子育てしながら継続的に勉強する方法

現在、保育園児から高校生まで5人の子育て真っただ中です。大学を卒業して社会人になってからも語学やアート、ビジネススクールなど継続的に勉強してきたのでその記録を書きたいと思います。

初めての出産から今までの勉強遍歴

結婚して第1子が生まれたのは2004年。まだスマホは手元になかったし、外に行くにも子供連れが基本。勉強するのは本しかありませんでした。当時は妊娠出産の本を読んだり、ベビーマッサージ教室やママパパの子育てレッスンなど興味のあるプログラムは積極的に参加していました。

長女、次女が生まれて3歳になってから、グロービスビジネススクールに通い始めました。土曜日お昼のプログラムを選択し、その間は夫にお任せ。たった3か月だったけどとっても充実しており、後の自分のキャリアにも大きく影響を与えてくれました。

その後すぐに三女を妊娠したのが2010年。その頃には2008年にアメリカで生まれたオンラインスクールMOOCが日本にも広まり始め、今やいつでもどこでも無料でオンラインで勉強できています。改めてスピード感の速さには驚きます。

今は在宅勤務で自分のペースでフルタイム仕事をしつつ、21時からを勉強タイムと決めています。主に勉強するのはオンライン英語、マンツーマンレッスンのアラビア語。その他に、MOOCで見つけた仕事に関連するテーマを時々受講しています。

2012年のベストセラー『ワーク・シフト』

2016年、英ロンドン・ビジネススクールの教授であるリンダ・グラットンさんの『ライフ・シフト』により「人生100年時代」というキーワードが流行りました。今ではその概念は当たり前のものとして浸透しています。

その前の2012年に出版された『ワーク・シフト』も読んだ方いらっしゃるでしょうか?ワーク・シフトは「2025年にどのような働き方をしているだろうか」ということが具体的な世界の登場人物の1日の起床時間から表現しています。その中の一つの記述で、

”2025年の世界では、ほかの人と直接対面して接する機会が減る。その結果、気軽な人間関係がもたらす喜びを味わえなくなる。”

これって、「仕事一辺倒の人生」を送ってきた結果、「テクノロジーの進化」と「社会の変化」という外部環境により、「自宅で一人で仕事ができる環境=外に出ず人と交流しない孤独な生活」というネガティブ事例として描かれています。

本の中では、環境が変化するという流れを知っておくことにより、「積極的に社会とかかわるボランティアやコミュニティ活動をすること」「ジェネラリストからスペシャリストになることで自分が関心のあるプロジェクトにジョインできること」など生き方や働き方もシフトしましょう、という示唆にとんだ内容で、今読み返すとほぼ答え合わせみたいになっていて面白い。

2016年の『ライフ・シフト』へ

ワーク・シフトよりさらに多くの方をターゲットにしたのが『ライフ・シフト』世界中の老若男女問わずが自分に当てはまることだ、と感じたと思いますが、私も例外ではなく心に響きました。複数のキャリアを渡り歩く"マルチステージ"の人生には社会に出てからのリカレント(学び直し)教育が不可欠と著者は言っていましたが、複数のキャリアではなく、例え一つのキャリアであっても世の中の環境の変化はすさまじく学んでいかないと後退してしまう。仕事しながら5回も育休を取得した身としては、まさにそんな焦りもありました。

『ワーク・シフト』と『ライフ・シフト』、2冊同時に読むと、何度も今の自分の気持ちや漠然とした不安を言語化してくれてとても心に響くと同時に頑張ろうーーと思えました。

仕事のためにも、自分のためにも、勉強したい

仕事と家事育児は意識して気持ちを切り替えているつもりですが、営業スキルでまだ力が足りない、考えの整理をもっとしたい、顧客分析やトレンドを調べておきたいと思うことは多々あります。

