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夏休みと名付けた日と幻のミロコウフィルム。
振り返ってみればまともな夏休みがなかった今年。
日中の時間帯がぽっかり空いた8月のある日、気になっていた場所へ出かけてきた。なんとなく観光気分を味わえたこの日を今年の夏休みと名付けることにした。
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角川武蔵野ミュージアム、隈研吾さんの事務所がデザインを手がけた施設だ。
隈さんといえば木材を使うイメージだったのだがここは石貼り(多分)。宇宙から降ってきたみたいに忽然とした異質の存在感で、なんとなく「2010年宇宙の旅」のモノリスを彷彿とさせる佇まいだった。
内部の展示も面白かった。何時間でもいられそうだった。都合により滞在時間はわずかだったにもかかわらず、松岡正剛さんが監修する「エディットタウン-ブックストリート」では読みたい本に何冊も出会えた。家の近くにあったら通いたい。荒俣ワンダー秘宝館ももちろん楽しかった。
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ここに載せた写真ではほとんど人の気配が感じられないとは思うけれど、この日は8月の週末でそれなりの人出があったのだ。しかし、誰もが競うようにして屋内もしくは日陰へと急ぎ、容赦なく真夏の日差しが照り返すコンクリートの上に立ち止まる人などいなかった。
また、施設の入り口前の広場にはキッチンカーが何台か出ていて、中でもスリランカ人と思しき人が切り盛りしていたスリランカ料理屋さんがその場で調理してくれた、小さく刻んだクレープみたいな生地と野菜をピリ辛に炒めたなんとかというスリランカのソウルフードが美味しかった。あれを食べるためにまた行きたいと思えるくらい。
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さてこの日はブローニーのカラーフイルム1本とモノクロフィルム数枚分をこの場所で撮影してきた。後日それらをまとめて現像に出した数日後、カメラ屋さんから「先日お預かりしたカラーフィルムですが、1本まるまる未露光でした」との悲しいお知らせが届いた。
未露光。ミロコウ。ハシビロコウだったらずっと眺めていたいけど、ミロコウとは。
そこであらためて思い返してみると、そういえばあのカラーフィルム、巻上げの時に違和感があったかもしれない、撮り終えて巻き戻したときもなんとなくあっという間に巻き終わっちゃったかも。。。と、抑圧していた記憶が徐々に蘇ってきた。機材不調はその場で確認するものであり、記憶を抑圧などしていたら下手をすれば傷口を広げることにもなりかねない、と自分に言い聞かせている。
ミロコウフィルムの後に続けて撮影したモノクロフィルムは問題なく全カット撮れていたので、カメラ自体のトラブルではないと信じることにした。(これも抑圧か。)だってローライフレックスの修理なんてほんと、ぞっとしない。
ちなみに幻のミロコウフィルムでは主に館内を撮影。本棚劇場などの映えスポットでシャッターを切って仕上がりを楽しみにしていただけに残念無念。でもまあ、これもまたフィルム写真の醍醐味だ。機会があったらリベンジしよう。その時もあのスリランカ料理のキッチンカーが出てるといいなあ。
Rolleiflex3.5F + プラナー75mm
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