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現在進行形としては結構楽しそうかな:読書録「ひとまず上出来」

・ひとまず上出来
著者:ジェーン・スー
出版:文藝春秋



CREAで連載しているエッセイをまとめたもの。
パートナーと別れて一人暮らしを始め、コロナ禍に突入し、思わぬ「推し活」をスタートさせたwスーさんの日々が窺えます。
スーさんのエッセイはいつも「現在進行形」で、その時その時の「考え」や「気持ち」のブレも正直に書かれるので、「自分より少し年下の、ちょっと(?)トンがった女性」がどんな風に社会を見てるか…ってのを眺めるのにちょうどいいんですよね。
(ちょっと理屈っぽいけどw)


本書だと印象的なのは、
「頑張る」
ってことに対する考え方かな。
他人に対して「頑張って」っていうことが避けられる風潮への違和感。
このことは堀井美香さんとのPodcast「Over the Sun」でも何度か話題になってましたが、テレビ・ラジオ業界では相当にここら辺には気を遣ってるみたいですね。
まあ、すぐに「異常残業」でブラックになりがちなところがあるから予防線が張りまくられてるのかもしれませんが、「いや、そこまで忌避せんでも…」と思ったりもするんですが、これは僕の方が「時代遅れ」なのかしらん?


基本的にはスーさんの「違和感」に同感するものの、一方でそのベースにある「能力主義」的な価値判断をどうしたらいいかなぁとも考えちゃいます(サンデルさんの指摘も踏まえ)。
「それはそうだけど<今>はそうじゃないんだから、対処策としては<目標>を定めて<頑張>らなきゃ」
っとは思うものの、じゃあ<今>を変えていくにはどうしたらいいのか…と。
そこんとこ置いといて、まずは「自分のこと」…って歳でもなくなってるし、社会の現状もそれを許容できなくなってる印象があるんだよな〜。


とはいえ、全体としてはスーさんは元気で楽しそうです。
ま、「推し活」も充実してるようだしw。
(K-POPファンの娘に姿が重なります)
現在進行形で「歳」を重ねながら、決して「年齢におもねらない」。
次の報告がどうなりますか。

#読書感想文
#ひとまず上出来
#ジェーンスー


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