[客力の磨き方] 良き客になるための教科書-ホテル編- 「客の出したゴミ、中身の分別チェックしてるって本当ですか?」
客力の磨き方シリーズのホテル編
はじめに
唐突にこんなことを聞くのには理由があります。
わたしはご存知のように、この30年間ホテルに泊まりまくりな訳ですが、連泊やチェックアウトの際、一体部屋がどうなってたら掃除のスタッフが掃除しやすいのかな?と考え続けてきました。
独自に取材を続けた結果「使ったものは使ったとわかりやすいように置く」「元に戻したり、使用済みをわかりにくく置かない」等、大事なポイントは押さえられるようにはなりましたが、お掃除してくれる方々の本音がどこにあるのかなど、細かい部分は突っ込んで聞く機会が持てずにいました。
なので、疑問を解消すべく思い切ってホテルの内部事情に詳しい人に、「SUZUが疑問を持っていたり、どうしたらいいか迷っている様々なこと」を聞いてみることにしました。
今回わたしの質問にお答えくださったのは、ホテルでGMの経験もあり、現在はホテルや宿泊施設の現場で最前線に立っているコンサルのかず様です。
そしてこの記事は
〈サービスに奇跡はない「接客される技術」〉シリーズの企画であり
【客力の磨き方】ホテル編 としての立ち位置です。「客力」は磨いた方が充実した時間を過ごせますのでね。
これからは「客力」を上げていくことってとても大事だと思うのです。客だからと無駄に偉そうに振舞うことは野暮だと自覚し、客が自覚的に「良い客であろう」と客力を磨くことがまず客のあるべき姿だと思うので。
客として初心者でないのなら、経験を積んで成長したその先で「お客様は神様」の意味を都合よく解釈することは一番避けたいことです。
新しくはじめるホテル編の初回のテーマは「部屋の清掃」です。
楽しく快適にホテルに宿泊したいのに、最低限のお作法を知らないことが理由で、データベースに「要注意客」って書き込まれたら台無しですからね。これを教科書にして「客もちょっとは学ぼう」ってのがこの記事の目的です。
それでははじまります。
ここから先は…全文無料でお届けします。
ゴミの分別、どこまで客がするべきですか?
「燃えるゴミはゴミ箱へ、燃えないゴミやペットボトルはゴミ箱横へ」
かず:各自治体で分別方法が違うため、ホテルによってはゴミ箱を数種類置いてあったり、お願いが掲示されていることがあります。指定や個別設置がある場合はそれに沿っていただくとありがたいのですが、そうではない場合、「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「ペットボトル」に分けて置いていただくのが一番助かります。SUZU様がおっしゃるように、燃えるゴミはゴミ箱へ、燃えないゴミやペットボトルはゴミ箱横へ、その程度の分別でもかなりありがたいです。
レジ袋有料化問題
K: 以前はごみ箱の横にコンビニ袋にまとめて置かれるお客様も多かったです。その場合はゴミとして回収しております。最近はコンビニ袋が有料となり、捨てる用の袋をお持ちでない場合もありますが、フロントにお声掛けいただければご用意できるホテルも多いと思います。
K: ゴミ袋としての利用であれば、客室係へのコールでも大丈夫です。その場合は、例えばゴミ箱内に掛けるような透明袋などを持っていく場合もあります。この袋をご要望であれば客室係へご連絡をお願いします。コンビニ袋は、ちょっと買い物にいきたい時や雨で濡れたものをいれたいなど様々なご要望があり、フロントに常備しているケースも多いです。レジ袋有料化後はこのご要望も多いので、客室係・フロント係どちらでも構いません。
クリーニングバッグはゴミ袋ではない
K: たまに(ゴミ袋の代わりに)クリーニング用の袋にいれて捨てられる方もいらっしゃいますが、
K: (ゴミ袋をクリーニング袋で代替してしまうことは)不織布でも数件ありました。ビニールや紙製の場合、さほどレアケースではありません。お客様目線で考えると、ゴミをまとめる袋としてなにか探したらクリーニングの袋があった、という感じでしょうね。特にそれ自体は問題にはしておりませんが、より入れやすい袋もありますのでフロントにご連絡下さい。
