサートに登場した時の演出。
セクシーな看護師さんに連れられて登場すると言う演出なんですけど、あれは今ならやらないなぁって。
それを否定するわけじゃないんですよね。
否定するんじゃないけど、今ならやらない。
その変化を受け入れていると言うことです。
それがまぁこういう変化の激しい時代においては、必要なスタンスなのかなぁと、思ったりもします。
そして最後には「命の車窓」と言うエッセイのテーマからも変化した自分を告白しています。
<たった独り。やはり、周りに人がいようがいまいが、人間はずっと独りだという想いは変わらなかった。誰にも預けることができない、かけがえのない個を私は持っている。だからこそ、同じく孤独である誰かと手を繋ぎ、時を分かちあう 。 家族や仲間と過ごす。私たちは一つにはなれないし、分かりあうことはできない。それをわかっているからこそ、私たちは手を取りあうのだ。>
<とにかく私は、いのちの車窓から外に出た様だ。炊いてい何もないところに私は立っている。道はなく、一歩踏み出すと足跡が刻まれていく様な場所だ。以前の様にレールはない。目的地も自分で決めなければ設定されない。運命など、ないと思えばないし、生き様は社会が決めるものでも、常識が縛る
ものでもない。そんな何も届かない場所でどうありたいのか。どう思われるかではなく、私は一体、どうありたいのか。その問いだけがあった。
未来も自由も、この一つのいのちの中にある。
そんな当たり前の今に、私は立っている。>
成功して認められるようになったのと言うのも大きいでしょうけど、結婚したことも少なからず影響してるのかなあ。
そんなに多くは語られないけど、新垣結衣さんとのエピソードはちょっと心に残るものがあります。
湯のみの話
あれってそういうことですよね。
#読書感想文
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