放映されなかったのは陰謀論的な話じゃなくて、ビジネスにならなかったからかな:映画評「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)
ウッドストックと同じ年にハーレムで開催された黒人音楽のフェスティバル「ハーレム・カルチュアル・フェスティバル」のドキュメンタリー。
なぜか「ディズニー+」でもう配信されておりました。
69年の開催から映像化されることがなく、50年以上経って、ついにその全貌が…って話なんですが、映像化されなかったのは、なんか人種差別的な陰謀論とかがあるわけじゃなくて、単純に「ビジネスとして成立しなかったから」って話なんじゃないか、と。
ここら辺、エディ・マーフィーの「ルディ・レイ・ムーア」なんかを思い出すと、なんとなく納得できるところがあります。(あちらは70年代の話ですから)
だからって、このフェスやドキュメンタリーのインパクトが薄れるわけじゃないですけどね。
まあ、よくもこのメンツを引っ張ってきたな…と感心します。
映画的に「山場」となるのは、「スライ&ファミリーストーンズ」
「変革」というテーマにつながる「スティービー・ワンダー」「グラディス・ナイト」
「黒人社会」の魂を感じさせる「マヘリア・ジャクソン」「ニーナ・シモン」
etc,etc
ブラック・ミュージック好きならたまらん顔ぶれ。
冒頭は19歳(!)のスティービー・ワンダーなんですが、そのファンキーなドラム(‼︎)にいきなりガツンとやられます。
B.B.キングが、コレまたカッコええのよ。
…と、頭っから魅入っちゃいましたw。
サントラもええですよ、当然。
まあ、こういうの、やっぱり劇場でいい音で見るのが一番なんでしょうな。
iPad & AirPodsProでもかなり楽しめましたが。
時代的に言えばApple TVの「1971」にもつながります。
スライの時代的な位置付けなんかは、あっちの方が分かりやすいですね。
そしてこの前の時代としては、もうすぐ「Get Back」が。
…う〜ん、いい時代になってきたなぁ。
(ドキュメンタリーとしては当時の黒人の置かれた状況にフェスを重ねる構成になっています。
それが過度に説教臭くならず、それでも「カッコよく」まとめてるあたり、僕は好きですね。
演者も、観客も、なんかカッコイイんすよ)
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