K: 確かにそれはありますね(苦笑)本音で細かなことを言いますと、専用のクリーニング袋と汎用のゴミ袋では単価がかなり違います。一部屋単位では大した差ではありませんが、館全体的に考えるとクリーニング袋を使用されるのはやめていただければ、というのは正直あります。
ゴミ箱の横に置いていても捨ててもらえない
K: 連泊のお客様で、ゴミ箱の横に少し中身の残ったペットボトルを置かれている場合があります。
K: 私たちも基本的にはゴミと判断しますが、ごくまれに「飲むつもりだった」とおっしゃる方がいらっしゃるのも事実です。まぁこれはクレーマーの罠のケースもありますが・・・ そのため、連泊のお客様は「少しでも残っているものは捨てない」と判断するホテルも少なくないかと。
ホテルのゴミ箱は小さすぎ
K: ゴミ箱が小さい主な理由は、生活感を出さないためだと思われます。小さくしないとダメということはないのですが、ゴミ箱は小さい方が雰囲気を壊さないという風潮はあると思います。お客様の利便性を考えるとその点は改めて疑問ですね。シティホテルやビジネスホテルの方がゴミ箱は大きいものを使っています。
K: 燃えるゴミ、燃えないゴミ、ペットボトルと分けて置いていただければ助かります。またゴミ箱の周りにまとめて置いていただくと、基本的には全てゴミだと判断しております。飲みかけのジュース類は中身を捨てていただくとゴミと判断しやすいです。またデスクやテーブルの上に置いたままの空いたペットボトルは結構悩みます。結局は回収しないことが多いので、捨てる場合はゴミ箱横に置いていただければと
客の出したゴミ、 分別されてるか中身見るってほんと?
開封して視認する
K: いろんな対応の仕方がありますが、最近はコ口ナのこともあり、ある程度分別していただいているお客様のゴミ袋は、外から触って不燃物が入ってなさそうであればそのまま捨てます。または開封してさっと視認します。プライバシーや衛生面の観点からも、最近はあまり細かくチェックは行いません。以前はおっしゃるように細かく分別していました。特に分別が厳しくなった頃ですね。最近は最終的にゴミを回収する企業の技術力がすごく進歩し、ある程度の混在はOKな場合もあり、清掃スタッフのリスク・衛生面を優先しているところは多いです。
部屋が汚すぎる客は情報共有されますか?
K: 極端に部屋を汚す方は正式に情報共有する場合があります。実際の報告事例としては「ビールシャワーをされたのか、カーペットがアルコール類でびしょ濡れで特別清掃依頼」「壁に大きな汚れがついており、一般清掃では取れないので特別清掃依頼」などがありました。このレベルだと次回の要注意人物扱いにはなります。
K: 各ホテルの判断にはなりますが、よほどひどく部屋を汚された場合はあり得ます。ただ通常は1回くらいは様子見、ただし要注意人物視はされている、という感じですね。
迷惑な客に対する措置
部屋で毛染めはしないで欲しい
K: どれも正直困ることではあります(苦笑)次のお客様への影響が色濃く残るもの、ですね。臭いや詰まりはやっかいですし、ラメは全て取り去るのにかなり苦労します。事前にご相談いただくと逆に協力できたり、翌日からの部屋調整を行えるのでありがたいです。一番頻繁でかなり困っているのは、髪を染める行為です。これは禁止事項としてわざわざ提示しているところもあります。それでも頻繁にあります。染料がバスタブや壁面に付くと、なかなか取れないんです。通常清掃ではまず完全にはとれないので、特別清掃扱いになります。またタオルや枕カバーなどあらゆるものがダメになります。追加料金をいただくと記載があってもやられることはあり、本当に困っています。
K: 清掃に限ったことではありませんが、良い面・注意点は小さなことでもお客様情報に書き込むことはよくありますね。
K: 清掃面で共有される注意点としては、「○○に関してお叱りをうけた」などは書き込みますね。これはお客様が厳しいという意味ではなく、同じ間違いは繰り返さないという目的です。また「ゴミ袋のご依頼を受けたので、次回も用意しておく」など、今後そのお客様がご利用になる際にご滞在をより快適にできるよう、そういう注意点が多いです。
K: 良い面に関しては、清掃面では「ゴミは分別して置いていただけた」や「ベッド回りをキレイにしてご出発されている」、「清掃スタッフがお部屋前でお会いした際にお声かけいただいた」などです。また接客面では「いつも笑顔で応じていただける」「チェックインが混んでお待ちいただいたのに、大変だねとお声かけいただいた」など、ほんの少しでもスタッフが嬉しかったことが書き込まれたりします。