また、一人の個人として共通の興味関心のある人と深い話をしたり、異業種の方と新規事業について意見交換したり、友人や子供の話を優しく聞いてセラピーのような役割になりたいと思います。より良い人間になりたいという欲や世の中に対する知的好奇心だって決して枯れない。仕事をすればするほど、誰か尊敬する人と話をすればするほど、日々成長する子供と対峙すればするほど、自分はまだまだ何も知らないと感じます。むしろ学生時代よりももっと学びたいと思います。


1年以上のオンライン英語継続中

1年以上前からオンライン英語のレッスンを続けています。EFEnglishで月8000円程度。これがすごく良い。いつでもどこでも毎日豊富なテーマとスクリプトで勉強できます。毎日45分のグループレッスンと、月に8回20分のマンツーマンレッスンも込みの値段。グループレッスンは予約不要、マンツーマンレッスンは24時間前から予約OK。

すべてネイティブの先生なのでとても発音がきれいでわかりやすく、楽しい。男性、女性、国、得意分野なども選択できるので様々な国の方の発音を知ることができます。

正直に言うと毎日できないこともあります。だけどプライベートレッスンだけでも週2回ペースで練習しているだけで、自信をもって話せるようになりました。初対面の方と英会話することに慣れたのは大きな進歩。英会話レッスンをする前は言葉が何も出てこなくて緊張していましたから。

マンツーマンアラビア語レッスン開始

今年からアラビア語レッスンを開始しました。これも有料のマンツーマンレッスン。1回1時間で週2回で継続中。最初は独学でテキストを購入したりラジオを聴いたりしてましたが、1か月たっても上達しないし頭に入らないのできちんと先生に教えてもらうことにしました。

そしたら1か月足らずでアラビア文字を覚え、読めるように!何となく発音も聞き取れるようになってきました!嬉しい!信じられない!

勉強を継続するためにしたこと

日中は仕事、朝と夜は子育てしながらも勉強を継続するって意思だけでは実現できません。何度も始めようと決めたけどスタート地点にすら立てなかったり、本が手元にあっても積読になってるなんてこと、今でも日常茶飯事です。勉強するには戦略が必要。

勉強をするためにしたことを以下に書き留めておきます。子育てや仕事など忙しい方にとっての参考になりますように。

1.本を読む

新しいことを学ぶ意欲を掻き立てるためには本をたくさん読みます。私はアラビア語を学びたいので図書館に行って、アラブの国々についての本をたくさん借りました。モロッコの旅行の本、イスラム教について、サウジアラビアとアメリカとの関係、アラビア語の基本など政治経済宗教、文化や言葉、旅行まで。それぞれの経験や知恵から発信される様々な視点はインスピレーションを与えてくれます。これが無料で読める図書館がある街、これが私の住む場所の一番好きなところの1つです。

2.動画で聞く

YoutubeやNetflixを開くと簡単に検索してさらにおすすめの動画を次々と教えてくれます。日本人が教えるアラビア語、エジプト人が日本語で教えるアラビア語、英語で教えるアラビア語など色々見てみましたが、最終的にアラビア語でアラビア語を教える子供向けアニメーションにたどり着きました。初心者には一番わかりやすく、テンポと音楽があって分かりやすいです。

3.共通の趣味関心を持つ友人を見つける

アラビア語を教えてくれる方を探すためにTandemという言語交換アプリを登録しました。エジプトのカイロに住み日本語を学びたいエジプト人女性や、ドイツに住み日本語勉強中のパキスタン人女性と出会うことができお互いの言語交換の時間を設けています。ただ共通の趣味関心ということで育児やドラマ、映画やアートなどの話をするためにメッセージアプリでは英語で会話をしてしまいますが!言語の勉強だけでは楽しくないけど、友達と話すことが中心だったらとても楽しく続けられます。

4.Chromeで検索する

関心のあることをスマホのChromeで検索すると、Chromeで検索する前に関連する記事やニュースのタイトルを見せてくれます。私の場合はアラビア語やアラブ諸国に関するニュースのほか、ダイエットや育児、レシピなどが多いのですが常に最新の情報をお勧めしてくれるので積み重ね練習に役立っています。

