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雇用形態にとらわれない経営手法 「フレキシブル経営」とは?

今回のnoteでは、新時代の経営スタイルとして可能性を秘めている「フレキシブル経営」について説明していきます。overflowでの実体験も絡めて紹介していきたいと思います。

前回のnoteはこちら

この記事を通して伝えたいこと

・フレキシブル経営とは
・なぜ今フレキシブル経営が必要なのか
・フレキシブル経営による経済的価値
・overflowにおけるフレキシブル経営
・数字に現れないフレキシブル経営の価値

フレキシブル経営とは

フレキシブル経営とは、「雇用形態にとらわれない人材活用により経営スピードを最大化する、新しい経営手法」のことです。

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従来の正社員一辺倒の採用を辞めよう!という極端な話ではなく、雇用形態にオープンなグラデーションのある人材活用をしていこう!という考え方です。

それによって得られるメリットは以下の点が挙げられます。

・転職市場に出てこないような潜在ハイクラス層に手伝ってもらえる
・採用までのスピードが早い
・採用コストが低い

雇用形態の特徴を知り、事業方針に応じて使い分けることで柔軟な経営を目指すのが「フレキシブル経営」です。


雇用形態の違いを理解する

上手に使い分けるために、まず雇用形態の特徴を整理します。

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雇用形態によって、採用までにかかる時間や時間的制約、採用コストなど様々な点で違いが生まれてきます。違いを理解した上で、時々刻々と変わる事業の状況と人材要件に合わせて最良な選択をしていくことが、経営スピードを加速させる上で大切だと考えています。

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なぜ今フレキシブル経営が必要なのか

これから説明するマクロ環境の変化に応じて、フレキシブル経営のような考え方にフォーカスされ始めたと考えています。

1.労働人口減少による「リソース確保問題」

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2030年には、労働人口が約650万人足りなくなると予測されています。

その対策として、AIによる自動化や、眠っている労働力の活用(定年引き上げ、女性の社会進出、移民の受け入れ)などありますが、政府が打ち出す指針の中に副業・複業の促進が入っています。

労働人口が減り、副業・フリーランスの比率が増えると、企業は自ずと「独立した個人」を活用する必要性にせまられます。

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https://wisdom.nec.com/ja/business/2018070301/index.html

事実、国内のフリーランス人口は毎年増加していますし、アメリカでは2027年にフリーランスが非フリーランスを超えるという予測もあります。

フリーランスや副業との上手な取り組み方や受け入れ環境をいち早く整えられた企業は、労働力の確保に苦しむ場面が減るのではないでしょうか。そこに気づいた企業から自然に移行しはじめている転換期が、現在のフェーズであると見ています。

2.市場環境の変化による「事業の流動性問題」

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現代は情報化かつグローバル社会です。
情報があふれ、刻々と変化する社会に合わせて「事業も常に変化を迫られる」状況です。変化に適応できない事業は淘汰される「ビジネスの短命化」が進み、これは年々加速しています。

市場環境が変化する中、企業における人材のニーズにはどのような影響があるでしょうか。

ユーザー・消費者の変化、経済環境の変化、グローバル化による競争スピードの加速、それらを考慮しながら日々、企業は意思決定を柔軟に変えなければなりません。人材活用についても、より流動性が求められるようになると考えています。

急にこのポジションに人が必要になった、必要ではなくなったといったボラティリティに対応できる、スピード感のある人材リソース確保の必要性が高まると予想しています。

3.個人の欲求の変化による「働き方感覚のズレ問題」

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現代はモノやサービスであふれ、さらに高品質・低価格が進んでいます。通常の生活をすることにおいては、不自由なことのほうが減ってきています。

マズローでいう、高次元な自己実現欲求に比重が移動しつつあると感じます。

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働くことにおいての自己実現欲求とは、自分の人生を自分で選択できることだと捉えています。そこに重要性を感じている人が増えてきている傾向にあります。

例えばフリーランスのモチベーションで最も多い理由は、「時間や場所に縛られず、自由で柔軟な仕事ができる」となっています。

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https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000189092_2.pdf

