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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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#中医学

書記の読書記録#1004『中医臨床のための医学衷中参西録』

神戸中医学研究会『中医臨床のための医学衷中参西録』のレビュー レビュー清末民国代の名医・張錫純(1860-1933)の著作『医学衷中参西録』をまとめたシリーズ。一つ特徴を挙げるならば,生石膏を大量に用いるケースが多く,焼いた煅石膏ではダメというもの。 もくじ〈第1巻〉傷寒・温病篇 第1章 処方(治傷寒方;治温病方;治傷寒温病同用方;治瘟疫瘟疹方;治瘧疾方;治霍乱方) 第2章 医説・医話(第五期第4巻;第五期第5巻;第五期第6巻) 第3章 症例(傷寒門;温病門;瘧疾門;霍

書記の読書記録#653『[実践講座] 中医弁証』

楊亜 平『[実践講座] 中医弁証』のレビュー レビュー中医学における診断(弁証)のケーススタディとして必携の教科書。症状や主訴などから証を判別するために,どのような質問をすべきか詳細に書かれている。初学者にはかなり難しいところもある(特に方剤)が,最初のうちは八綱弁証や五臓六腑,気血水のパターンが判別できれば十分だろう。 もくじ第1章 ◇ 全身症状   1 寒熱   2 発汗の異常   3 不眠   4 嗜睡   5 浮腫   6 半身不随   7 黄疸   8 情緒の抑

書記の読書記録#543『わかりやすい臨床中医臓腑学』

王 財源『わかりやすい臨床中医臓腑学』のレビュー レビュー中医学のうち,臓腑理論の基礎と鍼治療への応用に焦点が当てられた教科書。 もくじ第1章 基礎概論―人体のなかの小宇宙という考え方 第2章 蔵象概論―中医学的な病気の原因 第3章 蔵象各論―五臓六腑の性質とはたらき〔生理〕 第4章 臓腑病証各論―臓腑が病むということ〔病理〕 第5章 臓腑間病弁証学―臓腑間のバランスが崩れるということ 第6章 代表的な疾患と治療方法―具体的な病気の考え方と配穴について 本記事

書記の読書記録#270「中医学の仕組みがわかる基礎講義」

兵頭明「中医学の仕組みがわかる基礎講義」のレビュー レビュー中医鍼灸を専門とする著者による,易しめの中医理論の教科書。気血水,五臓六腑,およびそれらの病態についてよくまとめられている。ただし方剤や鍼灸への応用には別の本が必要。 もくじ第1章 - 東洋医学の人体観 第2章 - 気・血・津液・精・神 第3章 - 蔵象理論 第4章 - 六腑の生理 第5章 - 3つの病因 第6章 - 病因から病態へ 第7章 - 代表的な病証29選 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#207「中医臨床のための舌診と脈診」

神戸中医学研究会「中医臨床のための舌診と脈診」のレビューと読書記録 レビュー舌診や脈診は,特徴的な症候が多く証の判別に役に立つ。本書は,主要な症候について写真付きで解説しており,基準として参考になる。 読書記録# 1p3〜58 ・舌質:神,色(淡白,紅,絳,紫,青),形(老嫩,胖大,腫脹,歯痕,痩薄,裂紋,光滑,点刺,瘀点,舌下脈絡),態(強硬,痿軟,顫動,歪斜,吐弄,短縮,舌縦,舌麻痺)・舌苔:色(白,黄,灰,黒),質(薄厚,潤燥,腐膩,全偏,剥落) # 2p59〜1

書記の読書記録#202「新・古典の学び方」

池田 政一「新・古典の学び方」のレビューと読書記録 レビューここでいう古典とは,漢方医学や中医学のものを指す。現代における活用を知るのに古典は欠かせない。主に「素問」「霊枢」からの引用で,ほかに「難経」「傷寒論」「金匱要略」も取り上げている。原典や注釈だけで読むのは容易ではなく,本書のような解説本は助かる。 読書記録# 1p3〜186 ・易経・道教・天人相関思想・陰陽,五行・虚実・気血栄衛と津液・経絡 # 2p187〜326 ・蔵象:肝と胆,心と小腸,脾と胃,肺と大腸,

書記の読書記録#191「中医臨床基礎学」

辰巳洋「中医臨床基礎学」のレビュー レビュー100ページほどの薄い本であり,中医学の最低限の内容についてまとめられている。 内容 ・体質分類・経絡・六経・衛気営血・三焦 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#185「中医臨床のための温病学入門」

神戸中医学研究会「中医臨床のための温病学入門」のレビューと読書記録 レビュー温病学とは,主に温熱あるいは湿熱の邪による外感病である温病に対する理論で,いわゆる感染性疾患を考えるのに有効である。中医学においては傷寒論とともに発達してきた一分野といえる(日本漢方では傷寒論メインで温病学はあまりない,気候の違いの影響か?)。方剤として有名なものに「銀翹散」「麻杏甘石湯」「白虎加人参湯」「大承気湯」がある。 読書記録・温病学の歴史・温病と傷寒・病因:風熱,暑熱,湿熱,燥熱,伏気・

書記の読書記録#138「中医学入門」

神戸中医学研究会「中医学入門」のレビューと読書記録 レビュー本格的に中医学を学習するための手引きとしてちょうどよい。今後,たびたび本書を参考にすることだろう。 読書記録# 1p1〜122 ・精,陰陽,気血津液・五臓六腑,奇経の腑・経絡・病因,病変・陰陽についての論点・五行,太極図・四診:望診(舌診),聞診,問診,切診(脈診) # 2p123〜285 ・八綱弁証:陰陽,表裏,寒熱,虚実・気血津液弁証・臓腑弁証・病邪弁証・外感熱病弁証・治則・治法:発汗,清熱,瀉下,和解,温