素敵なお客様はスタッフの教育にいい影響を与えている
K: 重要事項の共有というより、備考欄・メモ欄などに書いてありますね。これはお客様ご自身の清掃・ご利用面というより、このような対応をされる方は自社顧客として理想という点で共有することが多いです。「こういうことができる人」という意味ではなく、このような対応が自然と身に付いていて、様々な振る舞いが素敵な方という観点ですね。スタッフに対しても分け隔てなく気持よく対応していただけますので。内部事情までお話しすると、このようなお客様には勉強中のスタッフをあえて担当させて、「素敵なお客様」を感じてもらう事もあります。
K: おっしゃる通りです。実は、私たちも常に悩ましく感じているところです。お金をいただいている以上、最高のサービスを提供しご満足いただくことが大前提であり、それと相反する接客になっていることは承知しております。CSと教育、この兼ね合いはどこでも悩んでいることではないでしょうか。正直なところ、お客様にご納得いただける答えはできないかと・・・申し訳ございません。
私たちがこの教育面で意識していることは、その方が自社の理想のゲストであることです。より素敵なスタッフになって欲しいのであの方に接し、何かを掴んで欲しい、という気持です。音楽家が一流の音楽を聴き、画家が有名な絵画に接し、ソムリエが高級ワインで研鑽を積む・・・このスタンスと同じで、どれだけ多くの素敵なお客様に接してきたか、これがスタッフの身になっていきます。この話で勘違いされがちな「あの人なら失敗しても怒られない」は無いですね。また、すぐフォローできるように見守っています。
ただ、お客様側からみたら関係のないことであり、私たち自身もジレンマを感じている、というのが正直なところです。
使用済みタオルはどこに置けばいいですか?
タオルはバスタブのフチに掛けて
K: これはよく聞かれる質問です。海外のマナーでは、使用済みのタオル類は浴槽内へとアドバイスされていることが多いです。ただ、現実的にはフチにまとめて置いていただいたほうが助かります。
K: SUZU様おっしゃるように、バスタブが浅めの海外と違い、日本のホテルは溜めること前提で深い浴槽が多く、取り出す時には結構負担のかかる姿勢になります。
また多くの場合、バスタブは使用後で濡れており、そこに放り込まれるタオル類は水分を吸ってしまいます。回収する時に重かったり、水が滴り落ちたり、余計な手間が掛かっています。また、各部屋から同様のタオルを回収した後の台車重量はかなりの重さになり、女性や高齢中心の清掃スタッフには負担が大きいですね。バスタブ縁にまとめて置いていただくとありがたいです。
浴衣やパジャマはたたまないのが正解ですか?
K:中に何か入っていないか確認するため広げますので、畳んでいただく必要はなく、広げたままで構いません。お忘れ物やティッシュ類など毎回確認しております。また、見た目的に畳んでおきたいという方もいらっしゃいますので、その場合は簡単に畳んでいただいてももちろん大丈夫です。ただ、ボタン付きパジャマの場合、ボタンまで止めて畳む方がいらっしゃいますが、それは開けたままがありがたいです。
たたまれたものはいちいち広げて確認している。
使用済みで交換希望のパジャマや浴衣をどこに置けばいいですか?
K: 使用済みや連泊時の交換ご希望のパジャマは、タオル類と一緒にバスタブ縁に置いていただくとありがたいです。
K: 交換ご希望ということもはっきりわかりますし、一度に回収できるので助かります。また連泊・清掃不要のお客様がドア外の通路に置かれる方法もあります。
K: これはホテル側から特別な用意がない場合、そのままで構いません。ただ、他のお客様も通られますので、簡単に畳んで壁側に寄せて置いていただければと思います。たまにドアから投げただけで、通路真ん中辺りまで広がっているケースもありますので・・・通路はパブリックスペースで、ご出発や朝食に向かわれるお客様もいらしゃっいますので、皆様が気持ちよくお過ごしいただければと思います。
バスローブなど毎日交換を希望しない時は?
