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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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2021年10月の記事一覧

書記の読書記録#314『法医学』

福島弘文『法医学』のレビュー レビュー必要とされる前提知識が多い分野で,その分基礎が活かされるとも言える。学習には欠かせないカラー写真もついている(いわゆらグロ画像も含まれるが分野からして当然)。 もくじ1 法医学総論 2 個体死・死体現象 3 内因による死 4 外因による死    5 小児の法医学    6 性に関する法医学   7 遺伝形質と親子鑑定 8 物体検査と個人識別    9 死亡時画像検査  10 死体の検査と事務的処理

書記の読書記録#313『図説 ユダヤ教の歴史』

市川 裕『図説 ユダヤ教の歴史』のレビュー レビューユダヤ教の全史を知るには十分な1冊。ユダヤ教というとキリスト教の前座として強調されがちだが,それだけではないことが本書で学習できる。 もくじ第一章 ラビ・ユダヤ教までの歩み 第二章 ラビ・ユダヤ教の成立と特徴 第三章 イスラーム社会のユダヤ教 第四章 カバラー 第五章 中近世西欧のユダヤ人ゲットー 第六章 近代国民国家におけるユダヤ教の多様性 第七章 二○世紀のユダヤ教―ショアーとアメリカとイスラエル 本

書記の読書記録#312『薬効分類別 服薬指導のエッセンス 改訂第3版~薬剤師のための患者さんへの接し方と服薬指導』

鹿嶋 直純『薬効分類別 服薬指導のエッセンス 改訂第3版~薬剤師のための患者さんへの接し方と服薬指導』のレビュー ※最新版 レビュー人間を相手にする以上一筋縄ではいかない「服薬指導」についての一つのケースとして活用できる。 もくじ抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬/抗がん薬/麻薬/循環器用薬/代謝改善薬/消化器用薬/抗肝炎ウイルス薬/呼吸器用薬/抗アレルギー薬/免疫抑制薬/解熱・鎮痛剤(偏頭痛治療薬を含む)/関節リウマチ治療薬/精神神経薬/抗てんかん薬/パーキンソン病治療薬

書記の読書記録#311『心理学 第5版補訂版』

鹿取 廣人,杉本 敏夫,鳥居 修晃,河内十郎(編)『心理学 第5版補訂版』のレビュー レビュー心理学の基礎事項がよくまとまっている,定番の教科書である。心理学といってもその幅は広い,そのことを確認する上でも本書が適しているだろう。 もくじI部 こころのありか  1章 心理学の視点   1.1 はじめに   1.2 心理学の方法   1.3 行動研究と心理学  2章 行動の基本様式   2.1 行動の水準   2.2 感覚支配的行動   2.3 習得的行動   2.4 シン

書記の読書記録#310『新ゾロアスター教史』

青木 健『新ゾロアスター教史』のレビュー レビュー一通りの歴史が書かれているが,中心は古代オリエント学に相当する部分で,日本語で読める本としてはかなり詳細まで踏み込んでいる。宗教そのものの考察に加え,政治的な影響についても触れられている。全体としては,メアリー・ボイス『ゾロアスター教 三五〇〇年の歴史』を始めとした英語圏の研究より,フランス語やドイツ語の研究を参照している。 もくじ序 論 プロローグ:原始アーリア人の民族移動 第1章:教祖ザラスシュトラの啓示と原始教団

書記の読書記録#309『今さら聞けない画像診断のキホン』

西川 正憲, 佐藤 功, 室田 真希子, 船曳 知弘, 内田 正志, 柴田 靖『今さら聞けない画像診断のキホン』のレビュー レビュー胸部X線,胸部CT,腹部X線,小児腹部エコー,頭部CTについて,主な症例についてまとめられた本。自分の知識の穴を確認する分には良いか。 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#308『NIH 臨床研究の基本と実際 原書3版』

井上裕夫(監修)『NIH 臨床研究の基本と実際 原書3版』のレビュー レビューアメリカ国立衛生研究所(アメリカこくりつえいせいけんきゅうじょ、英: National Institutes of Health、略称: NIH)は、アメリカ合衆国の保健福祉省公衆衛生局の下にあり、1887年に設立された合衆国で最も古い医学研究の拠点機関。(Wikipediaより) ホームページ: 主に公衆衛生大学院の教育プログラムに沿った教科書。 もくじ 1.臨床研究の歴史的展望 Part

