マガジンのカバー画像

音楽・ライブ

185
運営しているクリエイター

#映画感想文

「不在」のプリンスの存在感と、ディランとスプリングスティーンの重み:映画評「ポップスが最高に輝いた夜」

「不在」のプリンスの存在感と、ディランとスプリングスティーンの重み:映画評「ポップスが最高に輝いた夜」

評判の良いドキュメンタリー映画をNetflixにて。
「We Are The World」が録音された1985年1月28日の夜を中心に、この曲が成立した過程を振り返っています。

いやぁ、評判通り面白いっす。
巨大になったw今のライオネル・リッチーがメインとなって話を進め、ケニー・ロギンス、ヒューイ・ルイス、シーラE、シンディ・ローパー、ブルース・スプリングスティーンたちが当時を振り返ります。

もっとみる
「世界一の製造ライン」はどんな風になっていたのか:映画評「メイキング・オブ・モータウン」

「世界一の製造ライン」はどんな風になっていたのか:映画評「メイキング・オブ・モータウン」

先に読んだ大和田俊之さんの「アメリカ音楽」では、モータウンについてこんな風に書かれています。

<自ら「自動車の街 =モーター・タウン(モータウン)」と名づけたレーベルのコンセプトについて彼は自伝で次のように語っている。

工場で車ははじめにフレームの形で現れ、ベルトコンベアーで生産ラインの終点に流れてくる──ピカピカの新車になって。私はそのコンセプトを自分の会社にも導入しようと思った。ただし、ア

もっとみる
「舞台」じゃないんだ。「コンサート」だ!:映画評「アメリカン・ユートピア」

「舞台」じゃないんだ。「コンサート」だ!:映画評「アメリカン・ユートピア」

トーキング・ヘッズの「ストップ・メーキング・センス」を観たのは、吉祥寺のミニシアターだったか、ビデオの方が先だったか。
何となく背伸びしなきゃいけないような気がしてたトーキング・ヘッズのライブが、面白くって、ポップで、カッコいいことに気付かされました。

で、ディヴィッド・バーンの「アメリカン・ユートピア」。
ブロードウェイでのショーをスパイク・リーがフィルムに収めています。

予告編とかを見て、

もっとみる
放映されなかったのは陰謀論的な話じゃなくて、ビジネスにならなかったからかな:映画評「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

放映されなかったのは陰謀論的な話じゃなくて、ビジネスにならなかったからかな:映画評「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

ウッドストックと同じ年にハーレムで開催された黒人音楽のフェスティバル「ハーレム・カルチュアル・フェスティバル」のドキュメンタリー。
なぜか「ディズニー+」でもう配信されておりました。

69年の開催から映像化されることがなく、50年以上経って、ついにその全貌が…って話なんですが、映像化されなかったのは、なんか人種差別的な陰謀論とかがあるわけじゃなくて、単純に「ビジネスとして成立しなかったから」って

もっとみる