K: 明確に交換不要とわかる場合を除き、基本的には交換します。SUZU様おっしゃるようにメモ書きがあったり、フロントにお言付けいただいたりなどです。最近はエコやSDGsの面でその点を配慮するホテルも増えてきましたが、お客様に毎日清潔で快適に過ごしていただくため、まずは交換が基本になっています。ただ、お客様によって何が快適かは異なりますので、伝言など残していただくのは非常に助かります。「このお客様のご希望はこの対応」とクリアにわかるので、メモ書きなどは本当にありがたく思っています。
清掃の敵、髪の毛問題を考える
K: これはぜひおっしゃって下さい。ご滞在中は少しのご不満もなくお過ごしいただきたい、というのは真剣にホテル業に携わっている者の本音です。様々なタイプの人が働いているので中にはそのようなツイートもあるでしょうし、また安価な宿では対応が異なるかもしれません。ただラグジュアリークラスでは徹底してCSに拘ります。この点は今後の改善点・注意点にも繋がるので、ぜひおっしゃって下さい。
人手不足と人材の奪い合い
K: 現状を率直にお話しすると、清掃人手不足のホテルは多いと思います。ホテルによって様々な理由・戦略があるとは思いますが、主な理由の一つとしてこの人手不足が挙げられます。清掃スタッフの多くは、派遣・契約・アルバイトなどです。コ口ナ禍で稼働が落ちた際、多くのスタッフ達は仕事がなく、生活のために他業種に移られた方も多くいらっしゃいました。再度お願いしても既に他の仕事に就かれているため、以前よりスタッフが減っているホテルも多くあります。
手抜きではなく手が回らない
K: その状況で以前と同様の部屋数を清掃するので、1人当たり・時間当たりの担当部屋数はかなり増えています。手抜きというより手が回らない、というのが正直なところです。
K: またこれ(人手不足)はシティホテルやビジネスホテルでも同様であり、求人のため時給を上げています。少し高めだったラグジュアリー系と大差なく、それであれば「指紋一つでも注意されるホテルより、ビジネスホテルの清掃がいい」と移った方も少なくありません。
以前から繁忙期には他部署スタッフも清掃を手伝ったりしておりますが、現状はもうそれでは間に合いませんし、そもそも他部署も人手不足、という感じです。コ口ナ禍だけでなく、オリンピックに向けて大小様々なホテルオープンラッシュでしたので、人材取り合いもありました。
K: ただ、あくまでホテル側の理由であり、お客様に我慢していただくことではないのでなんとか人手を、と各ホテルとも頑張ってはおりますが、なかなか解消できない問題でもあります。
清掃不備は我慢したほうがいいラインってあるんですか?
K: 厳密に言えば1本でもNGなのがラグジュアリー清掃の基本ですが、どんなに清掃に気をつけていても最後の最後で自分の髪の毛が落ちてしまうことがないとは言い切れません。その点を考慮すれば、何本だったらというより、お客様が少しでも不快に感じられたら言っていただく、というご判断になるかと。清潔なお部屋でご不満なくお過ごしいただく、それがまず最低限のサービス提供になりますので、各お客様ごとの判断基準に拠ります。
部屋の汚損で濡れ衣を着せられる可能性はありますか?