この欲求はさらに強くなるものと見られ、働く個人側からも多様性と流動性が加速すると見られます。

個人は「この会社に時間を投資することで自分らしい人生を歩めそうか?」という観点で企業を判断するようになり、報酬だけでなく、仕事内外の時間・働く物理環境・一緒に働く人の感性などにどれだけフィットするか、または自由があるのかが重要になってきます。

フレキシブル経営の必然性

マクロ環境の変化によって、個人・企業ともに大きな変化の過程の中にいると考えています。いち早く新しい時代に順応することで、企業活動における最も重要な「人材」というリソースを死守できるのではないでしょうか。

法の整備や制度など、政府の対応が追いついていない部分でもあるので、官民が手を取り合ってできるだけスピーディに移行していかないと、世界から取り残されてしまうという危機感も持っています。

フレキシブル経営による経済的価値

フレキシブル経営によって得られる価値を、もう少し手触り感を持って理解する上で、例を挙げてみようと思います。

以下のような条件下で「正社員経営の場合」と「フレキシブル経営の場合」での、お金と時間のコスト差を簡易的に計算してみました。

【前提】30人月かかる新規事業を立ち上げる
【条件】
・正社員は毎月1名ずつ、複業は5名ずつ採用できるものとする
・複業の稼働は50%とする
・複業は4カ月目に正社員へ切り替えるものとする
・どちらの場合も月給50万円の人を採用するものとする

▼人員計画(どちらも合計30人月)

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上の条件から、かかる費用をまとめると以下のようになります。

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30人月かかる新規事業を立ち上げるケースでは、1,180万円(34.4%)のお金と3カ月の時間が削減できます。もし営業利益20%の会社だったら、売上にして約6,000万円分+3カ月に匹敵するコスト削減です。

内訳を見ると、紹介手数料のフィーが差として大きく出ていることがわかります。

また、副業・フリーランスから正社員への転換については、事前に働き方も見た上での正社員登用になるためミスマッチも少ないという利点があります。

ここで重要なのは副業・複業チームを活用できているという隠れた前提条件が企業側に加わってくる点です。どのようなスタイルで事業を進めていくべきか、次で事例を交えて紹介したいと思います。

overflowにおけるフレキシブル経営

採用に至るまでの部分は、前回の記事をご覧下さい。ここでは、採用後について書いていきたいと思います。

まず、現状のメンバー構成は以下の通りです。

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方針については雇用形態を問わず、下記の3点をベースに運営しています。
※実際に使用しているオンボードドキュメントそのまま

【透明性】
「組織の階層は必要?」というのが性善説の重要な問い。インターネットセクターにおいては、脳みそが1個で手が100本ある組織より、脳みそが100個あり手が100本ある組織のほうがゲリラ戦に強くなる。
全員が「情報」と「言語化できない経験則」を共有することで同じレイヤーの意思決定ができる。

【権限委譲】
情報を透明化しただけでは、現実は変わらない。情報から仮説を立て、実行プランを練り、そして実行する。実行することを決めることを意思決定と呼ぶ。全員がオーナー、自分の意志で実行しよう。そしてたくさん失敗しよう。

【楽しもう!】
もう一つ、個々のパフォーマンスを伸ばすポイントが「楽しんでやる」こと。楽しみ方が上手な人は成長が速い。積極的に自分が楽しめて、没入できる仕事を見つけ、チャレンジしていこう。

働く環境について

・すべての情報にフル権限でアクセスできる(slack、googledrive、カレンダー、re:dash、JIRA、Figma、Qrio、etc..)

・ルーティンワークをSaaSや秘書サービスで極限まで外出して、内部メンバーはクリエイティブな仕事に集中

・副業メンバーはミッションを達成するために自分で人を採用できる

・働く場所は問わない、ミッションベースでの結びつき

自由度を高めている分、採用段階での工夫が重要です

採用について

・雇用形態、ポジション、レイヤー、経路の4つに応じて16個の採用経路に分けている。(例: 副業>プレイヤー>ルーティンタスク>リファラル、の場合は副業メンバーの判断で採用可能)

・面談では、VALUEをベースにした33項目の質問からスキル、思考性、カルチャーマッチなどを見る。得点が高いことが重要ではなく、どのようなパラメーターを持っているかを理解することが目的

