僕は箱根駅伝ファンてわけじゃないんだけど、泣かされました。:読書録「俺たちの箱根駅伝」
・俺たちの箱根駅伝<上・下>
著者:池井戸潤 ナレーター:浅木俊之
出版:文藝春秋(audible版)
池井戸潤の新作。
早速Audibleになっていました。
Amazon気合入ってるなぁ。
箱根駅伝を舞台とした物語です。
本選に出場できなかった大学から選抜される学生選抜チームと
箱根駅伝のテレビ中継を行うテレビ局
大きくはその2つが舞台となります。
公式には順位も記録も残らない選抜チーム。
毎年下位に甘んじている選抜チームをかつての箱根駅伝のスターでありながら、長年陸上会から距離を置いていた男が監督として率いることになります
毎年、箱根駅伝を放送するテレビ局にも、定型化した放送から新しいやり方に変えるべきだと言う意見を持つ役員が現れ、現場に介入してこようとします。
寄せ集めのチームの不協和音の中からどうやって成功を上げることができるチームを作り上げていくのか
伝統のある番組のあり方をどうやって認めさせて行けばいいのか。
大人たちの思惑が錯綜する中集まった選手たちは、自分たちにとっての「箱根駅伝」を求めて走ります。
いやぁ、登場する人物たちのそれぞれの思いがあって、それがレースの中で浮き上がってくる展開が何とも胸をつきます。
個人的には特に9区ですかね。
いやはやもうなんとも泣ける泣ける。
僕は特に箱根駅伝に思い入れはないんですけど、箱根駅伝好きの人にとってはたまらないんじゃないですかね、これは。
そして読み/聴き終わったあとには、爽快な想いが残ります。
オーディオブックなので、テレビ中継のアナウンスのシーンが、放送そのもののように耳に届きます。
これがまたよかった。
ナレーターさん、グッドジョブです。
池井戸作品はテレビドラマ化や映画化がよくされますけど、これはどうかなぁ。
相変わらず物語としてはストレートで「敗者のリベンジ」として強く訴えかけてくるものはあるんですけど、「箱根駅伝」ですからね。
果たして映像化できるのかどうか。
テーマの1つが、良質なスポーツ中継と言う点にもありますからなおさらです。
そこを正面から捉えてチャレンジしてくれるなら見てみたい。
安易に「池井戸作品だから」…っていうのは避けて欲しいですけど。
どうかな?
Netflixあたりなら安心なんだけどなw。
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