K: フロントにお伝えいただくか、メモ書きなど置いていただいた方がいいです。あまりに酷い場合は、やはり「その日のお客様が」と捉えられます。もちろん一番はホテル側の清掃不備・チェック不足であり、それ自体が大問題なのですが、SUZU様のこのご質問内容に沿えば、自己防衛された方がいいですね。
自己防衛はしておいた方が無難
清掃スタッフへのお礼
日本ではチップは困ることがある
K: 基本的に日本国内では清掃に対してのチップは必要ありません。時々置いてもらえる方もいらっしゃいますが、例えば前日清掃をした担当者と当日の担当者が違った場合、どちらに宛てたものか?と問題になったケースもあります。また清掃に限らず、ホテル内でチップの受取があった場合は経理へ全額持参、結局は会社の売上になるという取り決めがある企業も珍しくありません。チップがまだ一般的ではない日本では、少々難しい点でもあります。
スポットが当たりにくい部署それが清掃
K: 様々な清掃の方々と接してきましたが、一番嬉しいのはやはりお礼の一筆、サンキューカードのようです。フロントやレストランと違い、スポットの当たりにくい部署なので、お客様からの直の一言は清掃後にみんなで回し読みされています。
小分けのお菓子は喜ばれる
K: また、メッセージと共に何か置いていただくとしたら、清掃終了後にみんなで一息つけるちょっとしたお菓子が喜ばれています。女性がほとんどの職場ですので、清掃の方々へ何かお渡しいただけるのであれば、みんなで分けられるお菓子が宜しいかと思います。
K: もし置いていただけるのであれば、小分け5~6個くらいから、でしょうか。ただ、個数はあまり気にされず「お客様が気に入って置いていただけるもの」で十分にありがたいです。規模により数人~数十人以上のスタッフが頑張ってくれていますので。この場合全体的に共有されることが多く、そんなお客様がいらっしゃったという報告だけでみんな笑顔になります。
K: 清掃スタッフはお客様から直接お礼を言われることがかなり少ないので、お客様からのメッセージやお気持ちがダイレクトに届くことを本当に喜んでいます。多分、皆さんが想像されるより大喜びで、それが仕事へのモチベーションにもなっています。
細やかな気配りで客に寄り添うのが清掃という仕事
時刻のずれも正確にチェック
K: リセットしています(笑)ラグジュアリーホテルの清掃チェック表はかなり細かく記載されており、その中にアラーム解除や時間ずれチェックもあります。
清潔な部屋と館内が一番長く客をもてなす
K: 私たちが接客する上で清潔感は大前提であり、それを保っていただく清掃部署は縁の下の力持ちです。清掃担当の皆さんが整えてくれた清潔な舞台があるからこそ、全ての接客が活きてきます。私たちスタッフが接客するより、清潔なお部屋・館内が一番長くお客様をおもてなししています。清掃の方々には感謝しかありません。今回このような内容を取り上げていただけることは、とても嬉しく思っています。ホテルに限らず、日本のいろんな場所が他国より比較的清潔なのは清掃の方々のお陰ですね。
まとめ
今回の企画ですが「こうやってきたけど正解かな」と疑問を持っていた事にきちんと答えが出て大変有意義な対談でした。客としてはゴミの分別や、交換希望や使用済みを分かりやすいように置く、みたいな小さい心がけは今後も続けていこうと決意を新たにしました。
そして良かれと思ってバスタブにタオルを投げ込んだり、パジャマをきっちりたたんだり、見栄えの為にボタンを止めたりしていたのが、かえって清掃の手間になってしまっていることもはっきり知れましたので、「どうすれば良いのか」の具体策がわかってよかったです。
交換希望のものは全てひろげてバスタブのフチにかける
ホテルの部屋を掃除してもらうのであれば、とにかく自分がやって欲しいことを分かり易くするのは、すべて自分の為ですからね。片付けられてなかったり交換されてなかったりして直接困るのは自分なのです。
サービスに奇跡はない
「サービスに奇跡はない」このシリーズの基本の考え方です。奇跡のサービスなんて派手な演出を加えた何かには魂は宿りません。
サービスってコツとかハックとかそんなまやかしで出来た雑なものではないんですよね。スポットの当たらない場所で働く誰かが、小さな小さなおもてなしの粒をそっと丁寧に崩れないように積み上げる事でしか成し得ないものなのです。
そんなサービスの真理について、かずさまが清掃の心意気をお聞かせくださったおかげで感じ取ることができました。
客力を磨くとは「本物のサービスを受け取れるスキルを磨く」ことに他なりません。昨今持て囃される派手な目くらましのうわっ面演出に惑わされず、地味だけどその誰かの積み上げてくれた小さな粒を、はっきりと感じ取れるようになることが客力そのものでもあると私は考えています。
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今回対談をお受けくださったディライティングオール代表のかず様の会社はこちらです。
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SUZUはこんな記事も書いてます。
ホテルの部屋は廊下と一緒くらいの気持ちで防犯対策しましょう。
キーはあってないようなものなので。