書記の読書記録#307『なるほど電磁気学』

村上 雅人『なるほど電磁気学』のレビュー レビューその平易さと何とも言えない表紙でお馴染みの「なるほどシリーズ」電磁気学版。レベルは砂川『電磁気学』と同じくらいで,マクスウェル方程式や電磁波をゴールとする。簡単な例題に詳しい解説をつけていくスタイルで,読みやすいと思う人も多いだろう。 もくじ第1章 電荷とクーロン力 第2章 電位と電気力線 第3章 ガウスの法則 第4章 導体 第5章 コンデンサ 第6章 誘電体 第7章 電流 第8章 静磁場 第9章 磁性体 第10章 磁場と

書記の読書記録#306『ゾロアスター教(シリーズ 世界の宗教)』

P・R・ハーツ(訳:奥西 峻介)『ゾロアスター教 (シリーズ 世界の宗教)』のレビュー レビュー主にゾロアスター教の歴史と現在について書かれた入門書。とりあえずどんなものかを知るにはいいかもしれない。 より詳しいものとしては,青木健『ゾロアスター教』などを参考。 もくじ1 ザラスシュトラの善教 2 ゾロアスター教の父,ザラスシュトラ 3 ゾロアスター教の歴史 4 インドのゾロアスター教ーパールシー 5 ゾロアスター教聖典『アヴェスター』 6 ゾロアスター教の精

書記の読書記録#305『改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門』

千葉逸人『改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門』のレビュー レビューベクトル解析の基本事項から微分形式を経て,曲線と曲面の理論を混ぜながら,ガウス・ボネの定理とオイラー・ポアンカレの定理まで導く。必要事項が簡潔にまとまっており教科書として使いやすい。 もくじベクトルの内積と外積、 曲線論、 曲面論、 勾配(grad)、 発散(div) と回転(rot)、 ポテンシャル論、線積分と面積分、 積分定理、 微分形式からの曲面論、 ガウス・ボネの定理、 オイラー・ポアンカレの定

書記の読書記録#304「神秘学講義」

高橋 巌「神秘学講義」のレビュー レビュー神秘学あるいは神智学というとシュタイナーの著者が有名だが,当然のように難解である。本書はそのための入門書として優れており,シュタイナーのみでなくユングやブラヴァツキーにも詳しい。まずは心理学の主流を捉えることにしようと思う。 もくじ第一章 現実世界から超現実世界へ   未知への予感 「人類の意識」進化史の中で 無意識の世界の認識 思考と感情、感覚と直感 ファンタジーのプロセス レグレッシヴ エロスとタナトス 意識の発達史 父の時代

書記の読書記録#303「じっくり学ぶ曲線と曲面―微分幾何学初歩」

中内伸光「じっくり学ぶ曲線と曲面―微分幾何学初歩」のレビュー レビュー同著者『幾何学は微分しないと』とほぼ同じような教科書で,それと比べるとより計算に詳しい。微分幾何学の教科書(入門書として,ガウス-ボネの定理まで)として採用して問題ないと思う。 もくじ第0章 はじめに 第1章 平面曲線 1.1 基本的考察 1.2 正則曲線 1.3 弧長パラメーター 1.4 (平面曲線に対する)フルネ-セレの公式 1.5 曲率の幾何学的意味 1.6 平面曲線のまとめ 1.7 補足(飛ば

書記の読書記録#302「中国の思想Ⅶ 易経」

丸山松幸「中国の思想Ⅶ 易経」のレビュー レビュー本書では,易経の概要,『周易』本文の現代訳と原文,その周辺の書物について解説されている。易経の解説本の中では初学者でもとっつきやすい構成で,おそらく1冊目に選んでもなんとか読めると思う。 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#301「チボの狂宴」

マリオ・バルガス=リョサ(訳:八重樫克彦,八重樫由貴子)のレビュー レビューまず作者について。 ホルヘ・マリオ・ペドロ・バルガス・リョサ(Jorge Mario Pedro Vargas Llosa, 1936年3月28日 - )は、ペルーの小説家。アレキパ出身。ラテンアメリカ文学の代表的な作家でありジャーナリスト、エッセイストでもある。主な作品に『都会と犬ども』『緑の家』『世界終末戦争』など。1976年から1979年、国際ペンクラブ会長。2010年ノーベル文学賞を受賞。