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夜気
夜気は夜中、窓の隙間から部屋へ忍び込んでその辺に溜まっている。
夜気は身体に良くない、と言う。
湿って冷たく、しんとした密度が弱った身体には堪える。
夜気にあたると、夜行性でない自分は夜という存在に生存本能を脅かされる気もするし、最近では足がつったりもする。寝ぼけている時に足がつるのは本当に勘弁してもらいたい。つま先をどっち側に曲げたら治まるんだったか、毎回わからなくなる。
夜気は冷たいが、冬には使わない言葉だ。ある程度暖かい季節、昼とのギャップが必要だ。
夜気は今夜もカーテンの裾から這うように広がっていつしかこの部屋は夜気の海となる。ひたひたと波打つ夜気に当たってふくらはぎを冷やさないよう布団に入らねば。
その前に窓を閉めるべきか。
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