5.Keepにメモしておく

頭の中はいつもごちゃごちゃ、整理整頓は物理的な問題だけではなくむしろ脳内の関心ごとが多すぎるのが私の課題です。意識してTodoリストとしてKeepにやること、やりたいことをメモしています。いつでも見返して振り返りをするとともに、本当にやりたかったことに意識を戻しています。

6.時間を確保する

勉強は細切れですると私の場合はインプットしてもすぐ忘れてしまいます。ある程度(1時間程度)まとまってやっと腹落ちしたりする。そのために、毎日1時間を確保しています。

20時までに家事を終わらせる、お風呂に入れて、20時40分までに子供をベッドに連れていきます。例え子供が寝なくても、21時からはPCに向かって勉強を始めます。

ベッドで寝かしつけしながら、電気の照明を落としてPCに向かうこともあります。オンラインレッスンに息子が登場することもあります。それでも、21時から勉強できるなんて数年前は考えられなかったのでとても贅沢な時間。そこまでしなくても。。という意見もあるかもしれませんが、その場合はもっと遅くに開始するか、朝早くに確保すればいいと思います。私もそろそろ暖かくなってきたので朝もう1時間早起きして勉強タイムにしてもよいかと考えています。

決まった時間に勉強するという手法は学校や塾、習い事などの仕組みと同じ。自由に時間をアレンジできる社会人だからこそ、決まった時間を確保することが大切だと思っています。

7.有料化する

今や無料でできる勉強はたくさんあります。私も色々試してみました。しかし無料だとモチベーション維持が難しいんですよね。セミナーやイベントなども有料より無料の方がキャンセル率が高いのが常です。

言語習得も勉強もゴールが明確にあるなら、有料で学ぶことをお勧めします。MOOCも無料でいくらでも講座を取得できますが、確実にキャリアにつながり履歴書に書けるかも、と思うものは修了書をいただけるよう有料で受講したりしています。

短い時間で確実にゴールに近づくために、自分自身のモチベーション維持のためには有料受講がおすすめです。

8.習慣化する

習慣は無意識に自分をその場所に連れて行って実行にうつしてくれるものなので私は大好きです。習慣化の本をたくさん読み、早寝早起き、運動、食事、ダイエットなどコロナの1年の間に、生活習慣をアップデートしました。

先ほどの時間を確保することも習慣の一つ。毎日の習慣にするにはまずは計画を立てることが大切。小さな習慣と計画、目標から開始するのがおすすめです。

私の場合はアラビア語を1か月後には読めるようになろう、2か月後には書けるようになろう、3か月後には簡単な挨拶や自己紹介ができるようになろうと目標を立てて続けています。今は、読めるようになりましたので次は書くことが目標です。

9.とにかく始めてみる

最後はとにかく始めてみること。時間がない、余裕がない、と思っていたらいつまでたっても1か月前の自分と同じ。私もずーーーと英語をもっと話せるようになりたいと思って、少し勉強してはストップしてと何度も繰り返してきました。少し成長したと思ったらまた元通り。。成長実感を感じられなくて、優先順位はどんどん下がってしまいました。

昨年仕事でかなり高いレベルでの会話が必要となり、これまでさぼってきた自分を恨めしく思いつつ、やっと有料レッスンを開始しました。やったりやらなかったり、としながらも辞めないことが大切。何より始めてみることが大切。そして、周りに「始めました」宣言をしてみましょう。久しぶりに会って友達に「まだ続けているの?すごいね!」と思いがけずほめてもらったり、子供に「ずっと続いているね」と言ってもらったりするのは嬉しいものです。今では英語を仕事で使う機会が大幅に増えていますし、勉強することで次のモチベーション向上につながっています。

生涯学習、いわゆるリカレント教育を国も社会全体も推進していますので、環境は後押ししてくれていますし、1日でも早い方が修正が聞きやすい。いつでもどこでもなんでも学べる時代です。ライフ・シフトによれば、勉強は仕事や新しい人間関係やコミュニケーションの醸成に繋がり、楽しい生活を送り続けることができるらしい、と信じています。


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