・採用こそもっとも経営に当事者意識が持てる仕事だと思うので、できるだけ全員が採用できるように権限委譲を進める

コミュニケーションについて

・基本的にはslack上ですべて行う
  └非同期コミュニケーションで時間・場所を選ばない
  └テキストコミュニケーションで認識齟齬が起こりづらい
  └過去のやりとりの蓄積、検索が可能
  └オープンで情報透明性が高い

・業務開始初期はミーティングも
  └ミーティングは両者の考え方や方向性をすり合わせる上で、初期は行うほうがうまくいくケースが多い
  └週イチ、隔週などで始めていき意思疎通ができる感覚になったらslackに完全移行する

具体的なお仕事例

Aさん(フロントエンドエンジニア、大手メーカー→フリーランス)

・フロントのスクラッチ部分の実装
・ボイラーテンプレート(初期設計、骨組み)をつくる
・副業だけのチームをつくるときに適した作業環境を整える

Bさん(データアナリスト、大手IT→スタートアップ)

・re:dashのダッシュボード、クエリ設計
・ML(スコアリング), 分析レポート作成
・ビジネススコアのモデリング

Cさん(デザイナー、大手IT企業在籍)

・ゼロイチの新規サービスデザイン
・カスタマージャーニー、画面情報設計
・モック作成
・ディティールの作り込み

Dさん(インターン、大学生)

・開発、デザイン、マーケティング、コンテンツ制作など一人でメディアを構築・運営
・SNS広告の分析・改善、クリエイティブ制作
・メディアのマネタイズ責任者を務める

その他30人以上が非同期でオーナーシップを持って仕事を進めています。

数字に現れないフレキシブル経営の価値

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最後に、数字には現れないけれどフレキシブル経営をやっていてよかったなと思うポイントをいくつかご紹介します。

会社が持っている最も尊い資産は「人材が持っている情報」「人材が持っている経験」「人材が持っているつながり」だと思っていて、それを最大化できる点がとても好きなところです。

1.ヒトのネットワークが広がる

フレキシブル経営を行っていると、たくさんの人とゆるく広いコミュニケーションを持つようになります。極論、急に知らない人がオフィスにいたりしますw
「◯◯ができる人、紹介してくれませんかー?」「そういえば◯◯さん、XXの経験ありましたよね?相談させてください」など、相談できる相手の絶対数が多いことで事業課題を解決する手段の数・幅が広がります。

また、新しい人がネットワークに追加されたタイミングで経歴や興味・関心などをデータとして溜めておくことは後々、想像以上に貴重な資産になるのでおすすめです。

2.化学反応が生まれやすくなる

ヒトのネットワークが拡張すると、「発見数」が比例して伸びます。
普段自分が接しない情報だけど、ある分野に専門性が高い人がネットワークに入ってくるだけで興味が湧き、話を聞くことで最短で理解が深まります。
そうやって、みんなの「得意なこと」「好きなこと」をシェアして、共感して、理解しあう自然なコミュニティをつくることで、組織のシナプスが結びき、化学反応が起きやすい環境に近づいている感覚があります。

新しいことに楽しみながらチャレンジできる組織は、結果として最も成果が出やすい状態だと思っているので、実験的ではありますが今後も続けていきたいと考えています。

さいごに

私たちは自らの経験を基に、Offersというプロダクトを通じてフレキシブル経営を実現できる会社を本気で増やしていきたいと考えています。

フレキシブル経営の導入やOffersに少しでもご興味がある経営者や人事担当の方(もちろんそれ以外の方も!)は、こちらからお問い合わせいただければ幸いです!

また、私個人への問い合せもtwitterからDMいただければwelcomeです!

そして、仲間も大募集中です!

🙆overflowは絶賛積極採用中です🙆
\まずは副業からでもOK/


こちらに無いポジションでもお気軽にご応募お待ちしてます!

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人材採用SaaSのOffersを運営しているoverflowという会社のCEOです | 社員ゼロ、副業・複業150人の会社で「新しいチームのあり方」の社会実験を行っています 【会社】https://overflow.co.jp 【Offers】https://offers.jp
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