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モノクロプリント初体験。


昨年、モノクロプリントのワークショップに初めて参加した。

ワークショップ当日、参加者は自分を含め2人。先生から作業内容の説明を受け、参加者同志を含めて簡単な自己紹介を済ませると持参したネガフィルムを手にいざ暗室。文化祭のお化け屋敷を彷彿とさせる黒塗りの狭い通路を抜けるとそこは赤暗いセーフティライトのみがぼんやりと灯された暗室である。刑事コロンボなどで幾度となく見かけてきたあの光景の中に今まさに自分がいることをしばし噛み締める。

先生の説明を聞きながらさっそく引き伸ばし機の使い方から現像、停止、定着、水洗の工程を順番に進めてゆく。手元の作業といえば必ず何かやらかすタチなので、人前でそれを晒す恐怖に怯えるあまりわたしの作業はおっかなびっくり、ちっとも捗らない。新たな工程に取り掛かる度に先生の教えを請い、というか手取り足取り自ら進んで先生の操り人形と化し、引き伸ばし機でのピント合わせやトリミングなどの作業はほとんどお任せしてしまった。

記念すべき最初のプリントはもろもろの設定ミスが重なってそれは見事な闇夜のカラス(全面真っ黒焦げ)に仕上がった。しかし、この程度の失敗は想定内である。その後、設定をあれこれ変えながら何度かプリント作業を繰り返していると徐々になんらかの感覚らしきものが掴めてきて、最終的に派手な粗相で周囲にご迷惑をかけることも機材を破壊することもなく(自称)、予想以上のプリントを2点仕上げることができて得意満面だった。※
(※実際には先生のご助力なくしてはなし得なかった。ありがとうございました。)
講座終了後には先生から「いずれ受講者の皆さんの作品展を開催したい」などというモチベーションをくすぐられるお話も伺って、足取りも軽やかに帰宅したのだった。

その夜帰宅してみると、先生よりメールが届いていた。何だろう、さっそく写真展のお誘いかしら、なんてソワソワしつつ確認してみると、「ネガの忘れ物がありました」とのご連絡だった。最後のプリント時に使用したネガを引き伸ばし機に挟んだまま忘れて帰ってきてしまったのだ。本当にお手数かけてごめんなさい。

数日後、再び会場を訪ねて忘れたネガを受け取ってきた。ネガは真新しいスリーブに入れられて保管して頂いていた。恐縮至極である。



そして、初めての手焼きプリント作品2点はその後パネルにして記念に我が家の階段へ飾った。
手前味噌、最高である。


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